滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律
第一節 動産に対する強制執行等
執行官は、前項の規定による差押をしたときは、その旨を債務者に通知しなければならない。
滞納処分による差押え後に強制執行による差押えをした動産については、入札、競り売り その他強制執行による売却のための手続は、滞納処分による差押えが解除された後でなければ、することができない。
ただし、強制執行続行の決定があつたときは、この限りでない。
前条の動産について滞納処分による差押えを解除すべきときは、徴収職員等は、その動産を執行官に引き渡さなければならない。
ただし、滞納処分による差押えの際債権者 及び債務者以外の第三者が占有していた動産で、その者が執行官に引き渡すことを拒んだものについては、この限りでない。
前項ただし書の動産について滞納処分による差押えが解除されたときは、強制執行による差押えは、その効力を失う。
ただし、その動産について滞納処分による参加差押えがされているときは、この限りでない。
前条の動産について滞納処分による差押えを解除すべき場合において、その動産について強制執行による差押え前に滞納処分による参加差押えがされているときは、その参加差押えに係る滞納処分による差押えの効力の発生は、この法律の適用については、強制執行による差押えの時以前にさかのぼらないものとする。
ただし、第一項ただし書の動産については、この限りでない。
第一項ただし書の動産について強制執行による差押え後に滞納処分による参加差押えがされているときは、強制執行による差押えは、この法律の適用については、その参加差押えに係る滞納処分による差押え後にされたものとみなす。
第四条の動産の滞納処分による売却代金 又は有価証券の取立金について滞納者に交付すべき残余が生じたときは、徴収職員等は、これを執行官に交付しなければならない。
前項の規定により執行官が交付を受けた金銭 及びその交付を受けた時は、配当 又は弁済金の交付(以下「配当等」という。)に関しては、それぞれ動産の強制執行による売得金 及び売得金の交付を受けた時とみなす。
第一項の売却代金 又は取立金の残余が生じなかつたときは、徴収職員等は、その旨を執行官に通知しなければならない。
第四条の動産に対する強制執行による差押えの取消しは、執行官が差押えを取り消す旨の書面を徴収職員等に交付することによつてする。
差押債権者 又は民事執行法第百二十五条第三項前段の規定により配当要求の効力が生じた申立てに係る債権者は、次の場合には、第四条の動産について、執行裁判所に強制執行続行の決定を申請することができる。
国税徴収法第百五十九条第一項、国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第三十八条第三項 又は地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第十六条の四第一項(同条第十二項において準用する場合を含む。)の規定による差押(その例による差押を含む。)がされているとき。
前二号の場合を除き、相当期間内に公売 その他滞納処分による売却がされないとき。
裁判所は、前条の申請があつた場合において、相当と認めるときは、強制執行を続行する旨の決定をしなければならない。
強制執行続行の決定に対しては、不服を申し立てることができない。
第五条第一項の規定は、強制執行続行の決定があつた場合に準用する。
強制執行続行の決定があつたときは、徴収職員等は、滞納処分による差押えに係る国税 及びその滞納処分費 並びに地方税 その他の徴収金(以下「差押え国税等」という。)を徴収するには、執行官にその交付を求めなければならない。
国税徴収法第十二条 又は地方税法第十四条の六の規定は、前項の規定による交付の要求があつた場合についても適用があるものとする。
第三条、第五条第一項 及び第二項、第六条第一項 及び第三項 並びに第七条の規定は、滞納処分による差押えがされている動産に対する仮差押えの執行に関して準用する。
ただし、第五条第一項本文の規定は、その動産で仮差押えの執行がされているものについて滞納処分による参加差押えがされているときは、この限りでない。
第五条第四項の規定は、前項の動産で仮差押えの執行後に滞納処分による参加差押えがされているものに関して準用する。
第一項において準用する第六条第一項の規定により執行官が交付を受けた金銭は、仮差押えの執行がされている動産を他の債権のための強制執行により売却した場合における売得金とみなす。
第三条、第四条、第五条第一項本文 及び第三項本文 並びに第六条から第十条までの規定は、滞納処分による差押えがされている動産を目的とする競売について準用する。