年金特別会計は、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)による国民年金事業(厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律(平成二十一年法律第三十七号。以下「年金給付遅延加算金支給法」という。)による給付遅延特別加算金の支給を含む。以下この節において「国民年金事業」という。)、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による厚生年金保険事業(国民年金法の規定による拠出金の負担 及び年金給付遅延加算金支給法による保険給付遅延特別加算金の支給を含む。以下この節において「厚生年金保険事業」という。)、健康保険法(大正十一年法律第七十号)による健康保険 及び船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)による船員保険に関し政府が行う業務 並びに児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)による児童手当 並びに子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)による子どものための教育・保育給付、子育てのための施設等利用給付、地域子ども・子育て支援事業 及び仕事・子育て両立支援事業に関する政府の経理を明確にすることを目的とする。
特別会計に関する法律
第八節 年金特別会計
年金特別会計の管理に関する事務は、政令で定めるところにより、同会計全体の計算整理に関するものについては厚生労働大臣が、その他のものについてはその他のもののうち基礎年金勘定、国民年金勘定、厚生年金勘定、健康勘定 及び業務勘定に係るものにあっては厚生労働大臣が、子ども・子育て支援勘定に係るものにあっては内閣総理大臣 及び厚生労働大臣が行うものとする。
国民年金法第五条第九項に規定する実施機関たる共済組合等(以下この節において「実施機関たる共済組合等」という。)からの拠出金
基礎年金給付費(年金給付遅延加算金支給法による給付遅延特別加算金(国民年金法による老齢基礎年金、障害基礎年金 及び遺族基礎年金に係るものに限る。)の支給に要する費用を含む。次項第二号において同じ。)
国民年金事業の給付費(年金給付遅延加算金支給法による給付遅延特別加算金(国民年金法による老齢基礎年金、障害基礎年金 及び遺族基礎年金に係るものを除く。)の支給に要する費用を含み、基礎年金給付費を除く。第百十五条において同じ。)
実施機関(厚生年金保険法第二条の五第一項に規定する実施機関をいい、厚生労働大臣を除く。以下この節において同じ。)からの拠出金
独立行政法人地域医療機能推進機構法(平成十七年法律第七十一号)第十六条第二項の規定による納付金
厚生年金保険の実施者たる政府に係る厚生年金保険事業の保険給付費(年金給付遅延加算金支給法による保険給付遅延特別加算金の支給に要する費用を含む。)
健康保険法第百五十五条の規定による保険料(同法第三条第四項に規定する任意継続被保険者に係る保険料を除く。)
船員保険法第百十四条の規定による保険料(同法第二条第二項に規定する疾病任意継続被保険者に係る保険料を除く。)
印紙をもつてする歳入金納付に関する法律第三条第五項の規定による納付金
子ども・子育て支援法第六十九条第一項各号に掲げる者からの拠出金
子どものための教育・保育給付交付金(子ども・子育て支援法第六十八条第一項の規定による交付金をいう。以下同じ。)及びこれに関する諸費 並びに子育てのための施設等利用給付交付金(同条第二項の規定による交付金をいい、同法第六十六条の二の規定により国庫が支弁する費用を含む。第百二十条第二項第三号において同じ。)
子ども・子育て支援交付金(子ども・子育て支援法第六十八条第三項の規定による交付金をいう。以下同じ。)及び仕事・子育て両立支援事業費
国民年金事業、厚生年金保険の実施者たる政府に係る厚生年金保険事業 並びに健康保険 及び船員保険に関し政府が行う業務の業務取扱費 並びに子ども・子育て支援法第六十九条第一項第一号の事業主からの拠出金の徴収に係る業務取扱費
国民年金法第七十四条第一項 及び第二項の規定による措置 並びに厚生年金保険法第七十九条第一項 及び第二項の規定による措置に要する経費(実施機関 及び日本年金機構が行う措置に係るものを除く。)
第三条第二項第一号から第五号までに掲げる書類のほか、年金特別会計においては、歳入歳出予定計算書等に、前々年度の貸借対照表 及び損益計算書(子ども・子育て支援勘定に係るものを除く。)並びに前年度 及び当該年度の予定貸借対照表 及び予定損益計算書(子ども・子育て支援勘定に係るものを除く。)を添付しなければならない。
