仲裁廷が仲裁判断において準拠すべき法は、当事者が合意により定めるところによる。
この場合において、一の国の法令が定められたときは、反対の意思が明示された場合を除き、当該定めは、抵触する内外の法令の適用関係を定めるその国の法令ではなく、事案に直接適用されるその国の法令を定めたものとみなす。
仲裁廷が仲裁判断において準拠すべき法は、当事者が合意により定めるところによる。
この場合において、一の国の法令が定められたときは、反対の意思が明示された場合を除き、当該定めは、抵触する内外の法令の適用関係を定めるその国の法令ではなく、事案に直接適用されるその国の法令を定めたものとみなす。
前項の合意がないときは、仲裁廷は、仲裁手続に付された民事上の紛争に最も密接な関係がある国の法令であって事案に直接適用されるべきものを適用しなければならない。
仲裁廷は、当事者双方の明示された求めがあるときは、前二項の規定にかかわらず、衡平と善により判断するものとする。
仲裁廷は、仲裁手続に付された民事上の紛争に係る契約があるときはこれに定められたところに従って判断し、当該民事上の紛争に適用することができる慣習があるときはこれを考慮しなければならない。
合議体である仲裁廷は、仲裁人の互選により、仲裁廷の長である仲裁人を選任しなければならない。
合議体である仲裁廷の議事は、仲裁廷を構成する仲裁人の過半数で決する。
前項の規定にかかわらず、仲裁手続における手続上の事項は、当事者双方の合意 又は他のすべての仲裁人の委任があるときは、仲裁廷の長である仲裁人が決することができる。
前三項の規定は、当事者間に別段の合意がある場合には、適用しない。
仲裁廷は、仲裁手続の進行中において、仲裁手続に付された民事上の紛争について当事者間に和解が成立し、かつ、当事者双方の申立てがあるときは、当該和解における合意を内容とする決定をすることができる。
前項の決定は、仲裁判断としての効力を有する。
第一項の決定をするには、次条第一項 及び第三項の規定に従って決定書を作成し、かつ、これに仲裁判断であることの表示をしなければならない。
当事者双方の承諾がある場合には、仲裁廷 又はその選任した一人 若しくは二人以上の仲裁人は、仲裁手続に付された民事上の紛争について、和解を試みることができる。
前項の承諾 又はその撤回は、当事者間に別段の合意がない限り、書面でしなければならない。
仲裁判断をするには、仲裁判断書を作成し、これに仲裁判断をした仲裁人が署名しなければならない。
ただし、仲裁廷が合議体である場合には、仲裁廷を構成する仲裁人の過半数が署名し、かつ、他の仲裁人の署名がないことの理由を記載すれば足りる。
仲裁判断書には、理由を記載しなければならない。
ただし、当事者間に別段の合意がある場合は、この限りでない。
仲裁判断書には、作成の年月日 及び仲裁地を記載しなければならない。
仲裁判断は、仲裁地においてされたものとみなす。
仲裁廷は、仲裁判断がされたときは、仲裁人の署名のある仲裁判断書の写しを送付する方法により、仲裁判断を各当事者に通知しなければならない。
第一項ただし書の規定は、前項の仲裁判断書の写しについて準用する。
仲裁手続は、仲裁判断 又は仲裁手続の終了決定があったときに、終了する。
仲裁廷は、第二十三条第四項第二号 又は第三十三条第一項の規定による場合のほか、次に掲げる事由のいずれかがあるときは、仲裁手続の終了決定をしなければならない。
仲裁申立人がその申立てを取り下げたとき。
ただし、仲裁被申立人が取下げに異議を述べ、かつ、仲裁手続に付された民事上の紛争の解決について仲裁被申立人が正当な利益を有すると仲裁廷が認めるときは、この限りでない。
当事者双方が仲裁手続を終了させる旨の合意をしたとき。
仲裁手続に付された民事上の紛争について、当事者間に和解が成立したとき(第三十八条第一項の決定があったときを除く。)。
前三号に掲げる場合のほか、仲裁廷が、仲裁手続を続行する必要がなく、又は仲裁手続を続行することが不可能であると認めたとき。
仲裁手続が終了したときは、仲裁廷の任務は、終了する。
ただし、次条から第四十三条までの規定による行為をすることができる。
仲裁廷は、当事者の申立てにより又は職権で、仲裁判断における計算違い、誤記 その他これらに類する誤りを訂正することができる。
前項の申立ては、当事者間に別段の合意がない限り、仲裁判断の通知を受けた日から三十日以内にしなければならない。
当事者は、第一項の申立てをするときは、あらかじめ、又は同時に、他の当事者に対して、当該申立ての内容を記載した通知を発しなければならない。
仲裁廷は、第一項の申立ての日から三十日以内に、当該申立てについての決定をしなければならない。
仲裁廷は、必要があると認めるときは、前項の期間を延長することができる。
第三十九条の規定は、仲裁判断の訂正の決定 及び第一項の申立てを却下する決定について準用する。
当事者は、仲裁廷に対し、仲裁判断の特定の部分の解釈を求める申立てをすることができる。
前項の申立ては、当事者間にかかる申立てをすることができる旨の合意がある場合に限り、することができる。
前条第二項 及び第三項の規定は第一項の申立てについて、
第三十九条 並びに前条第四項 及び第五項の規定は第一項の申立てについての決定について、それぞれ準用する。
当事者は、仲裁手続における申立てのうちに仲裁判断において判断が示されなかったものがあるときは、当事者間に別段の合意がない限り、仲裁廷に対し、当該申立てについての仲裁判断を求める申立てをすることができる。
この場合においては、第四十一条第二項 及び第三項の規定を準用する。
仲裁廷は、前項の申立ての日から六十日以内に、当該申立てについての決定をしなければならない。
この場合においては、第四十一条第五項の規定を準用する。
第三十九条の規定は、前項の決定について準用する。