地域福利増進事業を実施する者(以下「事業者」という。)は、当該事業を実施する区域(以下「事業区域」という。)内にある特定所有者不明土地を使用しようとするときは、当該特定所有者不明土地の所在地を管轄する都道府県知事に対し、次に掲げる権利(以下「土地使用権等」という。)の取得についての裁定を申請することができる。
所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法
第二款 裁定による特定所有者不明土地の使用
当該特定所有者不明土地の使用権(以下「土地使用権」という。)
当該特定所有者不明土地にある所有者不明物件(相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなお その所有者の全部 又は一部を確知することができない物件をいう。第三項第二号において同じ。)の所有権(次項第七号において「物件所有権」という。)又はその使用権(同項第八号において「物件使用権」という。)
前項の規定による裁定の申請(以下この款において「裁定申請」という。)をしようとする事業者は、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した裁定申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
事業者の氏名 又は名称 及び住所
事業の種別(第二条第三項各号に掲げる事業の別をいう。)
土地使用権の目的となる特定所有者不明土地(以下この款(次条第一項第二号を除く。)において単に「特定所有者不明土地」という。)の所在、地番、地目 及び地積
特定所有者不明土地の所有者の全部 又は一部を確知することができない事情
土地使用権等の始期(物件所有権にあっては、その取得の時期。第十三条第二項第二号 及び第二十四条において同じ。)
土地等使用権(土地使用権 又は物件使用権をいう。以下同じ。)の存続期間
前項の裁定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
次に掲げる事項を記載した事業計画書
事業により整備する施設の種類、位置、規模、構造 及び利用条件
事業区域内にある土地で特定所有者不明土地以外のもの 及び当該土地にある物件に関する所有権 その他の権利の取得に関する計画(次条第一項第五号において「権利取得計画」という。)
土地等使用権の存続期間の満了後に特定所有者不明土地を原状に回復するための措置の内容
次に掲げる事項を記載した補償金額見積書
特定所有者不明土地の面積(特定所有者不明土地を含む一団の土地が分割されることとなる場合にあっては、当該一団の土地の全部の面積を含む。)
特定所有者不明土地にある所有者不明物件の種類 及び数量
特定所有者不明土地等(特定所有者不明土地 又は当該特定所有者不明土地にある所有者不明物件をいう。以下この款において同じ。)の確知所有者の全部の氏名 又は名称 及び住所
特定所有者不明土地等の確知権利者(土地 又は当該土地にある物件に関し所有権以外の権利を有する者であって、相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなお確知することができないもの以外の者をいう。次条第五項 及び第十七条第一項において同じ。)の全部の氏名 又は名称 及び住所 並びにその権利の種類 及び内容
土地使用権等を取得することにより特定所有者不明土地所有者等(特定所有者不明土地等に関し所有権 その他の権利を有する者をいう。以下この款において同じ。)が受ける損失の補償金の見積額 及びその内訳 並びに当該補償金の支払の時期
事業区域の利用について法令の規定による制限があるときは、当該法令の施行について権限を有する行政機関の長の意見書
事業の実施に関して行政機関の長の許可、認可 その他の処分を必要とする場合においては、これらの処分があったことを証する書類 又は当該行政機関の長の意見書
前項第三号 及び第四号の意見書は、事業者が意見を求めた日から三週間を経過してもこれを得ることができなかったときは、添付することを要しない。
この場合においては、意見書を得ることができなかった事情を疎明する書類を添付しなければならない。
事業者は、裁定申請をしようとするときは、当該裁定申請に係る事業の内容について、あらかじめ、協議会の開催 その他の国土交通省令で定める方法により、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
都道府県知事は、裁定申請があったときは、当該裁定申請に係る事業が次の各号に掲げる要件のいずれにも該当するかどうかを確認しなければならない。
事業が地域福利増進事業に該当し、かつ、土地の適正かつ合理的な利用に寄与するものであること。
土地使用権の目的となる土地が特定所有者不明土地に該当するものであること。
土地等使用権の存続期間が事業の実施のために必要な期間を超えないものであること。
事業により整備される施設の利用条件がその公平かつ適正な利用を図る観点から適切なものであること。
権利取得計画 及び資金計画が事業を確実に遂行するため適切なものであること。
土地等使用権の存続期間の満了後に第二号の土地を原状に回復するための措置が適正かつ確実に行われると見込まれるものであること。
事業者が事業を遂行する十分な意思と能力を有する者であること。
その他基本方針に照らして適切なものであること。
都道府県知事は、前項の規定による確認をしようとするときは、あらかじめ、地域住民 その他の者の共同の福祉 又は利便の増進を図る見地からの関係市町村長の意見を聴かなければならない。
