行政機関の長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、その者が特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないことについての評価(以下「適性評価」という。)を実施するものとする。
特定秘密の保護に関する法律
第五章 適性評価
当該行政機関の職員(当該行政機関が警察庁である場合にあっては、警察本部長を含む。次号において同じ。)又は当該行政機関との第五条第四項 若しくは第八条第一項の契約(次号において単に「契約」という。)に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として特定秘密の取扱いの業務を新たに行うことが見込まれることとなった者(当該行政機関の長がその者について直近に実施して次条第一項の規定による通知をした日から 五年を経過していない適性評価において、特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認められるものを除く。)
当該行政機関の職員 又は当該行政機関との契約に基づき特定秘密を保有し、若しくは特定秘密の提供を受ける適合事業者の従業者として、特定秘密の取扱いの業務を現に行い、かつ、当該行政機関の長がその者について直近に実施した適性評価に係る次条第一項の規定による通知があった日から五年を経過した日以後 特定秘密の取扱いの業務を引き続き行うことが見込まれる者
当該行政機関の長が直近に実施した適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情があるもの
適性評価は、適性評価の対象となる者(以下「評価対象者」という。)について、次に掲げる事項についての調査を行い、その結果に基づき実施するものとする。
特定有害活動(公になっていない情報のうちその漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動、核兵器、軍用の化学製剤 若しくは細菌製剤 若しくはこれらの散布のための装置 若しくはこれらを運搬することができるロケット 若しくは無人航空機 又はこれらの開発、製造、使用 若しくは貯蔵のために用いられるおそれが特に大きいと認められる物を輸出し、又は輸入するための活動 その他の活動であって、外国の利益を図る目的で行われ、かつ、我が国 及び国民の安全を著しく害し、又は害するおそれのあるものをいう。別表第三号において同じ。)及びテロリズム(政治上 その他の主義主張に基づき、国家 若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安 若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設 その他の物を破壊するための活動をいう。同表第四号において同じ。)との関係に関する事項(評価対象者の家族(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下 この号において同じ。)、父母、子 及び兄弟姉妹 並びにこれらの者以外の配偶者の父母 及び子をいう。以下 この号において同じ。)及び同居人(家族を除く。)の氏名、生年月日、国籍(過去に有していた国籍を含む。)及び住所を含む。)
情報の取扱いに係る非違の経歴に関する事項
適性評価は、あらかじめ、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を評価対象者に対し告知した上で、その同意を得て実施するものとする。
前項各号に掲げる事項について調査を行う旨
前項の調査を行うため必要な範囲内において、次項の規定により質問させ、若しくは資料の提出を求めさせ、又は照会して報告を求めることがある旨
評価対象者が第一項第三号に掲げる者であるときは、その旨
行政機関の長は、第二項の調査を行うため必要な範囲内において、当該行政機関の職員に評価対象者 若しくは評価対象者の知人 その他の関係者に質問させ、若しくは評価対象者に対し資料の提出を求めさせ、又は公務所 若しくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
行政機関の長は、適性評価を実施したときは、その結果を評価対象者に対し通知するものとする。
行政機関の長は、適合事業者の従業者について適性評価を実施したときは その結果を、当該従業者が前条第三項の同意をしなかったことにより適性評価が実施されなかったときは その旨を、それぞれ当該適合事業者に対し通知するものとする。
前項の規定による通知を受けた適合事業者は、当該評価対象者が当該適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。第十六条第二項において同じ。)であるときは、当該通知の内容を当該評価対象者を雇用する事業主に対し通知するものとする。
行政機関の長は、第一項の規定により評価対象者に対し特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められなかった旨を通知するときは、適性評価の円滑な実施の確保を妨げない範囲内において、当該おそれがないと認められなかった理由を通知するものとする。
ただし、当該評価対象者があらかじめ当該理由の通知を希望しない旨を申し出た場合は、この限りでない。
評価対象者は、前条第一項の規定により通知された適性評価の結果 その他当該評価対象者について実施された適性評価について、書面で、行政機関の長に対し、苦情の申出をすることができる。
行政機関の長は、前項の苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知するものとする。
評価対象者は、第一項の苦情の申出をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けない。
警察本部長は、政令で定めるところにより、次に掲げる者について、適性評価を実施するものとする。
当該都道府県警察の職員(警察本部長を除く。次号において同じ。)として特定秘密の取扱いの業務を新たに行うことが見込まれることとなった者(当該警察本部長がその者について直近に実施して次項において準用する第十三条第一項の規定による通知をした日から五年を経過していない適性評価において、特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認められるものを除く。)
当該都道府県警察の職員として、特定秘密の取扱いの業務を現に行い、かつ、当該警察本部長がその者について直近に実施した適性評価に係る次項において準用する第十三条第一項の規定による通知があった日から五年を経過した日以後 特定秘密の取扱いの業務を引き続き行うことが見込まれる者
当該警察本部長が直近に実施した適性評価において特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められた者であって、引き続き当該おそれがないと認めることについて疑いを生じさせる事情があるもの
前三条(第十二条第一項 並びに第十三条第二項 及び第三項を除く。)の規定は、前項の規定により警察本部長が実施する適性評価について準用する。
この場合において、
第十二条第三項第三号中
「第一項第三号」とあるのは、
「第十五条第一項第三号」と
読み替えるものとする。
行政機関の長 及び警察本部長は、特定秘密の保護以外の目的のために、評価対象者が第十二条第三項(前条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)の同意をしなかったこと、評価対象者についての適性評価の結果 その他適性評価の実施に当たって取得する個人情報(生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日 その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。以下 この項において同じ。)を自ら利用し、又は提供してはならない。
ただし、適性評価の実施によって、当該個人情報に係る特定の個人が国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第三十八条各号、同法第七十五条第二項に規定する人事院規則で定める事由、同法第七十八条各号、第七十九条各号 若しくは第八十二条第一項各号、検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第二十条第一項各号、外務公務員法(昭和二十七年法律第四十一号)第七条第一項に規定する者、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第三十八条第一項各号、第四十二条各号、第四十三条各号 若しくは第四十六条第一項各号、同法第四十八条第一項に規定する場合 若しくは同条第二項各号 若しくは第三項各号 若しくは地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第十六条各号、第二十八条第一項各号 若しくは第二項各号 若しくは第二十九条第一項各号 又はこれらに準ずるものとして政令で定める事由のいずれかに該当する疑いが生じたときは、この限りでない。
適合事業者 及び適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者を雇用する事業主は、特定秘密の保護以外の目的のために、第十三条第二項 又は第三項の規定により通知された内容を自ら利用し、又は提供してはならない。
行政機関の長は、政令(内閣の所轄の下に置かれる機関 及び会計検査院にあっては、当該機関の命令)で定めるところにより、この章に定める権限 又は事務を当該行政機関の職員に委任することができる。