地球温暖化対策の推進に関する法律

# 平成十年法律第百十七号 #
略称 : 温対法  地球温暖化対策推進法 

第九章 割当量口座簿等

分類 法律
カテゴリ   環境保全
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第四十六号による改正
最終編集日 : 2023年 08月16日 08時52分


1項

環境大臣 及び経済産業大臣は、京都議定書第七条4に基づく割当量の計算方法に関する国際的な決定(以下「割当量の計算方法に関する国際的な決定」という。)に従い、割当量口座簿を作成し、算定割当量の取得、保有 及び移転(以下「算定割当量の管理」という。)を行うための口座(以下「管理口座」という。)を開設するものとする。

2項

割当量口座簿は、その全部を磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。)をもって調製するものとする。

1項

算定割当量の帰属は、この章の規定による割当量口座簿の記録により定まるものとする。

1項

割当量口座簿は、次に掲げる口座に区分する。

一 号
国の管理口座
二 号

国内に本店 又は主たる事務所(以下「本店等」という。)を有する法人(以下「内国法人」という。)の管理口座

2項

前項第二号の管理口座は、当該管理口座の名義人(当該管理口座の開設を受けた者をいう。以下「口座名義人」という。)ごとに区分する。

3項

第一項第二号の管理口座には、次に掲げる事項を記録する。

一 号
口座名義人の名称、代表者の氏名、本店等の所在地 その他環境省令・経済産業省令で定める事項
二 号

保有する算定割当量の種別(第二条第七項各号の種別をいう。以下同じ。)ごとの数量 及び識別番号(算定割当量を一単位ごとに識別するために京都議定書の締約国 又は気候変動に関する国際連合枠組条約の事務局(以下「事務局」という。)により付された文字 及び数字をいう。以下同じ。

三 号

前号の算定割当量の全部 又は一部が信託財産であるときは、その旨

四 号
その他政令で定める事項
1項
算定割当量の管理を行おうとする内国法人は、環境大臣 及び経済産業大臣による管理口座の開設を受けなければならない。
2項

管理口座は、の内国法人につきに限り開設を受けることができるものとする。

3項

管理口座の開設を受けようとする内国法人は、その名称、代表者の氏名、本店等の所在地 その他環境省令・経済産業省令で定める事項を記載した申請書を環境大臣 及び経済産業大臣に提出しなければならない。

4項

前項の申請書には、定款、登記事項証明書 その他環境省令・経済産業省令で定める書類を添付しなければならない。

5項

環境大臣 及び経済産業大臣は、第三項の規定による管理口座の開設の申請があった場合には、当該申請書 又はその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があるときを除き、遅滞なく、管理口座を開設しなければならない。

6項

環境大臣 及び経済産業大臣は、前項の規定により管理口座を開設したときは、遅滞なく、当該管理口座において算定割当量の管理を行うために必要な事項をその口座名義人に通知しなければならない。

1項
口座名義人は、その名称、代表者の氏名、本店等の所在地 その他環境省令・経済産業省令で定める事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を環境大臣 及び経済産業大臣に届け出なければならない。
2項

前項の届出があった場合には、環境大臣 及び経済産業大臣は、遅滞なく、当該記録を変更するものとする。

3項

前条第六項の規定は、前項の記録の変更について準用する。

1項

算定割当量の取得 及び移転(以下「振替」という。)は、この条に定めるところにより、環境大臣 及び経済産業大臣が、割当量口座簿において、当該算定割当量についての減少 又は増加の記録をすることにより行うものとする。