都道府県知事は、第一項の規定による確認をしようとする場合において、前条第四項の規定により意見書の添付がなかったときその他必要があると認めるときは、裁定申請に係る事業の実施について関係のある行政機関の長の意見を求めなければならない。
都道府県知事は、第一項の規定による確認の結果、裁定申請に係る事業が同項各号に掲げる要件のいずれにも該当すると認めるときは、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を公告し、前条第二項の裁定申請書 及びこれに添付された同条第三項各号に掲げる書類を当該公告の日から二月間公衆の縦覧に供しなければならない。
特定所有者不明土地の所在、地番 及び地目
次のイ 又はロに掲げる者は、縦覧期間内に、国土交通省令で定めるところにより、その権原を証する書面を添えて、都道府県知事に当該イ 又はロに定める事項を申し出るべき旨
特定所有者不明土地 又は当該特定所有者不明土地にある物件に関し所有権 その他の権利を有する者であって、前条第二項の裁定申請書、同条第三項第一号の事業計画書 又は同項第二号の補償金額見積書に記載された事項(裁定申請書にあっては、同条第二項第一号 及び第六号に掲げる事項を除く。)について異議のあるもの
当該異議の内容 及びその理由
特定所有者不明土地の所有者であって、前条第三項第二号の補償金額見積書に特定所有者不明土地の確知所有者として記載されていないもの(イに掲げる者を除く。)
当該特定所有者不明土地の所有者である旨
その他国土交通省令で定める事項
都道府県知事は、前項の規定による公告をしようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、裁定申請があった旨を、前条第三項第二号の補償金額見積書に記載された特定所有者不明土地等の確知所有者 及び確知権利者に通知しなければならない。
都道府県知事は、前条第一項の規定による確認の結果、裁定申請に係る事業が同項各号に掲げる要件のいずれかに該当しないと認めるときは、当該裁定申請を却下しなければならない。
都道府県知事は、前条第四項の規定による公告をした場合において、同項の縦覧期間内に同項第三号イの規定による申出があったとき 又は同号ロに掲げる者の全てから同号ロの規定による申出があったときは、当該公告に係る裁定申請を却下しなければならない。
都道府県知事は、前二項の規定により裁定申請を却下したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その理由を示して、その旨を当該裁定申請をした事業者に通知しなければならない。
都道府県知事は、前条第一項 又は第二項の規定により裁定申請を却下する場合を除き、裁定申請をした事業者が土地使用権等を取得することが当該裁定申請に係る事業を実施するため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、土地使用権等の取得についての裁定をしなければならない。
前項の裁定(以下この条から第十八条までにおいて単に「裁定」という。)においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
特定所有者不明土地の所在、地番、地目 及び面積
裁定は、前項第一号に掲げる事項については裁定申請の範囲を超えてはならず、同項第三号の存続期間については裁定申請の範囲内かつ十年(第二条第三項第一号、第六号 及び第八号から第十号までに掲げる事業のうち、当該事業の内容 その他の事情を勘案して長期にわたる土地の使用を要するものとして政令で定める事業にあっては、二十年)を限度としなければならず、前項第四号の補償金の額については裁定申請に係る補償金の見積額を下限としなければならない。
都道府県知事は、裁定をしようとするときは、第二項第四号に掲げる事項(同号の補償金の額に係るものに限る。)について、あらかじめ、収用委員会の意見を聴かなければならない。
収用委員会は、前項の規定により意見を述べるため必要があると認めるときは、その委員 又はその事務を整理する職員に、裁定申請に係る特定所有者不明土地 又は当該特定所有者不明土地にある簡易建築物等 その他の工作物に立ち入り、その状況を調査させることができる。
前項の規定により立入調査をする委員 又は職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
第五項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
都道府県知事は、裁定をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨 及び前条第二項各号に掲げる事項を、裁定申請をした事業者 及び当該事業に係る特定所有者不明土地所有者等で知れているものに文書で通知するとともに、公告しなければならない。
裁定について前条の規定による公告があったときは、当該裁定の定めるところにより、裁定申請をした事業者は、土地使用権等を取得し、特定所有者不明土地等に関するその他の権利は、当該事業者による該特定所有者不明土地等の使用のため必要な限度においてその行使を制限される。
裁定申請をした事業者は、次項から第六項までに定めるところにより、土地使用権等を取得することにより特定所有者不明土地所有者等が受ける損失を補償しなければならない。
損失の補償は、金銭をもってするものとする。
