刑事補償法

昭和二十五年法律第一号
分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和二年四月一日 ( 2020年 4月1日 )
@ 最終更新 : 平成二十九年六月二日公布(平成二十九年法律第四十五号)改正
最終編集日 : 2020年 09月16日 05時01分

· · ·
1項

刑事訴訟法昭和二十三年法律第百三十一号)による
通常手続 又は再審

若しくは非常上告の手続において
無罪の裁判を受けた者が

同法少年法昭和二十三年法律第百六十八号
又は経済調査庁法(昭和二十三年法律第二百六号)に
よつて

未決の抑留
又は拘禁を受けた場合には、

その者は、国に対して、

抑留 又は拘禁による
補償を請求することができる。

2項

上訴権回復による
上訴、再審 又は非常上告の手続において

無罪の裁判を受けた者が
原判決によつてすでに刑の執行を受け、

又は刑法明治四十年法律第四十五号
第十一条第二項の規定による 拘置を受けた場合には、

その者は、国に対して、

刑の執行 又は拘置による
補償を請求することができる。

3項

刑事訴訟法
第四百八十四条から 第四百八十六条まで同法第五百五条において準用する 場合を含む。)の
収容状による 抑留

及び同法第四百八十一条第二項同法第五百五条において準用する 場合を含む。)の
規定による 留置

並びに更生保護法平成十九年法律第八十八号
第六十三条第二項

又は第三項の引致状による
抑留 及び留置は、

前項の規定の適用については、
刑の執行 又は拘置とみなす。

· · · · ·
· · ·
1項

前条の規定により

補償の請求をすることのできる者が
その請求をしないで死亡した場合には、

補償の請求は、
相続人から することができる。

2項

死亡した者について

再審 又は非常上告の手続において
無罪の裁判があつた場合には、

補償の請求については、

死亡の時に
無罪の裁判があつたものとみなす。

· · · · ·
· · ·
1項

左の場合には、
裁判所の健全な裁量により、

補償の一部 又は全部を
しないことができる。

一 号

本人が、捜査 又は審判を誤まらせる目的で、
虚偽の自白をし、

又は 他の有罪の証拠を作為することにより、
起訴、未決の抑留 若しくは拘禁

又は有罪の裁判を受けるに至つたものと
認められる場合

二 号

一個の裁判によつて併合罪の一部について
無罪の裁判を受けても、

他の部分について 有罪の裁判を受けた場合

· · · · ·
· · ·
1項

抑留 又は拘禁による
補償においては、

前条 及び次条第二項
規定する場合を除いては、

その日数に応じて、

一日千円以上 一万二千五百円以下
割合による額の

補償金を交付する。


懲役、禁錮 若しくは拘留の執行
又は拘置による 補償においても、

同様である。

2項

裁判所は、

前項の補償金の額を
定めるには、

  • 拘束の種類
    及び その期間の長短、
  • 本人が受けた財産上の損失、
  • 得るはずであつた利益の喪失、
  • 精神上の苦痛
    及び身体上の損傷

