武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律

# 平成十六年法律第百十二号 #
略称 : 国民保護法 

第二節 国民の保護のための措置の実施

分類 法律
カテゴリ   外事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十六号による改正
最終編集日 : 2024年 05月08日 14時05分


1項

国は、対処基本方針 及び第三十二条第一項の規定による国民の保護に関する基本指針に基づき、国民の保護のための措置に関し、次に掲げる措置を実施しなければならない。

一 号
警報の発令、避難措置の指示 その他の住民の避難に関する措置
二 号

救援の指示、応援の指示、安否情報の収集 及び提供 その他の避難住民等の救援に関する措置

三 号

武力攻撃災害への対処に関する措置に係る指示、生活関連等施設の安全確保に関する措置、危険物質等に係る武力攻撃災害の発生を防止するための措置、放射性物質等による汚染の拡大を防止するための措置、被災情報の公表 その他の武力攻撃災害への対処に関する措置

四 号

生活関連物資等の価格の安定等のための措置 その他の国民生活の安定に関する措置

五 号
武力攻撃災害の復旧に関する措置
2項

指定行政機関の長(当該指定行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該指定行政機関。以下同じ。)及び指定地方行政機関の長は、対処基本方針が定められたときは、この法律 その他法令の規定に基づき、第三十三条第一項の規定による指定行政機関の国民の保護に関する計画で定めるところにより、前項各号に掲げる措置のうちその所掌事務に係る国民の保護のための措置を実施しなければならない。

1項

都道府県知事は、対処基本方針が定められたときは、この法律 その他法令の規定に基づき、第三十四条第一項の規定による都道府県の国民の保護に関する計画で定めるところにより、当該都道府県の区域に係る次に掲げる国民の保護のための措置を実施しなければならない。

一 号

住民に対する避難の指示、避難住民の誘導に関する措置、都道府県の区域を越える住民の避難に関する措置 その他の住民の避難に関する措置

二 号

救援の実施、安否情報の収集 及び提供 その他の避難住民等の救援に関する措置

三 号

武力攻撃災害の防除 及び軽減、緊急通報の発令、退避の指示、警戒区域の設定、保健衛生の確保、被災情報の収集 その他の武力攻撃災害への対処に関する措置

四 号
生活関連物資等の価格の安定等のための措置 その他の国民生活の安定に関する措置
五 号
武力攻撃災害の復旧に関する措置
2項

都道府県の委員会 及び委員は、対処基本方針が定められたときは、この法律 その他法令の規定に基づき、前項の都道府県の国民の保護に関する計画で定めるところにより、都道府県知事の所轄の下にその所掌事務に係る国民の保護のための措置を実施しなければならない。

3項

都道府県の区域内の公共的団体は、対処基本方針が定められたときは、都道府県の知事 その他の執行機関(以下「都道府県知事等」という。)が実施する国民の保護のための措置に協力するよう努めるものとする。

4項

第一項 及び第二項の場合において、都道府県知事等は、当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、指定行政機関の長 又は指定地方行政機関の長に対し、その所掌事務に係る国民の保護のための措置の実施に関し必要な要請をすることができる。

1項

都道府県知事等は、当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置を実施するため必要があると認めるときは、他の都道府県の都道府県知事等に対し、応援を求めることができる。


この場合において、応援を求められた都道府県知事等は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。

2項

前項の応援に従事する者は、国民の保護のための措置の実施については、当該応援を求めた都道府県知事等の指揮の下に行動するものとする。


この場合において、警察官にあっては、当該応援を求めた都道府県の公安委員会の管理の下にその職権を行うものとする。

1項

都道府県は、当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置を実施するため必要があると認めるときは、地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十四 及び第二百五十二条の十五の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その事務 又は都道府県知事等の権限に属する事務の一部を他の都道府県に委託して、当該他の都道府県の都道府県知事等にこれを管理し、及び執行させることができる。

1項

都道府県知事は、武力攻撃災害の発生により市町村がその全部 又は大部分の事務を行うことができなくなったときは、当該市町村の長が実施すべき当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置の全部 又は一部を当該市町村長に代わって実施しなければならない。

2項

都道府県知事は、前項の規定により市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。

3項

第一項の規定による都道府県知事の代行に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

都道府県知事は、当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置(治安の維持に係るものを除く次項 及び第二十条において同じ。)を円滑に実施するため必要があると認めるときは、防衛大臣に対し、自衛隊法昭和二十九年法律第百六十五号第八条の部隊等(以下「自衛隊の部隊等」という。)の派遣を要請することができる。

2項

対策本部長は、前項の規定による要請が行われない場合において、当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置を円滑に実施するため緊急の必要があると認めるときは、防衛大臣に対し、自衛隊の部隊等の派遣を求めることができる。