土地使用権等の取得の対価の額に相当する補償金の額は、近傍類似の土地 又は近傍同種の物件の借賃 その他の当該補償金の額の算定の基礎となる事項を考慮して定める相当の額(土地等使用権の取得に係る当該補償金の額にあっては、当該相当の額から特定所有者不明土地等の管理に要する費用に相当する額を控除して得た額)とする。
特定所有者不明土地の一部を使用することにより残地の価格が減じ、その他残地に関して損失が生ずるときは、当該損失を補償しなければならない。
特定所有者不明土地の一部を使用することにより残地に通路、溝、垣 その他の工作物の新築、改築、増築 若しくは修繕 又は盛土 若しくは切土をする必要が生ずるときは、これに要する費用を補償しなければならない。
前三項の規定による補償のほか、土地使用権等を取得することにより特定所有者不明土地所有者等が通常受ける損失は、補償しなければならない。
裁定申請をした事業者は、裁定において定められた補償金の支払の時期までに、当該裁定において定められた補償金を特定所有者不明土地所有者等で確知することができないもの(補償金の供託の対象となる特定所有者不明土地等の共有持分の割合が明らかでない場合にあっては、当該特定所有者不明土地等の確知所有者 及び確知権利者を含む。)のために供託しなければならない。
前項の規定による補償金の供託は、当該特定所有者不明土地の所在地の供託所にするものとする。
第十五条の規定により土地使用権等を取得した事業者(以下「使用権者」という。)は、第十三条第一項の裁定において定められた土地等使用権の存続期間(第四項において準用する第十五条の規定により土地等使用権の存続期間が延長された場合にあっては、当該延長後の存続期間。第三項 及び第二十四条において同じ。)を延長して使用権設定土地(第十五条の規定により取得された土地使用権の目的となっている土地をいう。以下同じ。)の全部 又は一部を使用しようとするときは、当該存続期間の満了の日の七月前から四月前までの間に、当該使用権設定土地の所在地を管轄する都道府県知事に対し、土地等使用権の存続期間の延長についての裁定を申請することができる。
第十条(第一項 及び第五項を除く。)から第十二条までの規定は、前項の規定による裁定の申請について準用する。
この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第十条第二項 | 次に掲げる事項 | 第一号から 第六号まで 及び第八号に掲げる事項 |
第十条第二項第五号 | 土地使用権の目的となる特定所有者不明土地(以下 この款(次条第一項第二号を除く。)において 単に「特定所有者不明土地」という。) | 第十九条第一項に規定する使用権設定土地(その一部を使用しようとする場合にあっては、当該使用に係る土地の部分に限る。以下単に「使用権設定土地」という。) |
第十条第二項第六号 並びに第三項第一号ハ 及びホ 並びに第二号イ 及びロ 並びに第十一条第四項第二号 及び第三号 | 特定所有者不明土地 | 使用権設定土地 |
第十条第二項第八号 | 存続期間 | 存続期間を延長する期間 及び当該延長後の存続期間 |
第十条第三項第一号ホ 及び第十一条第一項第六号 | 存続期間 | 延長後の存続期間 |
第十条第三項第二号ハから ホまで 及び第十一条第五項 | 特定所有者不明土地等 | 使用権設定土地等 |
第十条第三項第二号ハ | 特定所有者不明土地 又は当該特定所有者不明土地 | 使用権設定土地 又は当該使用権設定土地 |
第十条第三項第二号ホ | 土地使用権等を取得する | 土地等使用権の存続期間を延長する |
特定所有者不明土地所有者等 | 使用権設定土地所有者等 | |
第十一条第一項第二号 | 特定所有者不明土地 | 所有者不明土地 |
第十一条第一項第三号 | 存続期間 | 存続期間を延長する期間 |
第十一条第四項 | 二月間 | 一月間 |
都道府県知事は、前項において準用する第十二条第一項 又は第二項の規定により第一項の規定による裁定の申請を却下する場合を除き、同項の規定による裁定の申請をした使用権者が有する土地等使用権の存続期間を延長することが当該申請に係る事業を実施するため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、土地等使用権の存続期間の延長についての裁定をしなければならない。
第十三条(第一項を除く。)から前条までの規定は、前項の裁定について準用する。
この場合において、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第十三条第二項 | 次に掲げる事項 | 第一号、第三号 及び第四号に掲げる事項 |
第十三条第二項第一号 | 特定所有者不明土地 | 第十九条第一項に規定する使用権設定土地(その一部を使用しようとする場合にあっては、当該使用に係る土地の部分に限る。以下単に「使用権設定土地」という。) |
第十三条第二項第三号 | 存続期間 | 存続期間を延長する期間 及び当該延長後の存続期間 |
第十三条第二項第四号 並びに第十六条第一項 及び第六項 | 土地使用権等を取得する | 土地等使用権の存続期間を延長する |
第十三条第二項第四号 | 特定所有者不明土地所有者等 | 使用権設定土地所有者等(使用権設定土地等(使用権設定土地 又は当該使用権設定土地にある第十条第一項第二号に規定する所有者不明物件をいう。以下同じ。)に関し所有権 その他の権利を有する者をいう。以下同じ。) |
第十三条第三項 | 存続期間 | 土地等使用権の存続期間を延長する期間 |