国民年金勘定における一般会計からの繰入対象経費は、国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下この節において「昭和六十年国民年金等改正法」という。)附則第三十四条第二項 及び第三項 並びに国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号。以下この節において「平成十六年国民年金等改正法」という。)附則第十四条第一項において読み替えて適用する国民年金法第八十五条第一項(平成十六年国民年金等改正法附則第十四条第二項 及び年金給付遅延加算金支給法第七条第一項において適用する場合を含む。)並びに昭和六十年国民年金等改正法附則第三十四条第一項(年金給付遅延加算金支給法第七条第一項において適用する場合を含む。第百二十条第二項第一号において同じ。)に規定する国民年金事業に要する費用で国庫が負担するものとする。
厚生年金勘定における一般会計からの繰入対象経費は、厚生年金保険法第八十条第一項(年金給付遅延加算金支給法第七条第一項において適用する場合を含む。第百二十条第二項第二号において同じ。)に規定する基礎年金拠出金 及び昭和六十年国民年金等改正法附則第七十九条(年金給付遅延加算金支給法第七条第一項において適用する場合を含む。第百二十条第二項第二号において同じ。)に規定する厚生年金保険の実施者たる政府に係る厚生年金保険事業に要する費用で国庫が負担するものとする。
子ども・子育て支援勘定における一般会計からの繰入対象経費は、児童手当法第十八条第一項から第三項までに規定する児童手当の支給に要する費用で国庫が負担するもの、子ども・子育て支援法第六十五条の規定により市町村が支弁する同条第二号に掲げる費用で同法第六十八条第一項の規定により国庫が負担するもの、子どものための教育・保育給付交付金に関する諸費で国庫が負担するもの、同法第六十五条の規定により市町村が支弁する同条第四号 及び第五号に掲げる費用で同法第六十八条第二項の規定により国庫が負担するもの、同法第六十六条の二の規定により国庫が支弁する費用、同法第六十五条第六号に掲げる地域子ども・子育て支援事業に要する費用で同法第六十八条第三項の規定により国庫が負担するもの並びに第百十一条第五項第二号ヘに掲げる業務取扱費で国庫が負担するものとする。
業務勘定における一般会計からの繰入対象経費は、国民年金法第八十五条第二項(年金給付遅延加算金支給法第七条第二項において適用する場合を含む。)に規定する国民年金事業の事務の執行に要する費用、厚生年金保険法第八十条第二項(年金給付遅延加算金支給法第七条第二項において適用する場合を含む。)に規定する厚生年金保険事業の事務の執行に要する費用、健康保険法第百五十一条に規定する健康保険事業の事務の執行に要する費用のうち健康保険に関し政府 又は日本年金機構が行う業務に係るもの及び船員保険法第百十二条第二項に規定する船員保険事業の事務の執行に要する費用のうち船員保険に関し政府 又は日本年金機構が行う業務に係るもので国庫が負担するものとする。
次に掲げる額の合計額に相当する金額は、国民年金勘定から基礎年金勘定に繰り入れるものとする。
昭和六十年国民年金等改正法附則第三十四条第二項において読み替えて適用する国民年金法第八十五条第一項第一号(年金給付遅延加算金支給法第七条第一項において適用する場合を含む。)に規定する保険料・拠出金算定対象額(次項において「保険料・拠出金算定対象額」という。)から当該額に厚生年金保険の実施者たる政府 又は各実施機関たる共済組合等に係る国民年金法第九十四条の三第一項に規定する政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額を合算した額を控除した額
昭和六十年国民年金等改正法附則第三十四条第二項において読み替えて適用する国民年金法第八十五条第一項第二号(平成十六年国民年金等改正法附則第十四条第二項 及び年金給付遅延加算金支給法第七条第一項において適用する場合を含む。)に掲げる額
昭和六十年国民年金等改正法附則第三十四条第三項において読み替えて適用する国民年金法第八十五条第一項第三号に掲げる額
昭和六十年国民年金等改正法附則第三十四条第一項各号(第一号、第六号 及び第九号を除く。)(年金給付遅延加算金支給法第七条第一項において適用する場合を含む。)に掲げる額(同項第四号に規定する者に係る寡婦年金の給付に要する費用の額に同号イに掲げる数を同号ロに掲げる数で除して得た数を乗じて得た額の合計額 及び同項第五号に規定する老齢年金の給付に要する費用に係る同号ハに規定する額の三分の一に相当する額を除く。)
