道路交通法

# 昭和三十五年法律第百五号 #
略称 : 道交法 

第三節 使用者の義務

分類 法律
カテゴリ   警察
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月22日 11時08分


1項

車両等の使用者は、その者の業務に関し当該車両等を運転させる場合には、当該車両等の運転者 及び安全運転管理者、副安全運転管理者 その他当該車両等の運行を直接管理する地位にある者に、この法律 又はこの法律に基づく命令に規定する車両等の安全な運転に関する事項を遵守させるように努めなければならない。

2項

車両の使用者は、当該車両の運転者に、当該車両を運転するに当たつて車両の速度、駐車 及び積載 並びに運転者の心身の状態に関しこの法律 又はこの法律に基づく命令に規定する事項を遵守させるように努めなければならない。

3項

消防用自動車、救急用自動車 その他の政令で定める自動車の使用者(第七十四条の三第一項の規定により安全運転管理者を選任したものを除く)は、当該自動車の運転者に対し、当該自動車の安全な運転を確保するために必要な交通安全教育を行うように努めなければならない。

1項

車両の使用者は、当該車両を適正に駐車する場所を確保すること その他駐車に関しての車両の適正な使用のために必要な措置を講じなければならない。

1項

自動車の使用者(道路運送法の規定による自動車運送事業者(貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)の規定による貨物軽自動車運送事業を経営する者を除く。以下同じ。)及び貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者を除く。以下この条において同じ。)は、内閣府令で定める台数以上の自動車の使用の本拠ごとに、年齢、自動車の運転の管理の経験 その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、次項の業務を行う者として、安全運転管理者を選任しなければならない。

2項

安全運転管理者は、自動車の安全な運転を確保するために必要な当該使用者の業務に従事する運転者に対して行う交通安全教育 その他自動車の安全な運転に必要な業務(自動車の装置の整備に関する業務を除く第七十五条の二の二第一項において同じ。)で内閣府令で定めるものを行わなければならない。

3項

前項の交通安全教育は、第百八条の二十八第一項の交通安全教育指針に従つて行わなければならない。

4項

自動車の使用者は、安全運転管理者の業務を補助させるため、内閣府令で定める台数以上の自動車を使用する本拠ごとに、年齢、自動車の運転の経験 その他について内閣府令で定める要件を備える者のうちから、内閣府令で定めるところにより、副安全運転管理者を選任しなければならない。

5項

自動車の使用者は、安全運転管理者 又は副安全運転管理者(以下「安全運転管理者等」という。)を選任したときは、選任した日から十五日以内に、内閣府令で定める事項を当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会に届け出なければならない。


これを解任したときも、同様とする。

6項

公安委員会は、安全運転管理者等が第一項 若しくは第四項の内閣府令で定める要件を備えないこととなつたとき、又は安全運転管理者が第二項の規定を遵守していないため自動車の安全な運転が確保されていないと認めるときは、自動車の使用者に対し、当該安全運転管理者等の解任を命ずることができる。

7項

自動車の使用者は、安全運転管理者に対し、第二項の業務を行うため必要な権限を与えなければならない。

8項

公安委員会は、自動車の使用者が前項の規定を遵守していないため自動車の安全な運転が確保されていないと認めるときは、自動車の使用者に対し、その是正のために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

9項

自動車の使用者は、公安委員会からその選任に係る安全運転管理者等について第百八条の二第一項第一号に掲げる講習を行う旨の通知を受けたときは、当該安全運転管理者等に当該講習を受けさせなければならない。

1項

自動車(重被牽引車を含む。以下 この条次条第一項 及び第七十五条の二の二第二項において同じ。)の使用者(安全運転管理者等 その他自動車の運行を直接管理する地位にある者を含む。次項において「使用者等」という。)は、その者の業務に関し、自動車の運転者に対し、次の各号いずれかに掲げる行為をすることを命じ、又は自動車の運転者がこれらの行為をすることを容認してはならない。

一 号

第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けている者(第百七条の二の規定により国際運転免許証 又は外国運転免許証で自動車を運転することができることとされている者を含む。以下 この項において同じ。)でなければ運転することができないこととされている自動車を当該運転免許を受けている者以外の者(第九十条第五項第百三条第一項 若しくは第四項第百三条の二第一項第百四条の二の三第一項 若しくは第三項 又は同条第五項において準用する第百三条第四項の規定により当該運転免許の効力が停止されている者を含む。)が運転すること。

二 号

第二十二条第一項の規定に違反して自動車を運転すること。

三 号

第六十五条第一項の規定に違反して自動車を運転すること。

四 号

第六十六条の規定に違反して自動車を運転すること。

五 号

第八十五条第五項の規定に違反して大型自動車、中型自動車 若しくは準中型自動車を運転し、同条第六項の規定に違反して中型自動車 若しくは準中型自動車を運転し、同条第七項の規定に違反して準中型自動車 若しくは普通自動車を運転し、同条第八項の規定に違反して普通自動車を運転し、同条第九項の規定に違反して大型自動二輪車 若しくは普通自動二輪車を運転し、又は同条第十項の規定に違反して普通自動二輪車を運転すること。