第十三条第五項、第十六条第四項 及び第五項 並びに第十七条第二項 | 特定所有者不明土地 | 使用権設定土地 |
第十四条、第十六条第一項 及び第六項 並びに第十七条第一項 | 特定所有者不明土地所有者等 | 使用権設定土地所有者等 |
第十五条 | は、土地使用権等を取得し | が有する土地等使用権の存続期間は、延長され |
第十五条、第十六条第三項 及び第十七条第一項 | 特定所有者不明土地等 | 使用権設定土地等 |
第十六条第三項 | 土地使用権等の取得 | 土地等使用権の存続期間の延長 |
(土地等使用権の取得に係る当該補償金の額にあっては、当該相当の額から | から | |
額) | 額 |
使用権者は、国土交通省令で定めるところにより、使用権設定土地の区域内に、当該使用権設定土地が地域福利増進事業の用に供されている旨を表示した標識を設けなければならない。
ただし、当該区域内に設けることが困難であるときは、事業区域内の見やすい場所にこれを設けることができる。
何人も、前項の規定により設けられた標識を使用権者の承諾を得ないで移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくは損壊してはならない。
相続人、合併 又は分割により設立される法人 その他の使用権者の一般承継人(分割による承継の場合にあっては、当該使用権者が実施する事業の全部を承継する法人に限る。)は、当該使用権者が有していた第十三条第一項の裁定(第十九条第三項の裁定を含む。以下この款において単に「裁定」という。)に基づく地位を承継する。
使用権者は、土地使用権等の全部 又は一部を譲り渡そうとするときは、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の承認を受けなければならない。
この場合において、当該使用権者は、土地使用権等の全部を譲り渡そうとするときはその実施する事業の全部を、土地使用権等の一部を譲り渡そうとするときはその実施する事業のうち当該土地使用権等の一部に対応する部分を併せて譲り渡さなければならない。
都道府県知事は、前項の承認をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
第一項の承認に係る土地使用権等の全部 又は一部を譲り受けた者は、使用権者が有していた裁定に基づく地位を承継する。
都道府県知事は、使用権者が次の各号のいずれかに該当するときは、裁定(前条第一項の承認を含む。以下この条において同じ。)を取り消すことができる。
この法律 又はこの法律に基づく命令の規定に違反したとき。
実施する事業が第十一条第一項各号(第二号を除き、第十九条第二項において準用する場合を含む。)に掲げる要件のいずれかに該当しないこととなったとき。
正当な理由なく裁定申請(第十九条第一項の規定による裁定の申請を含む。)に係る事業計画に従って事業を実施していないと認められるとき。
都道府県知事は、前項の規定により裁定を取り消したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
裁定は、前項の規定による公告があった日以後 その効力を失う。
使用権者は、土地等使用権の存続期間が満了したとき、土地使用権等の始期後に第十八条(第十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により裁定が失効したとき 又は前条第一項の規定により裁定が取り消されたときは、使用権設定土地を原状に回復し、これを返還しなければならない。
ただし、当該使用権設定土地を原状に回復しないことについてその確知所有者の全ての同意が得られたときは、この限りでない。
都道府県知事は、前条の規定に違反した者に対し、相当の期限を定めて、使用権設定土地を原状に回復することを命ずることができる。
都道府県知事は、前項の規定により使用権設定土地の原状回復を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復を命ずべき者を確知することができず、かつ、その違反を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、その者の負担において、当該原状回復を自ら行い、又はその命じた者 若しくは委任した者に行わせることができる。
この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復を行うべき旨 及びその期限までに当該原状回復を行わないときは、都道府県知事 又はその命じた者 若しくは委任した者が当該原状回復を行うべき旨を、あらかじめ、公告しなければならない。
前項の規定により使用権設定土地の原状回復を行おうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
都道府県知事は、この款の規定の施行に必要な限度において、使用権者(裁定申請をしている事業者でまだ土地使用権等を取得していないもの 及び使用権者であった者を含む。以下この項において同じ。)に対し、その事業に関し報告をさせ、又はその職員に、使用権者の事務所、使用権設定土地 その他の場所に立ち入り、その事業の状況 若しくは事業に係る施設、帳簿、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
第十三条第六項 及び第七項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。