2項
算定割当量の振替の申請は、振替によりその管理口座において減少の記録がされる口座名義人が、環境大臣 及び経済産業大臣に対して行うものとする。
3項

前項の申請をする口座名義人(以下「申請人」という。)は、当該申請において、次に掲げる事項を示さなければならない。

一 号
当該振替において減少 又は増加の記録がされるべき算定割当量の種別ごとの数量 及び識別番号
二 号

当該振替により増加の記録がされるべき管理口座(以下「振替先口座」という。

三 号

振替先口座が国の管理口座である場合には、当該振替の目的が次の各号のいずれに該当するかの別

取消し(割当量の計算方法に関する国際的な決定に基づき、算定割当量を京都議定書第三条の規定に基づく約束の履行に用いることができない状態にすることをいう。

次条第二項の義務を履行する目的

及びに掲げる目的以外の目的

4項

第二項の申請があった場合には、環境省令・経済産業省令で定める場合を除き、環境大臣 及び経済産業大臣は、遅滞なく、次に掲げる措置をとらなければならない。

一 号

申請人の管理口座の前項第一号の算定割当量についての減少の記録

二 号

振替先口座の前項第一号の算定割当量についての増加の記録

5項
事務局から割当量口座簿における管理口座への算定割当量の振替を行う旨の通知があった場合には、割当量の計算方法に関する国際的な決定に基づき、環境大臣 及び経済産業大臣は、当該管理口座の当該算定割当量についての増加の記録をするものとする。
6項

算定割当量の振替は、第二項から前項までの規定によるもののほか、環境省令・経済産業省令で定めるところにより、環境大臣 及び経済産業大臣に対する官庁 又は公署の嘱託により行うことができる。

1項

環境大臣 及び経済産業大臣は、植林事業に係る認証された排出削減量に関する国際的な決定(京都議定書第十二条3(b)に規定する認証された排出削減量のうち新規植林事業 又は再植林事業から生ずるものの取扱いに関する国際的な決定をいう。以下 この項において同じ。)に基づき、事務局から特定認証排出削減量(京都議定書第十二条3(b)に規定する認証された排出削減量のうち植林事業に係る認証された排出削減量に関する国際的な決定に基づくものであって、環境省令・経済産業省令で定めるものをいう。以下この条において同じ。)に係る森林の滅失等に伴う措置を求める通知があった場合には、環境省令・経済産業省令で定めるところにより、当該通知に係る特定認証排出削減量を保有する口座名義人に対し、期限を定めて、当該通知に係る特定認証排出削減量 又は当該通知に係る特定認証排出削減量と同量の算定割当量(環境省令・経済産業省令で定めるものを除く次項において同じ。)の国の管理口座への移転を求める旨の通知をするものとする。

2項

前項の通知を受けた口座名義人は、移転の期限までに、当該通知に係る特定認証排出削減量 又は当該通知に係る特定認証排出削減量と同量の算定割当量の国の管理口座への移転を行わなければならない。

1項

算定割当量の譲渡は、第四十八条の規定に基づく振替により、譲受人がその管理口座に当該譲渡に係る算定割当量の増加の記録を受けなければ、その効力を生じない。

1項

算定割当量は、質権の目的とすることができない

1項

算定割当量については、信託は、政令で定めるところにより、当該信託の受託者がその管理口座において第四十五条第三項第三号の規定による記録を受けなければ、第三者に対抗することができない。

1項
国 又は口座名義人は、その管理口座における記録がされた算定割当量を適法に保有するものと推定する。
1項

第四十八条第五項除く)の規定に基づく振替によりその管理口座において算定割当量の増加の記録を受けた国 又は口座名義人は、当該算定割当量を取得する。


ただし、国 又は当該口座名義人に悪意 又は重大な過失があるときは、この限りでない。

1項
口座名義人は、環境大臣 及び経済産業大臣に対し、割当量口座簿の自己の管理口座に記録されている事項を証明した書面の交付を請求することができる。
1項

環境大臣 及び経済産業大臣は、正当な理由がなくて第四十九条第二項に規定する国の管理口座への移転を行わない口座名義人があるときは、当該口座名義人に対し、期限を定めて、その移転を行うべき旨の勧告をすることができる。

2項

環境大臣 及び経済産業大臣は、前項に規定する勧告を受けた口座名義人が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該口座名義人に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

1項

この章に定めるもののほか、割当量口座簿における管理口座の開設 及び算定割当量の管理 その他この章の規定の施行に関し必要な事項は、環境省令・経済産業省令で定める。