前払式支払手段発行者は、前払式支払手段を発行する場合には、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項に関する情報を利用者に提供しなければならない。
資金決済に関する法律
第四節 業務
前払式支払手段発行者が加入する認定資金決済事業者協会が当該前払式支払手段発行者に係る前項第四号に掲げる事項を前払式支払手段の利用者に周知する場合 その他の内閣府令で定める場合には、当該前払式支払手段発行者は、同項の規定にかかわらず、当該事項について同項の規定による情報の提供をすることを要しない。
前払式支払手段発行者は、第一項に規定するもののほか、内閣府令で定めるところにより、前払式支払手段の利用者の保護を図り、及び前払式支払手段の発行の業務の健全かつ適切な運営を確保するために必要な措置を講じなければならない。
前払式支払手段発行者は、基準日未使用残高が政令で定める額(以下この章において「基準額」という。)を超えるときは、当該基準日未使用残高の二分の一の額(以下この章において「要供託額」という。)以上の額に相当する額の発行保証金を、内閣府令で定めるところにより、主たる営業所 又は事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
前払式支払手段発行者は、第三十一条第一項の権利の実行の手続の終了 その他の事実の発生により、発行保証金の額(次条に規定する保全金額 及び第十六条第一項に規定する信託財産の額の合計額を含む。第十八条第二号 及び第二十三条第一項第三号において同じ。)がその事実が発生した日の直前の基準日における要供託額(第二十条第一項の規定による払戻しの手続 又は第三十一条第一項の権利の実行の手続が終了した日の直前の基準日にあっては、これらの手続に係る前払式支払手段がないものとみなして内閣府令で定める方法により計算された額)に不足することとなったときは、内閣府令で定めるところにより、その不足額について供託を行い、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
発行保証金は、国債証券、地方債証券 その他の内閣府令で定める債券(社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二百七十八条第一項に規定する振替債を含む。第十六条第三項において同じ。)をもってこれに充てることができる。
この場合において、当該債券の評価額は、内閣府令で定めるところによる。
前払式支払手段発行者は、政令で定めるところにより、発行保証金保全契約(政令で定める要件を満たす銀行等 その他政令で定める者が前払式支払手段発行者のために内閣総理大臣の命令に応じて発行保証金を供託する旨の契約をいう。以下この章において同じ。)を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該発行保証金保全契約の効力の存する間、保全金額(当該発行保証金保全契約において供託されることとなっている金額をいう。第十七条において同じ。)につき、発行保証金の全部 又は一部の供託をしないことができる。
前払式支払手段発行者は、信託会社等との間で、発行保証金信託契約(当該信託会社等が内閣総理大臣の命令に応じて信託財産を発行保証金の供託に充てることを信託の目的として当該信託財産の管理 その他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の信託契約をいう。以下この章において同じ。)を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該発行保証金信託契約に基づき信託財産が信託されている間、当該信託財産の額につき、発行保証金の全部 又は一部の供託をしないことができる。
発行保証金信託契約に基づき信託される信託財産の種類は、金銭 若しくは預貯金(内閣府令で定めるものに限る。)又は国債証券、地方債証券 その他の内閣府令で定める債券に限るものとする。
この場合において、当該債券の評価額は、内閣府令で定めるところによる。
内閣総理大臣は、前払式支払手段の利用者の利益の保護のために必要があると認めるときは、発行保証金保全契約 若しくは発行保証金信託契約を締結した前払式支払手段発行者 又はこれらの契約の相手方に対し、保全金額 又は信託財産を換価した額の全部 又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。
発行保証金は、次の各号のいずれかに該当する場合には、政令で定めるところにより、その全部 又は一部を取り戻すことができる。
基準日未使用残高が基準額以下であるとき。
第三十一条第一項の権利の実行の手続が終了したとき。
前三号に掲げるもののほか、前払式支払手段の利用者の利益の保護に支障がない場合として政令で定める場合
この節に規定するもののほか、前払式支払手段発行者の主たる営業所 又は事務所の所在地の変更に伴う発行保証金の保管替え その他発行保証金の供託に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。
前払式支払手段発行者は、次の各号のいずれかに該当するときは、前払式支払手段の保有者に、当該前払式支払手段の残高として内閣府令で定める額を払い戻さなければならない。
前払式支払手段の発行の業務の全部 又は一部を廃止した場合(相続 又は事業譲渡、合併 若しくは会社分割 その他の事由により当該業務の承継が行われた場合を除く。)
当該前払式支払手段発行者が第三者型発行者である場合において、第二十七条第一項 又は第二項の規定により第七条の登録を取り消されたとき。
前払式支払手段発行者は、前項の規定により払戻しをしようとする場合には、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を公告するとともに、当該事項に関する情報を当該払戻しに係る前払式支払手段の保有者に提供しなければならない。
当該払戻しに係る前払式支払手段の保有者は、六十日を下らない一定の期間内に債権の申出をすべきこと。
前号の期間内に債権の申出をしない前払式支払手段の保有者は、当該払戻しの手続から除斥されるべきこと。
会社法(平成十七年法律第八十六号)第九百四十条第一項(第三号に係る部分に限る。)及び第三項の規定は、前払式支払手段発行者(会社に限る。)が電子公告(同法第二条第三十四号に規定する電子公告をいう。次項において同じ。)により前項の規定による公告をする場合について準用する。
この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
会社法第九百四十条第一項(第三号に係る部分に限る。)及び第三項、第九百四十一条、第九百四十六条、第九百四十七条、第九百五十一条第二項、第九百五十三条 並びに第九百五十五条の規定は、前払式支払手段発行者(外国会社に限る。)が電子公告により第二項の規定による公告をする場合について準用する。
この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
前払式支払手段発行者は、第一項各号に掲げる場合を除き、その発行する前払式支払手段について、保有者に払戻しをしてはならない。
ただし、払戻金額が少額である場合 その他の前払式支払手段の発行の業務の健全な運営に支障が生ずるおそれがない場合として内閣府令で定める場合は、この限りでない。
前払式支払手段発行者は、前払式支払手段の発行の業務の一部を第三者に委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)をした場合には、内閣府令で定めるところにより、当該委託に係る業務の委託先に対する指導 その他の当該業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。