3項

対策本部長は、前項の規定による求めをしたときは、速やかに、その旨を都道府県知事に通知するものとする。

1項

市町村長は、対処基本方針が定められたときは、この法律 その他法令の規定に基づき、第三十五条第一項の規定による市町村の国民の保護に関する計画で定めるところにより、当該市町村の区域に係る次に掲げる国民の保護のための措置を実施しなければならない。

一 号

警報の伝達、避難実施要領の策定、関係機関の調整 その他の住民の避難に関する措置

二 号

救援の実施、安否情報の収集 及び提供 その他の避難住民等の救援に関する措置

三 号

退避の指示、警戒区域の設定、消防、廃棄物の処理、被災情報の収集 その他の武力攻撃災害への対処に関する措置

四 号

水の安定的な供給 その他の国民生活の安定に関する措置

五 号
武力攻撃災害の復旧に関する措置
2項

市町村の委員会 及び委員は、対処基本方針が定められたときは、この法律 その他法令の規定に基づき、前項の市町村の国民の保護に関する計画で定めるところにより、市町村長の所轄の下にその所掌事務に係る国民の保護のための措置を実施しなければならない。

3項

市町村の区域内の公共的団体は、対処基本方針が定められたときは、市町村の長 その他の執行機関(以下「市町村長等」という。)が実施する国民の保護のための措置に協力するよう努めるものとする。

4項

第一項 及び第二項の場合において、市町村長等は、当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、都道府県知事等に対し、その所掌事務に係る国民の保護のための措置の実施に関し必要な要請をすることができる。

5項

第一項 及び第二項の場合において、市町村長等は、当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するため特に必要があると認めるときは、都道府県知事等に対し、第十一条第四項の規定による要請を行うよう求めることができる。

1項

市町村長等は、当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置を実施するため必要があると認めるときは、他の市町村の市町村長等に対し、応援を求めることができる。


この場合において、応援を求められた市町村長等は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。

2項

前項の応援に従事する者は、国民の保護のための措置の実施については、当該応援を求めた市町村長等の指揮の下に行動するものとする。

1項

市町村長等は、当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置を実施するため必要があると認めるときは、都道府県知事等に対し、応援を求めることができる。

2項

第十二条第一項後段の規定は、前項の場合について準用する。

1項

市町村は、当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置を実施するため必要があると認めるときは、地方自治法第二百五十二条の十四 及び第二百五十二条の十五の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その事務 又は市町村長等の権限に属する事務の一部を他の地方公共団体に委託して、当該他の地方公共団体の長等(地方公共団体の長 その他の執行機関をいう。以下同じ。)にこれを管理し、及び執行させることができる。

1項

市町村長は、当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置を円滑に実施するため特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第十五条第一項の規定による要請を行うよう求めることができる。

2項

市町村長は、前項の規定による求めができないときは、その旨 及び当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置を円滑に実施するため必要があると認める事項を防衛大臣に連絡することができる。


この場合において、防衛大臣は、速やかに、その内容を対策本部長に報告しなければならない。

1項

指定公共機関 及び指定地方公共機関は、対処基本方針が定められたときは、この法律 その他法令の規定に基づき、第三十六条第一項の規定による指定公共機関の国民の保護に関する業務計画 又は同条第二項の規定による指定地方公共機関の国民の保護に関する業務計画で定めるところにより、その業務に係る国民の保護のための措置を実施しなければならない。

2項

指定公共機関 又は指定地方公共機関は、その業務に係る国民の保護のための措置を実施するため特に必要があると認めるときは、指定行政機関の長 若しくは指定地方行政機関の長 又は地方公共団体の長に対し、労務、施設、設備 又は物資の確保について応援を求めることができる。


この場合において、応援を求められた指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長 並びに地方公共団体の長は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。

3項

指定行政機関の長 若しくは指定地方行政機関の長 又は地方公共団体の長等は、当該指定行政機関 若しくは指定地方行政機関の所掌事務 又は当該地方公共団体の区域に係る国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、指定公共機関 又は指定地方公共機関に対し、その業務に係る国民の保護のための措置の実施に関し必要な要請をすることができる。

1項

国は指定行政機関、地方公共団体 及び指定公共機関が実施する国民の保護のための措置について、都道府県は当該都道府県、市町村 並びに指定公共機関 及び指定地方公共機関が実施する当該都道府県の区域に係る国民の保護のための措置について、市町村は当該市町村が実施する当該市町村の区域に係る国民の保護のための措置について、その内容に応じ、安全の確保に配慮しなければならない。

1項

対策本部長は、武力攻撃 及び武力攻撃災害の状況 並びに住民の避難に関する措置、避難住民等の救援に関する措置 その他の国民の保護のための措置の実施の状況について、適時に、かつ、適切な方法により、国民に公表しなければならない。