学校の設置者 及びその設置する学校は、児童等の豊かな情操と道徳心を培い、心の通う対人交流の能力の素地を養うことがいじめの防止に資することを踏まえ、全ての教育活動を通じた道徳教育 及び体験活動等の充実を図らなければならない。
いじめ防止対策推進法
第三章 基本的施策
学校の設置者 及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを防止するため、当該学校に在籍する児童等の保護者、地域住民 その他の関係者との連携を図りつつ、いじめの防止に資する活動であって当該学校に在籍する児童等が自主的に行うものに対する支援、当該学校に在籍する児童等 及びその保護者 並びに当該学校の教職員に対するいじめを防止することの重要性に関する理解を深めるための啓発 その他必要な措置を講ずるものとする。
学校の設置者 及びその設置する学校は、当該学校におけるいじめを早期に発見するため、当該学校に在籍する児童等に対する定期的な調査 その他の必要な措置を講ずるものとする。
国 及び地方公共団体は、いじめに関する通報 及び相談を受け付けるための体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。
学校の設置者 及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等 及びその保護者 並びに当該学校の教職員がいじめに係る相談を行うことができる体制(次項において「相談体制」という。)を整備するものとする。
学校の設置者 及びその設置する学校は、相談体制を整備するに当たっては、家庭、地域社会等との連携の下、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利 その他の権利利益が擁護されるよう配慮するものとする。
国 及び地方公共団体は、いじめを受けた児童等 又はその保護者に対する支援、いじめを行った児童等に対する指導 又はその保護者に対する助言 その他のいじめの防止等のための対策が関係者の連携の下に適切に行われるよう、関係省庁相互間 その他関係機関、学校、家庭、地域社会 及び民間団体の間の連携の強化、民間団体の支援 その他必要な体制の整備に努めるものとする。
国 及び地方公共団体は、いじめを受けた児童等 又はその保護者に対する支援、いじめを行った児童等に対する指導 又はその保護者に対する助言 その他のいじめの防止等のための対策が専門的知識に基づき適切に行われるよう、教員の養成 及び研修の充実を通じた教員の資質の向上、生徒指導に係る体制等の充実のための教諭、養護教諭 その他の教員の配置、心理、福祉等に関する専門的知識を有する者であっていじめの防止を含む教育相談に応じるものの確保、いじめへの対処に関し助言を行うために学校の求めに応じて派遣される者の確保等 必要な措置を講ずるものとする。
学校の設置者 及びその設置する学校は、当該学校の教職員に対し、いじめの防止等のための対策に関する研修の実施 その他のいじめの防止等のための対策に関する資質の向上に必要な措置を計画的に行わなければならない。
学校の設置者 及びその設置する学校は、当該学校に在籍する児童等 及びその保護者が、発信された情報の高度の流通性、発信者の匿名性 その他のインターネットを通じて送信される情報の特性を踏まえて、インターネットを通じて行われるいじめを防止し、及び効果的に対処することができるよう、これらの者に対し、必要な啓発活動を行うものとする。
国 及び地方公共団体は、児童等がインターネットを通じて行われるいじめに巻き込まれていないかどうかを監視する関係機関 又は関係団体の取組を支援するとともに、インターネットを通じて行われるいじめに関する事案に対処する体制の整備に努めるものとする。
インターネットを通じていじめが行われた場合において、当該いじめを受けた児童等 又はその保護者は、当該いじめに係る情報の削除を求め、又は発信者情報(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第二条第六号に規定する発信者情報をいう。)の開示を請求しようとするときは、必要に応じ、法務局 又は地方法務局の協力を求めることができる。
国 及び地方公共団体は、いじめの防止 及び早期発見のための方策等、いじめを受けた児童等 又はその保護者に対する支援 及びいじめを行った児童等に対する指導 又はその保護者に対する助言の在り方、インターネットを通じて行われるいじめへの対応の在り方 その他のいじめの防止等のために必要な事項やいじめの防止等のための対策の実施の状況についての調査研究 及び検証を行うとともに、その成果を普及するものとする。
国 及び地方公共団体は、いじめが児童等の心身に及ぼす影響、いじめを防止することの重要性、いじめに係る相談制度 又は救済制度等について必要な広報 その他の啓発活動を行うものとする。