遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。
遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。
遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人 又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。
前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。
遺言者は、遺言で、一人 又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。
遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。
遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なく その旨を相続人に通知しなければならない。
遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。
遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。
相続人 その他の利害関係人は、遺言執行者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就職を承諾するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。
この場合において、遺言執行者が、その期間内に相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなす。
未成年者 及び破産者は、遺言執行者となることができない。
遺言執行者がないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、これを選任することができる。
遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。
遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会いをもって相続財産の目録を作成し、又は公証人にこれを作成させなければならない。
遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理 その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。
第六百四十四条、第六百四十五条から第六百四十七条まで 及び第六百五十条の規定は、遺言執行者について準用する。
遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分 その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
前項の規定に違反してした行為は、無効とする。
ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
前二項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が相続財産についてその権利を行使することを妨げない。
前三条の規定は、遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ適用する。
遺産の分割の方法の指定として遺産に属する特定の財産を共同相続人の一人 又は数人に承継させる旨の遺言(以下「特定財産承継遺言」という。)があったときは、遺言執行者は、当該共同相続人が第八百九十九条の二第一項に規定する対抗要件を備えるために必要な行為をすることができる。
前項の財産が預貯金債権である場合には、遺言執行者は、同項に規定する行為のほか、その預金 又は貯金の払戻しの請求 及びその預金 又は貯金に係る契約の解約の申入れをすることができる。
ただし、解約の申入れについては、その預貯金債権の全部が特定財産承継遺言の目的である場合に限る。
前二項の規定にかかわらず、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生ずる。
遺言執行者は、自己の責任で第三者にその任務を行わせることができる。
ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
前項本文の場合において、第三者に任務を行わせることについてやむを得ない事由があるときは、遺言執行者は、相続人に対してその選任 及び監督についての責任のみを負う。
遺言執行者が数人ある場合には、その任務の執行は、過半数で決する。
ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
各遺言執行者は、前項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。
家庭裁判所は、相続財産の状況 その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができる。
ただし、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、この限りでない。
第六百四十八条第二項 及び第三項 並びに第六百四十八条の二の規定は、遺言執行者が報酬を受けるべき場合について準用する。
遺言執行者がその任務を怠ったとき その他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。
遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。
第六百五十四条 及び第六百五十五条の規定は、遺言執行者の任務が終了した場合について準用する。
遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。
ただし、これによって遺留分を減ずることができない。