漁船法

# 昭和二十五年法律第百七十八号 #

第二章 漁船の建造調整

分類 法律
カテゴリ   水産業
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号
最終編集日 : 2024年 10月01日 09時15分


1項

農林水産大臣は、漁業調整 その他公益上の見地から漁船の建造を調整する必要があると認めるときは、根拠地の属する都道府県の区域別 又は動力漁船の種類別に漁業(漁場から漁獲物 又はその製品を運搬する事業を含む。第五条第一号において同じ。)に従事する動力漁船の隻数 若しくは合計総トン数の最高限度 又は性能の基準を設定するものとする。

2項

前項の規定により設定された動力漁船の隻数 又は合計総トン数の最高限度は、設定の日から一年を経過したときは、その効力を失う。


ただし同項の規定により更に最高限度を設定することを妨げない。

3項

第一項の場合には、その最高限度 又は基準につき水産政策審議会の意見を聴くことができる。

4項

農林水産大臣は、第一項の隻数 若しくは合計総トン数の最高限度 又は性能の基準を設定し、又は変更したときは、これを告示しなければならない。

1項

船舶製造業者 その他の者に注文して、動力漁船(長さ十メートル未満のものを除く。以下この章において同じ。)を建造し、又は船舶を動力漁船に改造しようとする者は、その動力漁船が第一号 又は第三号に該当する場合にあつては農林水産大臣の許可を受け、その動力漁船が第二号 又は第四号に該当する場合にあつてはその主たる根拠地(改造の場合にあつては、その改造後の主たる根拠地)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。動力漁船以外の船舶を改造しないで動力漁船として転用しようとする者についても、同様とする。

一 号

漁業法昭和二十四年法律第二百六十七号第三十七条に規定する大臣許可漁業 又は同法第百十九条第一項 若しくは第二項 若しくは水産資源保護法昭和二十六年法律第三百十三号第四条第一項の規定に基づく農林水産省令の規定により農林水産大臣の許可 その他の処分を要する漁業に従事する動力漁船

二 号

漁業法第五十八条に規定する知事許可漁業 又は同法第百十九条第一項 若しくは第二項 若しくは水産資源保護法第四条第一項の規定に基づく規則の規定により都道府県知事の許可 その他の処分を要する漁業に従事する動力漁船(前号に掲げるものを除く

三 号

前二号に掲げるもの以外の動力漁船で総トン数二十トン以上のもの

四 号

前三号に掲げるもの以外の動力漁船

2項

前項の場合のほか、動力漁船を建造し、又は船舶を動力漁船に改造しようとする者についても、同項と同様とする。

3項

前二項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項について記載した申請書を農林水産大臣 又は都道府県知事に提出しなければならない。

一 号
申請者の氏名 又は名称 及び住所
二 号

船名(改造 又は転用の場合にあつては改造 又は転用前 及び改造 又は転用後の船名

三 号

漁業種類 又は用途、操業区域 及び主たる根拠地(改造の場合にあつては改造前 及び改造後の漁業種類 又は用途、操業区域 及び主たる根拠地

四 号

計画総トン数(改造の場合にあつては改造前の総トン数 及び改造後の計画総トン数、転用の場合にあつては総トン数

五 号

船舶の長さ、幅 及び深さ(改造の場合にあつては改造前 及び改造後の長さ、幅 及び深さ

六 号
船質
七 号
建造 又は改造を行う造船所の名称 及び所在地
八 号

推進機関の種類 及び馬力数 並びにシリンダの数 及び直径(改造の場合にあつては改造前 及び改造後の推進機関の種類 及び馬力数 並びにシリンダの数 及び直径

九 号
推進機関の製作所の名称 及び所在地
十 号

起工、進水 及びしゆん工、改造工事の着手 及び完成 又は転用の予定期日

十一 号
建造、改造 又は転用に要する費用 及びその調達方法の概要
十二 号
建造、改造 又は転用を必要とする事情
4項

農林水産大臣 又は都道府県知事は、第一項 又は第二項の許可の申請者に、図面、仕様書 その他第一項 又は第二項の許可に関し必要な書類を提出させることができる。

5項

第三項の申請書の提出があつたときは、農林水産大臣 又は都道府県知事は、その申請書を受理した後、第一項 又は第二項の許可に関してした照会中の期間を除いて二箇月以内に、その申請者に対し、許可 又は不許可の通知を発しなければならない。

