文化庁長官は、重要文化財の所有者に対し、重要文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。
文化財保護法
第二款 管理
重要文化財の所有者は、この法律 並びにこれに基いて発する文部科学省令 及び文化庁長官の指示に従い、重要文化財を管理しなければならない。
重要文化財の所有者は、当該重要文化財の適切な管理のため必要があるときは、第百九十二条の二第一項に規定する文化財保存活用支援団体 その他の適当な者を専ら自己に代わり当該重要文化財の管理の責めに任ずべき者(以下この節 及び第百八十七条第一項第一号において「管理責任者」という。)に選任することができる。
前項の規定により管理責任者を選任したときは、重要文化財の所有者は、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、当該管理責任者と連署の上二十日以内に文化庁長官に届け出なければならない。
管理責任者を解任した場合も同様とする。
管理責任者には、前条 及び第一項の規定を準用する。
重要文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、且つ、旧所有者に対し交付された指定書を添えて、二十日以内に文化庁長官に届け出なければならない。
重要文化財の所有者は、管理責任者を変更したときは、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、新管理責任者と連署の上二十日以内に文化庁長官に届け出なければならない。
この場合には、前条第三項の規定は、適用しない。
重要文化財の所有者 又は管理責任者は、その氏名 若しくは名称 又は住所を変更したときは、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、二十日以内に文化庁長官に届け出なければならない。
氏名 若しくは名称 又は住所の変更が重要文化財の所有者に係るときは、届出の際指定書を添えなければならない。
重要文化財につき、所有者が判明しない場合 又は所有者 若しくは管理責任者による管理が著しく困難 若しくは不適当であると明らかに認められる場合には、文化庁長官は、適当な地方公共団体 その他の法人を指定して、当該重要文化財の保存のため必要な管理(当該重要文化財の保存のため必要な施設、設備 その他の物件で当該重要文化財の所有者の所有 又は管理に属するものの管理を含む。)を行わせることができる。
前項の規定による指定をするには、文化庁長官は、あらかじめ、当該重要文化財の所有者(所有者が判明しない場合を除く。) 及び権原に基く占有者 並びに指定しようとする地方公共団体 その他の法人の同意を得なければならない。
第一項の規定による指定は、その旨を官報で告示するとともに、前項に規定する所有者、占有者 及び地方公共団体 その他の法人に通知してする。
第一項の規定による指定には、第二十八条第二項の規定を準用する。
重要文化財の所有者 又は占有者は、正当な理由がなくて、第一項の規定による指定を受けた地方公共団体 その他の法人(以下この節 及び第百八十七条第一項第一号において「管理団体」という。)が行う管理 又はその管理のため必要な措置を拒み、妨げ、又は忌避してはならない。
管理団体には、第三十条 及び第三十一条第一項の規定を準用する。
前条第一項に規定する事由が消滅した場合 その他特殊の事由があるときは、文化庁長官は、管理団体の指定を解除することができる。
前項の規定による解除には、前条第三項 及び第二十八条第二項の規定を準用する。
管理団体が行う管理に要する費用は、この法律に特別の定のある場合を除いて、管理団体の負担とする。
前項の規定は、管理団体と所有者との協議により、管理団体が行う管理により所有者の受ける利益の限度において、管理に要する費用の一部を所有者の負担とすることを妨げるものではない。
重要文化財の全部 又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者(管理責任者 又は管理団体がある場合は、その者)は、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、その事実を知つた日から十日以内に文化庁長官に届け出なければならない。
重要文化財の所在の場所を変更しようとするときは、重要文化財の所有者(管理責任者 又は管理団体がある場合は、その者)は、文部科学省令の定める事項を記載した書面をもつて、且つ、指定書を添えて、所在の場所を変更しようとする日の二十日前までに文化庁長官に届け出なければならない。
但し、文部科学省令の定める場合には、届出を要せず、若しくは届出の際指定書の添附を要せず、又は文部科学省令の定めるところにより所在の場所を変更した後届け出ることをもつて足りる。