農林水産大臣は、特定果実(その需給が著しく均衡を失し、又は失するおそれがあり、かつ、その状態を改善するために一年を超える相当の期間を必要とすると見込まれる果樹の果実であつて政令で定めるものをいう。以下同じ。)について、かつ、その需要の動向 及び生産の状況からみて需給が著しく均衡を失すると見込まれる年について、特定果実の生産 又は出荷を行う者 及びこれらの者の組織する団体(以下「特定果実生産者等」という。)、次条の規定により指定を受けた法人 並びに同条第二号に規定する法人に対する特定果実の安定的な生産 及び出荷を図るための指針(以下「生産出荷安定指針」という。)を定めるものとする。
果樹農業振興特別措置法
第四章 果実の生産及び出荷の安定に関する措置
前号の目標を達成するために必要な措置に関する基本的な事項
農林水産大臣は、生産出荷安定指針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
前二項の規定は、生産出荷安定指針の変更について準用する。
特定果実の安定的な生産 及び出荷の促進 並びに特定果実に係る果実製品(果実を加工し 又はこれを原料として製造した製品をいう。以下同じ。)の保管に関する事業を行うこと。
一般社団法人 又は一般財団法人であつて、特定果実の安定的な生産 及び出荷を促進すること、果実製品の原料として使用する果実を安定的に供給する生産者に対し当該果実の価格が著しく低落した場合に生産者補給金を交付すること その他果実の生産 及び出荷の安定に関する業務を都道府県の区域内において行うもの(以下「都道府県法人」という。)に対し、助言、指導 その他の援助を行うこと。
前条の規定による指定を受けた法人(以下「指定法人」という。)は、同条第一号に掲げる業務を実施しようとするときは、対象とする特定果実の種類、実施時期、実施方法 その他農林水産省令で定める事項を記載した業務実施規程を作成し、農林水産大臣の承認を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
農林水産大臣は、前項の承認の申請に係る業務実施規程が生産出荷安定指針に適合すると認めるときでなければ、同項の承認をしてはならない。
指定法人は、毎事業年度開始前に(第四条の四の規定による指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後速やかに)、同条各号に掲げる業務に係る事業計画 及び収支予算を作成し、農林水産大臣の承認を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
指定法人は、毎事業年度経過後三月以内に、第四条の四各号に掲げる業務に係る事業報告書 及び収支決算書を作成し、農林水産大臣に提出しなければならない。
農林水産大臣は、第四条の四各号に掲げる業務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定法人に対し、その業務に関し必要な報告をさせることができる。
農林水産大臣は、指定法人が第四条の四各号に掲げる業務を適正かつ確実に実施していないと認めるときは、指定法人に対し、その業務の方法の改善に関し必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
農林水産大臣は、指定法人が前項の規定による命令に違反したときは、第四条の四の規定による指定を取り消すことができる。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、第四条の三第四項の規定により生産出荷安定指針が公表されている場合において、特定果実生産者等による特定果実の生産 又は出荷が、指定法人が行う第四条の四第一号に掲げる業務 又は都道府県法人が行う特定果実の安定的な生産 及び出荷の促進に関する業務の円滑な実施に著しく支障を及ぼしていると認めるときは、当該特定果実生産者等に対し、当該業務の実施に協力するよう必要な勧告をすることができる。
政府は、外国産の果実 又は果実製品の輸入によつて国内産の特定果実 又は特定果実に係る果実製品の価格が著しく低落し 又は低落するおそれがあり、その結果、特定果実の生産 又は出荷に重大な支障を与え 又は与えるおそれがある場合において、特定果実 又は特定果実に係る果実製品につき、第四条の三から前条までに規定する措置によつてはその事態を克服することが困難であると認められるときは、当該外国産の果実 又は果実製品の輸入に関し必要な措置を講ずる等当該事態を克服するため相当と認められる措置を講ずるものとする。