六 号

第五十七条第一項の規定に違反して積載をして自動車を運転すること。

七 号

自動車を離れて直ちに運転することができない状態にする行為(当該行為により自動車が第四十四条第一項第四十五条第一項 若しくは第二項第四十七条第二項 若しくは第三項第四十八条第四十九条の三第三項第四十九条の四 若しくは第七十五条の八第一項の規定に違反して駐車することとなる場合のもの又は自動車がこれらの規定に違反して駐車している場合におけるものに限る

2項

自動車の使用者等が前項の規定に違反し、当該違反により自動車の運転者が同項各号いずれかに掲げる行為をした場合において、自動車の使用者がその者の業務に関し自動車を使用することが著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めるときは、当該違反に係る自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該自動車の使用者に対し、六月を超えない範囲内で期間を定めて、当該違反に係る自動車を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。

3項

公安委員会は、前項の規定による命令をしようとする場合において、当該命令に係る自動車の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者 又は貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者であるときは、当該事業を監督する行政庁の意見を聴かなければならない。

4項

公安委員会は、第二項の規定による命令をしようとするときは、行政手続法平成五年法律第八十八号第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

5項

公安委員会は、前項の聴聞を行うに当たつては、その期日の一週間前までに行政手続法第十五条第一項の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日 及び場所を公示しなければならない。

6項

前項の通知を行政手続法第十五条第三項に規定する方法によつて行う場合においては、同条第一項の規定により聴聞の期日までにおくべき相当な期間は、二週間を下回つてはならない。

7項

第四項の聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない

8項

第四項の聴聞の主宰者は、必要があると認めるときは、道路交通に関する事項に関し専門的知識を有する参考人 又は当該事案の関係人の出頭を求め、これらの者からその意見 又は事情を聴くことができる。

9項

公安委員会は、第二項の規定による命令をしたときは、当該命令を受けた自動車の使用者に対し、運転し、又は運転させてはならないこととなる自動車の番号標の番号 その他の内閣府令で定める事項を記載した文書を交付し、かつ、当該自動車の前面の見やすい箇所に内閣府令で定める様式の標章をはり付けるものとする

10項

前項の規定により標章をはり付けられた自動車について、当該自動車の使用者から当該自動車を買い受けた者 その他当該自動車の使用について権原を有する第三者は、内閣府令で定めるところにより、公安委員会に対し、当該標章を取り除くべきことを申請することができる。


この場合において、公安委員会は、当該標章を取り除かなければならない。

11項

何人も、第九項の規定によりはり付けられた標章を破損し、又は汚損してはならず、また、当該自動車に係る運転の禁止の期間を経過した後でなければ、これを取り除いてはならない。

1項

公安委員会が自動車の使用者に対し次の表の上欄に掲げる指示をした場合において、当該使用者に係る当該自動車につきその指示を受けた後一年以内にその指示の区分ごとに同表の下欄に掲げる違反行為が行われ、かつ、当該使用者が当該自動車を使用することについて著しく交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるときは、当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該使用者に対し、三月を超えない範囲内で期間を定めて、当該自動車を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。

自動車の使用者に対する指示
違反行為
第二十二条の二第一項の規定による指示
最高速度違反行為
第五十八条の四の規定による指示
過積載をして自動車を運転する行為
第六十六条の二第一項の規定による指示
過労運転
2項

公安委員会が第五十一条の四第一項の規定により標章が取り付けられた車両の使用者に対し納付命令をした場合において、当該使用者が当該標章が取り付けられた日前六月以内に当該車両が原因となつた納付命令(同条第十六項の規定により取り消されたものを除く)を受けたことがあり、かつ、当該使用者が当該車両を使用することについて著しく交通の危険を生じさせ 又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めるときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、政令で定める基準に従い、当該使用者に対し、三月を超えない範囲内で期間を定めて、当該車両を運転し、又は運転させてはならない旨を命ずることができる。

3項

前条第三項から第十一項までの規定は、前二項の規定による命令について準用する。

1項

公安委員会は、安全運転管理者が選任されている自動車の使用の本拠について、自動車の安全な運転を確保するために必要な交通安全教育 その他自動車の安全な運転に必要な業務の推進を図るため必要があると認めるときは、当該安全運転管理者を選任している自動車の使用者 又は当該安全運転管理者に対し、必要な報告 又は資料の提出を求めることができる。

2項

公安委員会は、速度、駐車 若しくは積載 又は運転者の心身の状態に関しての自動車の適正な使用の推進を図るため必要があると認めるときは、自動車の使用者に対し、必要な報告 又は資料の提出を求めることができる。