並びに警察、検察 及び裁判の
各機関の故意過失の有無

その他一切の事情を
考慮しなければならない。

3項

死刑の執行による
補償においては、

三千万円以内で

裁判所の相当と認める額の
補償金を交付する。


ただし

本人の死亡によつて生じた
財産上の損失額が
証明された場合には、

補償金の額は、

その損失額に
三千万円を加算した額
範囲内とする。

4項

裁判所は、

前項の補償金の額を
定めるには、

同項但書の証明された
損失額の外、

本人の年齢、
健康状態、収入能力

その他の事情を
考慮しなければならない。

5項

罰金 又は科料の執行による
補償においては、

既に徴収した罰金
又は科料の額に、

これに対する 徴収の日の翌日から
補償の決定の日までの期間に応じ

徴収の日の 翌日の法定利率による

金額を加算した額に
等しい補償金を交付する。


労役場留置の執行をしたときは、
第一項の規定を準用する。

6項

没収の執行による
補償においては、

没収物が
まだ処分されていないときは、

その物を返付し、
既に処分されているときは、

その物の時価に
等しい額の補償金を交付し、

また、徴収した追徴金については

その額にこれに対する

徴収の日の翌日から
補償の決定の日までの期間に応じ

徴収の日の翌日の法定利率による
金額を加算した額に

等しい補償金を交付する。

· · · · ·
· · ·
1項

この法律は、

補償を受けるべき者が
国家賠償法昭和二十二年法律第百二十五号

その他の 法律の定めるところにより

損害賠償を
請求することを妨げない。

2項

補償を受けるべき者が

同一の原因について

他の法律によつて
損害賠償を受けた場合において、

その損害賠償の額が
この法律によつて受けるべき
補償金の額に等しいか、
又はこれを越える場合には、

補償をしない。


その損害賠償の額が

この法律によつて受けるべき
補償金の額より少いときは、

損害賠償の額を差し引いて
補償金の額を定めなければならない。

3項

他の法律によつて
損害賠償を受けるべき者が

同一の原因について
この法律によつて補償を受けた場合には、

その補償金の額を差し引いて
損害賠償の額を定めなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

補償の請求は、

無罪の裁判をした裁判所に対して
しなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

補償の請求は、

無罪の裁判が確定した日から
三年以内にしなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

相続人から
補償の請求をする場合には、

本人との続柄

及び同順位の相続人の有無を
疎明するに足りる資料を

提出しなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

補償の請求は、

代理人によつてもすることができる。

· · · · ·
· · ·
1項

補償の請求をすることのできる
同順位の相続人が数人ある場合には、

その一人のした補償の請求は、

全員のため
その全部につき したものとみなす。

2項

前項の場合には、

請求をした者以外の相続人は、

共同請求人として
手続に参加することができる。

· · · · ·
· · ·
1項

裁判所は、

相続人から 補償の
請求を受けた場合において、

他に同順位の相続人が
あることを知つたときは、

すみやかに
その同順位の相続人に対し

補償の請求のあつた旨を
通知しなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

補償の請求をすることのできる
同順位の相続人が数人ある場合には、

補償の請求をした者は、

他の全員の同意がなければ、
請求を取り消すことができない

· · · · ·
· · ·
1項

補償の請求をした者が
請求を取り消したときは、

その取消をした者は、

さらに補償の
請求をすることができない

· · · · ·
· · ·
1項

補償の請求があつたときは、

裁判所は、

検察官 及び請求人の
意見を聞き、

決定をしなければならない。


決定の謄本は、

検察官 及び請求人に
送達しなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

補償請求の手続が

法令上の方式に違反し、
補正することができないとき、

若しくは請求人が

裁判所から 補正を命ぜられて
これに応じないとき、

又は補償の請求が
第七条の期間の
経過後にされたときは、

請求を却下する
決定をしなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

補償の請求が
理由のあるときは、

補償の
決定をしなければならない。


理由がないときは、

請求を棄却する
決定をしなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

補償の請求を
することのできる

同順位の相続人が
数人ある場合には、

その一人に対してした
前条の決定は、

同順位者
全員に対してしたものとみなす。

· · · · ·
· · ·
1項

補償の請求をした者が
請求の手続中 死亡し、

又は相続人たる身分を
失つた場合において、

他に請求人がないときは、
請求の手続は、中断する。


この場合において、

請求をした者の相続人
及び請求をした者と同順位の相続人は、

二箇月以内に請求の手続を
受け継ぐことができる。

2項

裁判所は、

前項の規定により
手続を受け継ぐことのできる者で

裁判所に知れているものに対しては、

同項の期間内に

請求の手続を受け継ぐことができる旨を
通知しなければならない。

3項

第一項の期間内に
手続を受け継ぐ旨の申立がないときは、

裁判所は、決定で
請求を却下しなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

第十六条の決定に対しては、

請求人 及びこれと
同順位の相続人は、

即時抗告をすることができる。


但し

その決定をした裁判所が
高等裁判所であるときは、

その高等裁判所に
異議の申立をすることができる。

2項

前項の即時抗告 及び異議の申立についての
決定に対しては、

刑事訴訟法第四百五条各号に定める
事由があるときは、

最高裁判所に
特に抗告をすることができる。

3項

第九条から 第十五条まで
第十七条 及び前条の規定は、

前二項の場合に準用する。

· · · · ·
· · ·
1項

補償の払渡は、

補償の決定をした裁判所に
請求しなければならない。

2項

補償の払渡を受けることのできる者が
数人ある場合には、

その一人のした補償払渡の請求は、

補償の決定を受けた者全員のため
その全部につき したものとみなす。

3項

第十一条の規定は、

裁判所が補償払渡の
請求を受けた場合に準用する。

· · · · ·
· · ·
1項

補償の払渡を受けることのできる者が
数人ある場合には、

その一人に対する補償の払渡は、
その全員に対してしたものとみなす。

· · · · ·
· · ·
1項

補償の請求権は、

これを譲り渡し、
又は差し押えることができない


補償払渡の請求権も、
同様である。

· · · · ·
· · ·
1項

この法律の決定、
即時抗告、異議の申立

及び第十九条第二項
抗告については、

この法律に
特別の定のある場合を除いては、

刑事訴訟法を準用する。


期間についても、
同様である。

· · · · ·
· · ·
1項

裁判所は、

補償の決定が
確定したときは、

その決定を受けた者の
申立により、

すみやかに決定の要旨を、

官報 及び申立人の選択する
三種以内の新聞紙に

一回以上掲載して
公示しなければならない。

2項

前項の申立は、

補償の決定が確定した後
二箇月以内にしなければならない。

3項

第一項の公示があつたときは、

さらに同項
申立をすることはできない

4項

前三項の規定は、

第五条第二項前段に規定する
理由による

補償の請求を棄却する決定が
確定した場合に準用する。

· · · · ·
· · ·
1項

刑事訴訟法の規定による
免訴 又は公訴棄却の裁判を受けた者は、

もし免訴 又は公訴棄却の裁判を
すべき事由がなかつたならば

無罪の裁判を受けるべきものと
認められる充分な事由があるときは、

国に対して、

抑留 若しくは拘禁による補償
又は刑の執行 若しくは拘置による補償を

請求することができる。

2項

前項の規定による
補償については、

無罪の裁判を受けた者の
補償に関する規定を準用する。


補償決定の公示についても
同様である。

· · · · ·
· · ·
1項

日本国が外国に対し

逃亡犯罪人の
引渡を請求した場合において、

当該外国が その引渡のためにした
抑留 又は拘禁は、

刑事訴訟法による
抑留 又は拘禁とみなす。

· · · · ·
· · ·
1項

国際受刑者移送法平成十四年法律第六十六号
第二条第六号の

送出移送をした場合において、

同条第八号の執行国が

同条第十二号の
送出移送犯罪に係る懲役

又は禁錮の確定裁判の
執行の共助としてした拘禁は、

日本国による
刑の執行とみなす。

· · · · ·
· · ·
1項

国際捜査共助等に関する法律昭和五十五年法律第六十九号
第十九条の国内受刑者に係る
受刑者証人移送をした場合において、

当該国内受刑者が

受刑者証人移送として
移送されていた期間における 身体の拘束は、

日本国による 刑の執行とみなす。

· · · · ·