指図証券の譲渡は、その証券に譲渡の裏書をして譲受人に交付しなければ、その効力を生じない。
民法
第一款 指図証券
指図証券の譲渡については、その指図証券の性質に応じ、手形法(昭和七年法律第二十号)中 裏書の方式に関する規定を準用する。
指図証券の所持人が裏書の連続によりその権利を証明するときは、その所持人は、証券上の権利を適法に有するものと推定する。
何らかの事由により指図証券の占有を失った者がある場合において、その所持人が前条の規定によりその権利を証明するときは、その所持人は、その証券を返還する義務を負わない。
ただし、その所持人が悪意 又は重大な過失によりその証券を取得したときは、この限りでない。
指図証券の債務者は、その証券に記載した事項 及びその証券の性質から当然に生ずる結果を除き、その証券の譲渡前の債権者に対抗することができた事由をもって善意の譲受人に対抗することができない。
第五百二十条の二から前条までの規定は、指図証券を目的とする質権の設定について準用する。
指図証券の弁済は、債務者の現在の住所においてしなければならない。
指図証券の債務者は、その債務の履行について期限の定めがあるときであっても、その期限が到来した後に所持人がその証券を提示してその履行の請求をした時から遅滞の責任を負う。
指図証券の債務者は、その証券の所持人 並びにその署名 及び押印の真偽を調査する権利を有するが、その義務を負わない。
ただし、債務者に悪意 又は重大な過失があるときは、その弁済は、無効とする。
指図証券は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第百条に規定する公示催告手続によって無効とすることができる。
金銭 その他の物 又は有価証券の給付を目的とする指図証券の所持人がその指図証券を喪失した場合において、非訟事件手続法第百十四条に規定する公示催告の申立てをしたときは、その債務者に、その債務の目的物を供託させ、又は相当の担保を供してその指図証券の趣旨に従い履行をさせることができる。