保険料・拠出金算定対象額に厚生年金保険の実施者たる政府に係る国民年金法第九十四条の三第一項に規定する政令で定めるところにより算定した率を乗じて得た額に相当する金額は、厚生年金勘定から基礎年金勘定に繰り入れるものとする。
昭和六十年国民年金等改正法附則第三十五条第四項の規定により基礎年金の給付に要する費用とみなされる費用(当該費用に係る年金給付遅延加算金支給法による給付遅延特別加算金の支給に要する費用を含む。第百二十条第二項第四号において同じ。)に相当する金額は、基礎年金勘定から国民年金勘定に繰り入れるものとする。
昭和六十年国民年金等改正法附則第三十五条第一項の規定により国民年金の管掌者たる政府が負担する費用(当該費用に係る年金給付遅延加算金支給法による保険給付遅延特別加算金の支給に要する費用を含む。第百二十条第二項第五号において同じ。)に相当する金額は、基礎年金勘定から厚生年金勘定に繰り入れるものとする。
国民年金事業の業務取扱費、国民年金法第七十四条第一項 及び第二項の規定による措置に要する経費、日本年金機構への交付金、年金積立金管理運用独立行政法人への出資金 又は独立行政法人福祉医療機構への交付金に充てるために必要な額に相当する金額は、国民年金勘定から業務勘定に繰り入れるものとする。
厚生年金保険の実施者たる政府に係る厚生年金保険事業の業務取扱費、厚生年金保険法第七十九条第一項 及び第二項の規定による措置に要する経費、日本年金機構への交付金、年金積立金管理運用独立行政法人への出資金 又は独立行政法人福祉医療機構への交付金に充てるために必要な額に相当する金額は、厚生年金勘定から業務勘定に繰り入れるものとする。
健康保険 及び船員保険に関し政府が行う業務の業務取扱費 又は日本年金機構への交付金に充てるために必要な額に相当する金額は、健康勘定から業務勘定に繰り入れるものとする。
子ども・子育て支援法第六十九条第一項第一号の事業主からの拠出金の徴収に係る業務取扱費 又は日本年金機構への交付金に充てるために必要な額に相当する金額は、子ども・子育て支援勘定から業務勘定に繰り入れるものとする。
国民年金勘定において、毎会計年度の歳入歳出の決算上不足を生じた場合 その他政令で定める場合には、政令で定めるところにより、前項の積立金から補足するものとする。
第一項の積立金は、国民年金事業の給付費 及び基礎年金勘定への繰入金の財源に充てるために必要がある場合には、予算で定める金額を限り、国民年金勘定の歳入に繰り入れることができる。
厚生年金勘定において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じた場合には、当該剰余金のうち、厚生年金保険の実施者たる政府に係る厚生年金保険事業の保険給付費 及び基礎年金勘定への繰入金の財源に充てるために必要な金額を、積立金として積み立てるものとする。
厚生年金勘定において、毎会計年度の歳入歳出の決算上不足を生じた場合 その他政令で定める場合には、政令で定めるところにより、前項の積立金から補足するものとする。
第一項の積立金は、厚生年金保険の実施者たる政府に係る厚生年金保険事業の保険給付費 及び基礎年金勘定への繰入金の財源に充てるために必要がある場合には、予算で定める金額を限り、厚生年金勘定の歳入に繰り入れることができる。
子ども・子育て支援勘定において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じた場合には、当該剰余金のうち、児童手当交付金、子どものための教育・保育給付交付金 並びに子ども・子育て支援交付金 及び仕事・子育て両立支援事業費の財源に充てるために必要な金額を、積立金として積み立てるものとする。
子ども・子育て支援勘定において、毎会計年度の歳入歳出の決算上不足を生じた場合 その他政令で定める場合には、政令で定めるところにより、前項の積立金から補足するものとする。
第一項の積立金は、政令で定めるところにより、児童手当交付金、子どものための教育・保育給付交付金 並びに子ども・子育て支援交付金 及び仕事・子育て両立支援事業費の財源に充てるために必要がある場合には、予算で定める金額を限り、子ども・子育て支援勘定の歳入に繰り入れることができる。
業務勘定において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じた場合における第八条第一項の規定の適用については、
同項中
