文部科学大臣は、映画 その他の映像作品 及び紙芝居(以下「映像作品等」という。)について、教育上価値が高く、学校教育 又は社会教育に広く利用されることが適当と認められるものを選定し、あわせて教育に利用される映像作品等の質的向上に寄与するために、この規程に基づいて審査を行う。
制定に関する表明
教育映画等審査規程(昭和二十二年文部省令第二号)の全部を改正する省令を次のように定める。
映像作品等の審査を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、次の各号に掲げる事項を記載した申請書に審査を受けようとする映像作品等を記録した記録媒体を添えて、文部科学大臣に提出するものとする。
記録媒体の種別 及び規格
題名(外国の映像作品等の場合は、原名を併記する。)
申請者の住所 及び氏名 又は名称(外国の映像作品等の場合は、国内における取扱者の住所 及び氏名 又は名称)
製作年月日
映像作品等の概要
審査を受けようとする映像作品等が映画フィルムである場合には、申請者は、その映写に要する施設を確保するとともに、その経費を負担するものとする。
文部科学大臣は、前条の申請を受けたときは、学識経験者の意見を聴いて、 審査を行うものとする。
審査は、申請された映像作品等の持つ 教育上の価値を主とし、次に掲げる基準に従つて行う。
内容について
正確なものであるか。
信頼できるものであるか。
時代の進歩に応じているものであるか。
心身の発達段階に応じて 理解し得るものであるか。
生活、経験 及び興味に即しているものであるか。
経験領域を拡充し、豊かにするものであるか。
思考力 及び批判力をかん養するものであるか。
教養を高め、生活の向上に資するものであるか。
豊かな情操を養うものであるか。
倫理性を高めるものであるか。
学校教育用教材については、幼稚園教育要領 及び幼保連携型認定こども園教育・保育要領又は学習指導要領に示されている 教育課程に対する配慮がなされているか。
表現について
意図しているものが表現されているか。
画面が鮮明であるか。
色彩が適切であるか。
用語が平易かつ 妥当であるか。
解説に頼りすぎていないか。
解説と画面との結合が適切であるか。
映像作品にあつては、音声が適切であるか。
紙芝居にあつては、紙質 及び印刷が適切であるか。
その他
操作が容易であるか。
映像作品にあつては、動作が適切であるか。
映像作品等の審査にあたつては、前条に規定するもののほか、次の各号に掲げる事項についても 留意するものとする。
風教上好ましくないものではないか。
商業的 又は政治的な宣伝意図の顕著なものではないか。
安易な模倣を誘発し、社会的悪影響を及ぼす 虞れのあるものではないか。
その他中正を欠く 意図が感じられるものではないか。
審査の結果、第四条の基準に照して教育上価値が高く、かつ、前条各号について支障がないと認められたものは文部科学省選定とし、そのうち特にすぐれたものは 文部科学省特別選定とする。
前項の文部科学省選定 又は文部科学省特別選定は、その作品の内容に応じ、次に掲げる 対象別の分類に従つて行う。
学校教育の教材とするものについては、幼稚園 及び幼保連携型認定こども園幼児向き、小学校低学年(義務教育学校の第一学年 及び第二学年を含む。)児童向き、小学校中学年(義務教育学校の第三学年 及び第四学年を含む。)児童向き、小学校高学年(義務教育学校の第五学年 及び第六学年を含む。)児童向き、中学校(義務教育学校の後期課程 及び中等教育学校の前期課程を含む。)生徒向き 又は高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)生徒向きの別
社会教育の教材とするものについては、幼児向き、少年向き、青年向き 又は成人向きの別
一般劇映画 及び一般非劇映画については、幼児向き、少年向き、青年向き、成人向き 又は家庭向きの別
映像作品等の審査を行つた場合には、その結果を申請者に通知するものとする。
文部科学省選定 又は文部科学省特別選定となつた映像作品等(以下「選定教育映像等」という。)については、内容 及び利用上の注意等を付記して公表する。
前項の場合には、必要に応じ、その教科、 学年 及び学習指導要領に示されている内容項目等についてもあわせて示すものとする。
選定教育映像等とされなかつた 映像作品等については、審査の結果を公表しないものとする。
申請者は、選定教育映像等とされた 映像作品等にその旨表示する場合には、文部科学省選定 又は文部科学省特別選定の別、第六条第二項に規定する対象別、選定の年月日及び審査に係る記録媒体の種別(当該種別以外の種別の記録媒体により頒布する場合に限る。)を明示するものとする。
前項に規定する場合において、申請者が選定教育映像等とされた 映像作品等を当該映像作品等以外の情報を記録した 記録媒体により頒布しようとするときは、文部科学大臣にその内容を申告し、第五条各号に掲げる事項について確認を受けるものとする。
選定教育映像等とされた映像作品等の内容が変更された場合には、当該決定の効力は 失われるものとする。
文部科学大臣は、次の各号のいずれかに 該当するときは、選定教育映像等の選定を取り消すことができる。
選定教育映像等が第四条の基準に照らして教育上価値が高いと 認められなくなつたとき。
選定教育映像等が第五条各号のいずれかについて支障があると認められるとき。
その他文部科学大臣が特に必要があると認めるとき。