6項

第一項 又は第二項の許可を受けた者は、その許可に係る建造、改造 又は転用について第三項第三号から第八号までに掲げる事項のいずれかを変更しようとするときは、その変更につき、その許可をした行政庁の許可を受けなければならない。

7項

前項の場合において、その変更により当該建造、改造 又は転用について第一項 又は第二項の許可をすべき行政庁が異なることとなる場合には、前項の規定にかかわらず、新たに第一項 又は第二項の規定による許可を受けなければならない。

8項

前項の場合には、第四項 及び第五項の規定を準用する。

9項

第一項 又は第二項の許可を受けた者は、その許可に係る建造、改造 又は転用について第三項第一号第二号 及び第九号から第十一号までに掲げる事項のいずれかに変更を生じたときは、遅滞なく その旨をその許可をした行政庁に報告しなければならない。

1項

農林水産大臣 又は都道府県知事は、次の各号いずれかに該当する場合を除き前条第一項第二項 又は第六項許可をしなければならない。

一 号

第三条第一項の規定による隻数 又は合計総トン数の最高限度の定めがある場合において、その申請に係る前条第一項第二項 又は第六項の許可をすることによつてその漁業に従事する動力漁船の隻数 又は合計総トン数がその最高限度を超えることとなるとき。

二 号

第三条第一項の規定による性能の基準の定めがある場合において、その申請に係る動力漁船の性能がその基準に適合しないとき。

三 号

その申請に係る動力漁船の従事する漁業が前条第一項第一号 又は第二号に掲げる漁業に該当する場合において、その漁業につき起業の認可を受けていること その他その漁業に必要な許可 その他の処分の見込みがあると認められるものでないとき。

1項

次の各号いずれかに該当する場合には、第四条第一項 又は第二項の許可は、その効力を失う。

一 号

その許可が建造に係る場合にあつては、その許可の日から一年以内しゆん工しないとき。

二 号

その許可が改造に係る場合にあつては、その許可の日から六箇月以内にその改造の工事が完成しないとき。

三 号

その許可が転用に係る場合にあつては、その許可の日から二箇月以内に転用による使用を開始しないとき。

四 号

第四条第七項の場合において、新たに同条第一項 又は第二項の規定による許可があつたとき。

五 号

その許可に係る動力漁船の従事する漁業が、第四条第一項第一号 又は第二号に掲げる漁業に該当する場合において、その漁業につき起業の認可が失効し、若しくは取り消され、又は許可 その他の処分が取り消されたとき。

2項

農林水産大臣 又は都道府県知事は、やむを得ない理由があると認めるときは、第四条第一項 又は第二項の許可を受けた者の申請により、前項第一号から第三号までの期間を延長することができる。

1項

農林水産大臣 又は都道府県知事は、第四条第一項 又は第二項の許可を受けた者が同条第六項の規定に違反したときは、その許可を取り消すことができる。

2項

前項の規定による許可の取消しに係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

1項

第四条の規定により建造 又は改造の許可を受けた者は、その許可に係る動力漁船がしゆん工し、又は改造工事が完成したときは、当該漁船につき、同条第三項第三号から第八号までに掲げる事項に係る許可の要件 及び性能の基準と一致しているかどうかについて、農林水産省令 又は都道府県規則の定めるところにより、農林水産大臣 又は都道府県知事の認定を受けなければならない。


ただし、計画総トン数五トン未満の動力漁船については、この限りでない。

1項

農林水産大臣 又は都道府県知事は、その指定する者(以下「指定認定機関」という。)に、前条の規定による認定(以下「認定」という。)の全部 又は一部を行わせることができる。

2項

農林水産大臣 又は都道府県知事は、前項の規定により指定認定機関に認定の業務の全部 又は一部を行わせることとしたときは、当該認定の業務の全部 又は一部を行わないものとする。