「おいて、当該剰余金から次章に定めるところにより当該特別会計の積立金として積み立てる金額 及び資金に組み入れる金額を控除してなお残余があるときは、これを当該特別会計」とあるのは、
「は、政令で定めるところにより、国民年金勘定、厚生年金勘定 及び子ども・子育て支援勘定の積立金に組み入れ、又は健康勘定 及び業務勘定」と
する。
基礎年金勘定において、毎会計年度国民年金勘定、厚生年金勘定 又は各実施機関たる共済組合等(以下この項において「国民年金勘定等」という。)から受け入れた金額が、それぞれ、当該年度における第百十四条第一項、国民年金法第九十四条の二第一項 又は第二項(年金給付遅延加算金支給法第七条第一項において適用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により国民年金勘定等から受け入れるべき金額に対して超過し、又は不足する場合には、次に定めるところによる。
当該超過額に相当する金額は、翌年度において第百十四条第一項、国民年金法第九十四条の二第一項 又は第二項の規定により基礎年金勘定において国民年金勘定等から受け入れる金額から減額し、なお残余があるときは、翌々年度までに基礎年金勘定から国民年金勘定等に返還する。
前項の規定は、次に掲げる場合について準用する。
毎会計年度一般会計から国民年金勘定に繰り入れた金額が、当該年度における昭和六十年国民年金等改正法附則第三十四条第二項 及び第三項 並びに平成十六年国民年金等改正法附則第十四条第一項において読み替えて適用する国民年金法第八十五条第一項(平成十六年国民年金等改正法附則第十四条第二項 及び年金給付遅延加算金支給法第七条第一項において適用する場合を含む。)並びに昭和六十年国民年金等改正法附則第三十四条第一項の規定による国庫負担金の額に対して超過し、又は不足する場合
毎会計年度一般会計から厚生年金勘定に繰り入れた金額が、当該年度における厚生年金保険法第八十条第一項 及び昭和六十年国民年金等改正法附則第七十九条の規定による国庫負担金の額に対して超過し、又は不足する場合
毎会計年度一般会計から子ども・子育て支援勘定に繰り入れた金額(子どものための教育・保育給付交付金の額、子育てのための施設等利用給付交付金の額 及び子ども・子育て支援交付金の額を除く。)が、当該年度における児童手当法第十八条第一項から第三項までの規定による国庫負担金の額、子どものための教育・保育給付交付金に関する諸費に係る国庫負担金の額 及び第百十一条第五項第二号ヘに掲げる業務取扱費に係る国庫負担金の額の合計額に対して超過し、又は不足する場合
第百十四条第三項の規定により毎会計年度基礎年金勘定から国民年金勘定に繰り入れた金額が、当該年度において昭和六十年国民年金等改正法附則第三十五条第四項の規定により基礎年金の給付に要する費用とみなされる費用に相当する金額に対して超過し、又は不足する場合
第百十四条第四項の規定により毎会計年度基礎年金勘定から厚生年金勘定に繰り入れた金額が、当該年度において昭和六十年国民年金等改正法附則第三十五条第一項の規定により国民年金の管掌者たる政府が負担する費用に相当する金額に対して超過し、又は不足する場合
毎会計年度実施機関から厚生年金勘定に受け入れた金額が、当該年度における厚生年金保険法第八十四条の五第一項の規定により実施機関から受け入れるべき金額に対して超過し、又は不足する場合
毎会計年度労働保険特別会計の労災勘定から厚生年金勘定に繰り入れた金額が、当該年度において昭和六十年国民年金等改正法附則第八十九条の規定により労災保険事業の管掌者たる政府が負担する費用に相当する金額に対して超過し、又は不足する場合
第九条第二項第一号から第三号までに掲げる書類のほか、年金特別会計においては、歳入歳出決定計算書に、当該年度の貸借対照表 及び損益計算書(子ども・子育て支援勘定に係るものを除く。)を添付しなければならない。
第十二条の規定にかかわらず、国民年金勘定の積立金にあっては国民年金法第五章の規定の定めるところにより、厚生年金勘定の積立金にあっては厚生年金保険法第四章の二の規定の定めるところにより、それぞれ運用することができる。
第十五条第四項の規定にかかわらず、基礎年金勘定 又は子ども・子育て支援勘定において、歳入不足のために一時借入金を償還することができない場合には、その償還することができない金額を限り、当該各勘定の負担において、一時借入金の借換えをすることができる。
前項の規定により借換えをした一時借入金については、当該一時借入金を第十七条第一項に規定する借入金とみなして、同項の規定を適用する。
第一項の規定により借り換えた一時借入金は、その借換えをしたときから一年内に償還しなければならない。