非訟事件手続法

# 平成二十三年法律第五十一号 #
略称 : 非訟法 

第一款 即時抗告

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和五年十一月十五日 ( 2023年 11月15日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第二十八号による改正
最終編集日 : 2024年 04月17日 08時51分

1項

終局決定により権利 又は法律上保護される利益を害された者は、その決定に対し、即時抗告をすることができる。

2項

申立てを却下した終局決定に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。

3項

手続費用の負担の裁判に対しては、独立して即時抗告をすることができない

1項

終局決定に対する即時抗告は、二週間の不変期間内にしなければならない。


ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。

2項

即時抗告の期間は、即時抗告をする者が裁判の告知を受ける者である場合にあっては、裁判の告知を受けた日から進行する。

3項

前項の期間は、即時抗告をする者が裁判の告知を受ける者でない場合にあっては、申立人(職権で開始した事件においては、裁判を受ける者)が裁判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

1項

即時抗告は、抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。

2項

抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 号
当事者 及び法定代理人
二 号
原決定の表示 及び その決定に対して即時抗告をする旨
3項

即時抗告が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは、原裁判所は、これを却下しなければならない。

4項

前項の規定による終局決定に対しては、即時抗告をすることができる。

5項

前項の即時抗告は、一週間の不変期間内にしなければならない。


ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。

6項

第四十三条第四項から第六項までの規定は、抗告状が第二項の規定に違反する場合 及び民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い即時抗告の提起の手数料を納付しない場合について準用する。

1項

終局決定に対する即時抗告があったときは、抗告裁判所は、原審における当事者 及び利害関係参加人(抗告人を除く)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。


ただし、その即時抗告が不適法であるとき、又は即時抗告に理由がないことが明らかなときは、この限りでない。

2項

裁判長は、前項の規定により抗告状の写しを送付するための費用の予納を相当の期間を定めて抗告人に命じた場合において、その予納がないときは、命令で、抗告状を却下しなければならない。

3項

前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

抗告裁判所は、原審における当事者 及びその他の裁判を受ける者(抗告人を除く)の陳述を聴かなければ、原裁判所の終局決定を取り消すことができない

1項

原裁判所は、終局決定に対する即時抗告を理由があると認めるときは、その決定を更正しなければならない。

1項

終局決定に対する即時抗告は、特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有しない。


ただし、抗告裁判所 又は原裁判所は、申立てにより、担保を立てさせて、又は立てさせないで、即時抗告について裁判があるまで、原裁判の執行の停止 その他必要な処分を命ずることができる。

2項

前項ただし書の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。

3項

民事訴訟法第七十六条第七十七条第七十九条 及び第八十条の規定は、前項の担保について準用する。

1項

終局決定に対する即時抗告 及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き前章の規定(第五十七条第一項ただし書 及び第六十四条の規定を除く)を準用する。


この場合において、

第五十九条第一項第二号
即時抗告」とあるのは、
「第一審裁判所の終局決定であるとした場合に即時抗告」と

読み替えるものとする。

2項

民事訴訟法第二百八十三条第二百八十四条第二百九十二条第二百九十八条第一項第二百九十九条第一項第三百二条第三百三条 及び第三百五条から第三百九条までの規定は、終局決定に対する即時抗告 及びその抗告審に関する手続について準用する。


この場合において、

同法第二百九十二条第二項
第二百六十一条第三項、第二百六十二条第一項 及び第二百六十三条」とあるのは
非訟事件手続法第六十三条第二項 及び第六十四条」と、

同法第三百三条第五項
第百八十九条」とあるのは
非訟事件手続法第百二十一条」と

読み替えるものとする。

1項

抗告裁判所の終局決定(その決定が第一審裁判所の決定であるとした場合に即時抗告をすることができるものに限る)に対しては、次に掲げる事由を理由とするときに限り、更に即時抗告をすることができる。


ただし第五号に掲げる事由については、手続行為能力、法定代理権 又は手続行為をするのに必要な権限を有するに至った本人、法定代理人 又は手続代理人による追認があったときは、この限りでない。

一 号

終局決定に憲法の解釈の誤りがあること その他憲法の違反があること。

二 号

法律に従って裁判所を構成しなかったこと。

三 号

法律により終局決定に関与することができない裁判官が終局決定に関与したこと。

四 号

専属管轄に関する規定に違反したこと。

五 号

法定代理権、手続代理人の代理権 又は代理人が手続行為をするのに必要な授権を欠いたこと。

六 号

終局決定にこの法律 又は他の法令で記載すべきものと定められた理由 若しくはその要旨を付せず、又は理由 若しくはその要旨に食い違いがあること。

七 号

終局決定に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があること。

2項

前項の即時抗告(以下 この条 及び第七十七条第一項において「再抗告」という。)が係属する抗告裁判所は、抗告状 又は抗告理由書に記載された再抗告の理由についてのみ調査をする。

3項

民事訴訟法第三百十四条第二項第三百十五条第三百十六条第一項第一号除く)、第三百二十一条第一項第三百二十二条第三百二十四条第三百二十五条第一項前段、第三項後段 及び第四項 並びに第三百二十六条の規定は、再抗告 及び その抗告審に関する手続について準用する。


この場合において、

同法第三百十四条第二項
前条において準用する第二百八十八条 及び第二百八十九条第二項」とあるのは
非訟事件手続法第六十八条第六項」と、

同法第三百十六条第二項
対しては」とあるのは
「対しては、一週間の不変期間内に」と、

同法第三百二十二条
前二条」とあるのは
非訟事件手続法第七十四条第二項の規定 及び同条第三項において準用する第三百二十一条第一項」と、

同法第三百二十五条第一項前段中
第三百十二条第一項 又は第二項」とあるのは
非訟事件手続法第七十四条第一項」と、

同条第三項後段中
この場合」とあるのは
「差戻し又は移送を受けた裁判所が裁判をする場合」と、

同条第四項
前項」とあるのは
「差戻し又は移送を受けた裁判所」と

読み替えるものとする。