道路交通事業抵当法
この法律で「事業単位」とは、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)による一般旅客自動車運送事業、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)による一般貨物自動車運送事業、道路運送法による自動車道事業、自動車ターミナル法(昭和三十四年法律第百三十六号)による自動車ターミナル事業(一般自動車ターミナルを無償で供用するものを除く。)又は貨物利用運送事業法(平成元年法律第八十二号)による第二種貨物利用運送事業に係る業務が独立して運営され、かつ、適当な事業規模を有すると国土交通大臣が認定したものをいい、「事業者」とは、これらの事業を営む者をいう。
事業者は、抵当権の目的とするため、一 又は二以上の事業単位につき、道路交通事業財団(以下「事業財団」という。)を設定することができる。
自動車 及びその附属品
地上権、賃貸人の承諾があるときは物の賃借権 及び第一号に掲げる土地のために存する地役権
自動車運送事業 及び第二種貨物利用運送事業にあつては、前条第一号に掲げる不動産 及び事業用自動車、自動車道事業 及び自動車ターミナル事業にあつては、一般自動車道 又は一般自動車ターミナルの敷地が存しないときは、事業者は、事業財団を設定することができない。
前項の登記をしたときは、第四条に規定するものは、当然事業財団に属する。
但し、他人の権利の目的であるもの 又は差押、仮差押 若しくは仮処分の目的であるものは、この限りでない。
第四条に規定するもので、事業財団の設定後新たに当該事業単位に属したものは、当然事業財団に属する。
この場合においては、前項但書の規定を準用する。
事業単位に属する土地、建物、道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)による自動車で軽自動車、小型特殊自動車 及び二輪の小型自動車以外のもの 又は小型船舶の登録等に関する法律(平成十三年法律第百二号)による小型船舶であつて、所有権の登記のないもの 又は未登録のものがあるときは、事業財団の所有権保存の登記を申請する前に、所有権の登記 又は登録を受けなければならない。
前項の規定は、同項の土地、建物、自動車 又は小型船舶が、事業財団の設定後新たに当該事業単位に属した場合における第十三条の道路交通事業財団目録の記載の変更の登記の申請に準用する。
事業財団は、一個の不動産とみなす。
事業財団は、所有権 及び抵当権以外の権利の目的とすることができない。
左の場合においては、登記所は、直ちにその旨を国土交通大臣に通知しなければならない。
事業単位に係る事業についての道路運送法第三条第一号イからハまでの事業、一般貨物自動車運送事業、自動車道事業、自動車ターミナル法第三条各号の事業 又は第二種貨物利用運送事業の別
一般貸切旅客自動車運送事業 若しくは一般乗用旅客自動車運送事業 又は一般貨物自動車運送事業(第五号に掲げるものを除く。)の事業単位にあつては、その営業区域
登記の申請においては、法務省令で定める事項のほか、前項各号に掲げる事項を申請情報の内容とする。
事業財団につき所有権保存の登記を申請する場合においては、法務省令で定める情報のほか、その申請情報と併せて道路交通事業財団目録に記録すべき情報を提供しなければならない。
国土交通大臣は、免許 若しくは許可の取消し 又は事業単位に属する路線の全部について免許の失効があつたときは直ちに、許可の失効(自動車ターミナル事業にあつては、事業単位に属する一般自動車ターミナルの全部についての許可の失効)があつたときは、その事実を知つたとき直ちに、その旨を抵当権者に通知しなければならない。
前項の場合には、抵当権者は、その権利を実行することができる。
前項の規定により抵当権を実行しようとするときは、抵当権者は、第一項の通知を受けた日から六箇月以内に、その手続をしなければならない。
免許 又は許可は、第一項の取消し又は失効の日から、前項の期間が終了し 又は抵当権の実行が終了する日までは、抵当権の実行の目的の範囲内において、なお、存続するものとみなす。
買受人が代金を納付したときは、前項の規定により存続するものとみなされた免許 又は許可についての取消し 又は失効は、なかつたものとみなす。
事業財団に対する抵当権の実行のための競売 又は事業財団に対する強制競売の開始決定の時以後において、事業財団に関する免許 又は許可の取消し又は失効があつたときは、免許 又は許可は、買受人が代金を納付するまでは、競売 又は強制競売の目的の範囲内において、なお、存続するものとみなす。
買受人が代金を納付したときは、その競売 又は強制競売の開始決定の時以後における免許 又は許可の取消し又は失効は、なかつたものとみなす。
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第十条第二項 及び第三項の規定は、事業財団に属する不動産が数個の地方裁判所の管轄区域にまたがり、又は事業財団に属する数個の不動産が数個の地方裁判所の管轄区域内にある場合について準用する。
裁判所書記官は、買受人が代金を納付したときは、直ちにその旨を国土交通大臣に通知しなければならない。
前条の代金の納付があつたときは、買受人は、その時において免許 又は許可に基づく権利義務を承継する。
ただし、買受人が道路運送法第七条各号、貨物自動車運送事業法第五条各号、道路運送法第四十九条第二項各号、自動車ターミナル法第五条各号 又は貨物利用運送事業法第二十二条各号のいずれかに該当する者であるときは、国土交通大臣は、当該免許 又は許可を取り消すことができる。
国土交通大臣は、前項の免許に基く権利義務を承継した者に対し、事業を休止することができる期間を指定することができる。
事業財団については、工場抵当法(明治三十八年法律第五十四号)第八条第二項 及び第三項、第十条、第十三条第二項、第十五条、第十六条第一項(民法第三百八十八条 及び第三百八十九条の準用に関する部分に限る。)及び第三項、第十七条から第二十条まで、第二十一条第一項第四号 及び第二項、第二十三条から第四十四条ノ三まで 並びに第四十六条から第四十八条までの規定を準用する。
この場合において、
「工場財団登記簿」とあるのは
「道路交通事業財団登記簿」と、
「工場財団目録」とあるのは
「道路交通事業財団目録」と、
同法第十五条第一項、第四十二条ノ二第一項、第四十二条ノ三第一項 並びに第四十二条ノ六第二項 及び第三項中
「工場」とあるのは
「事業単位」と、
同法第十七条第一項 及び第二項中
「工場」とあるのは
「不動産」と
読み替えるものとする。
事業者が、譲渡 又は質入の目的をもつて、この法律の規定により抵当権の目的となつている事業財団に属する動産を第三者に引き渡したときは、一年以下の懲役 又は十万円以下の罰金に処する。
法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務 又は財産に関し前項の違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人 又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。