遺失物法

# 平成十八年法律第七十三号 #

第三章 費用及び報労金

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 09月03日 09時51分


1項

物件の提出、交付 及び保管に要した費用(誤って他人の物を占有した者が要した費用を除く)は、当該物件の返還を受ける遺失者 又は民法第二百四十条第三条において準用する場合を含む。以下同じ。)若しくは第二百四十一条の規定 若しくは第三十二条第一項の規定により当該物件の所有権を取得してこれを引き取る者の負担とする。

2項

前項の費用については、民法第二百九十五条から第三百二条までの規定を適用する。

1項

物件(誤って占有した他人の物を除く)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項 若しくは第二項 又は第二十条第一項 若しくは第二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上 百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。

2項

前項遺失者は、当該物件の交付を受けた施設占有者があるときは、同項の規定にかかわらず拾得者 及び当該施設占有者に対し、それぞれ同項に規定する額の二分の一の額の報労金を支払わなければならない。

3項

地方公共団体独立行政法人独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)、地方独立行政法人地方独立行政法人法平成十五年法律第百十八号第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。)その他の公法人は、前二項の報労金を請求することができない

1項

第二十七条第一項の費用 及び前条第一項 又は第二項の報労金は、物件が遺失者に返還された後一箇月を経過したときは、請求することができない

1項

拾得者民法第二百四十一条ただし書に規定する他人を含む。)は、あらかじめ警察署長第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)に申告して物件に関する一切の権利を放棄し、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。

1項

遺失者は、物件についてその有する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務 及び第二十八条第一項 又は第二項の報労金を支払う義務を免れることができる。

1項

すべての遺失者が物件についてその有する権利を放棄したときは、拾得者が当該物件の所有権を取得する。


ただし民法第二百四十一条ただし書に規定する埋蔵物については、同条ただし書の規定の例による。

2項

前項の規定により物件の所有権を取得する者は、その取得する権利を放棄して、第二十七条第一項の費用を償還する義務を免れることができる。

1項

第四条第二項に規定する拾得者が、その交付をした物件について第三十条 若しくは前条第二項の規定により権利を放棄したとき 又は次条第三号に該当して同条の規定により権利を失ったときは、当該交付を受けた施設占有者拾得者とみなして、民法第二百四十条の規定 並びに第三十条 並びに前条第一項本文 及び第二項の規定を適用する。


この場合において、

第三十条
警察署長(第四条第二項に規定する拾得者にあっては、施設占有者)」とあるのは、
「警察署長」と

する。

1項

次の各号いずれかに該当する者は、その拾得をし、又は交付を受けた物件について、第二十七条第一項の費用 及び第二十八条第一項 又は第二項の報労金を請求する権利 並びに民法第二百四十条 若しくは第二百四十一条の規定 又は第三十二条第一項の規定により所有権を取得する権利を失う。

一 号

拾得をした物件 又は交付を受けた物件を横領したことにより処罰された者

二 号

拾得の日から一週間以内第四条第一項の規定による提出をしなかった拾得者同条第二項に規定する拾得者 及び自ら拾得をした施設占有者除く

三 号

拾得の時から二十四時間以内に交付をしなかった第四条第二項に規定する拾得者

四 号

交付を受け、又は自ら拾得をした日から一週間以内第四条第一項 又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった施設占有者特例施設占有者除く

五 号

交付を受け、又は自ら拾得をした日から二週間以内第四条第一項ただし書 及び第十三条第一項ただし書に規定する物件 並びに第十七条前段の政令で定める高額な物件にあっては、一週間以内)に第四条第一項 又は第十三条第一項の規定による提出をしなかった特例施設占有者第十七条前段の規定によりその提出をしないことができる場合を除く