漁港及び漁場の整備等に関する法律

# 昭和二十五年法律第百三十七号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   水産業
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十四号による改正
最終編集日 : 2024年 04月27日 10時49分


1項
この法律は、水産業の健全な発展 及びこれによる水産物の供給の安定を図るため、環境との調和に配慮しつつ、漁港漁場整備事業を総合的かつ計画的に推進し、並びに漁港の維持管理を適正にし、及びその活用を促進し、もつて国民生活の安定 及び国民経済の発展に寄与し、あわせて豊かで住みよい漁村の振興に資することを目的とする。
1項

この法律で「漁港」とは、天然 又は人工の漁業根拠地となる水域 及び陸域 並びに施設の総合体であつて、第六条第一項から第四項までの規定により指定されたものをいう。

1項

この法律で「漁港施設」とは、次に掲げる施設であつて、漁港の区域内にあるものをいう。

一 号
基本施設

外郭施設

防波堤、防砂堤、防潮堤、導流堤、水門、閘門、護岸、堤防、突堤 及び胸壁

係留施設

岸壁、物揚場、係船浮標、係船くい、桟橋、浮桟橋 及び船揚場

水域施設

航路、泊地 及び漁具管理水域

二 号
機能施設

輸送施設

鉄道、道路、駐車場、橋、運河 及びヘリポート

航行補助施設

航路標識 並びに漁船の入出港のための信号施設 及び照明施設

漁港施設用地

各種漁港施設の敷地

漁船漁具保全施設

漁船保管施設、漁船修理場 及び漁具保管修理施設

補給施設

漁船のための給水、給氷、燃料供給 及び給電施設

増殖 及び養殖用施設

水産種苗生産施設、養殖用餌料保管調製施設、養殖用作業施設 及び廃棄物処理施設

漁獲物の処理、保蔵、加工 及び販売施設

荷さばき所、荷役機械、配送用作業施設、蓄養施設、水産倉庫、野積場、製氷、冷凍 及び冷蔵施設、加工場、仲卸施設並びに直売所

漁業用通信施設

陸上無線電信、陸上無線電話 及び気象信号所

漁港厚生施設

漁港関係者の宿泊所、浴場、診療所 その他の福利厚生施設

漁港管理施設

管理事務所、漁港管理用資材倉庫、船舶保管施設、発電施設 その他の漁港の管理のための施設

漁港浄化施設

公害の防止のための導水施設 その他の浄化施設

廃油処理施設

漁船内において生じた廃油の処理のための施設

廃船処理施設

漁船の破砕 その他の処理のための施設

漁港環境整備施設

広場、植栽、休憩所、避難施設、避難経路、防災情報提供施設 その他の漁港の環境の整備のための施設

1項

この法律で「漁港漁場整備事業」とは、次に掲げる事業で国、地方公共団体 又は水産業協同組合が施行するものをいう。

一 号

漁港施設の新築、増築、改築、補修 若しくは除却、漁港の区域内の土地の欠壊の防止 又は漁港の区域内への土砂の流入の防止 その他漁港の整備を図るための事業 及びこれらの事業以外の事業で漁港における汚泥 その他公害の原因となる物質のたい積の排除、汚濁水の浄化 その他の公害防止のための事業

二 号

優れた漁場として形成されるべき相当規模の水面において行う魚礁の設置、水産動植物の増殖場 及び養殖場の造成 その他水産動植物の増殖 及び養殖を推進するための事業 並びに漁場としての効用の低下している水面におけるその効用を回復するためのたい積物の除去 その他漁場の保全のための事業

2項

漁港漁場整備事業で国が施行するものは、前項第一号に掲げる事業にあつては第三種漁港 又は第四種漁港に係るものに限り、同項第二号に掲げる事業にあつては次に掲げる要件のいずれにも該当する事業であつて政令で定めるものに限るものとする。

一 号
我が国の排他的経済水域において施行されるものであること。
二 号

漁業法昭和二十四年法律第二百六十七号第十一条第二項第三号に規定する特定水産資源のうち、その数量 その他の状況を勘案して、その保護 及び増殖 又は養殖のための措置を緊急に講ずる必要のあるものであつて、保護のための措置が講じられているものを対象とするものであること。

三 号
その事業が施行されるべき海域において施行される場合に著しい効果があると認められるものであること。
3項

前項の政令においては、第一項第二号に掲げる事業が施行されるべき海域、当該事業の対象とする水産動植物の種類、当該事業の内容 その他の当該事業の施行に必要な事項を明らかにしなければならない。

4項

農林水産大臣は、第二項の政令の制定 又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。

1項

この法律で「漁港施設等活用事業」とは、漁業根拠地としての漁港の漁業上の利用の確保に配慮しつつ、漁港施設 又は漁港の区域内の水域 若しくは公共空地の有効活用を図ることにより、当該漁港に係る水産業の健全な発展 及び水産物の供給の安定に寄与する次に掲げる事業をいう。

一 号

当該漁港において取り扱う水産物の販売(直売所において行うものを除く)又は当該水産物を材料とする料理の提供を行う事業 その他当該水産物の消費の増進に関する事業

二 号

遊漁(釣りその他の方法により水産動植物を採捕することをいい、漁業法第二条第一項に規定する漁業に該当するものを除く次条において同じ。)、漁業体験活動 又は海洋環境に関する体験活動 若しくは学習の機会の提供を行う事業 その他当該漁港の存する地域と他の地域との間の交流の促進に関する事業

三 号

前二号に掲げる事業に附帯する事業

1項

この法律で「漁港水面施設運営権」とは、第四十八条の規定による設定を受けて、漁港の区域内の一定の水域における水面固有の資源を利用する漁港施設等活用事業(遊漁、漁業体験活動 又は海洋環境に関する体験活動 若しくは学習の機会の提供を行う事業に限る)を実施するために、当該水面の占用をして必要な施設を設置し、運営する権利をいう。

1項
漁港の種類は、次のとおりとする。
第一種漁港 その利用範囲が地元の漁業を主とするもの
第二種漁港 その利用範囲が第一種漁港よりも広く、第三種漁港に属しないもの
第三種漁港 その利用範囲が全国的なもの
第四種漁港 離島 その他辺地にあつて漁場の開発 又は漁船の避難上特に必要なもの