漁船法
第一章 総則
この法律において「漁船」とは、左の各号の一に該当する日本船舶をいう。
この法律において「動力漁船」とは、推進機関を備える漁船をいう。
この法律において「改造」とは、船舶の長さ、幅 若しくは深さを変更し、推進機関をあらたに据えつけ、若しくはその種類 若しくはその出力を変更し、又は船舶の用途 若しくは従事する漁業の種類を変更するために船舶の構造 若しくは設備に変更を加えることをいう。
第二章 漁船の建造調整
農林水産大臣は、漁業調整 その他公益上の見地から漁船の建造を調整する必要があると認めるときは、根拠地の属する都道府県の区域別 又は動力漁船の種類別に漁業(漁場から漁獲物 又はその製品を運搬する事業を含む。第五条第一号において同じ。)に従事する動力漁船の隻数 若しくは合計総トン数の最高限度 又は性能の基準を設定するものとする。
前項の規定により設定された動力漁船の隻数 又は合計総トン数の最高限度は、設定の日から一年を経過したときは、その効力を失う。
ただし、同項の規定により更に最高限度を設定することを妨げない。
第一項の場合には、その最高限度 又は基準につき水産政策審議会の意見を聴くことができる。
農林水産大臣は、第一項の隻数 若しくは合計総トン数の最高限度 又は性能の基準を設定し、又は変更したときは、これを告示しなければならない。
船舶製造業者 その他の者に注文して、動力漁船(長さ十メートル未満のものを除く。以下この章において同じ。)を建造し、又は船舶を動力漁船に改造しようとする者は、その動力漁船が第一号 又は第三号に該当する場合にあつては農林水産大臣の許可を受け、その動力漁船が第二号 又は第四号に該当する場合にあつてはその主たる根拠地(改造の場合にあつては、その改造後の主たる根拠地)を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。動力漁船以外の船舶を改造しないで動力漁船として転用しようとする者についても、同様とする。
漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第三十七条に規定する大臣許可漁業 又は同法第百十九条第一項 若しくは第二項 若しくは水産資源保護法(昭和二十六年法律第三百十三号)第四条第一項の規定に基づく農林水産省令の規定により農林水産大臣の許可 その他の処分を要する漁業に従事する動力漁船
漁業法第五十八条に規定する知事許可漁業 又は同法第百十九条第一項 若しくは第二項 若しくは水産資源保護法第四条第一項の規定に基づく規則の規定により都道府県知事の許可 その他の処分を要する漁業に従事する動力漁船(前号に掲げるものを除く。)
前二号に掲げるもの以外の動力漁船で総トン数二十トン以上のもの
前三号に掲げるもの以外の動力漁船
前項の場合のほか、動力漁船を建造し、又は船舶を動力漁船に改造しようとする者についても、同項と同様とする。
前二項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項について記載した申請書を農林水産大臣 又は都道府県知事に提出しなければならない。
船名(改造 又は転用の場合にあつては改造 又は転用前 及び改造 又は転用後の船名)
漁業種類 又は用途、操業区域 及び主たる根拠地(改造の場合にあつては改造前 及び改造後の漁業種類 又は用途、操業区域 及び主たる根拠地)
計画総トン数(改造の場合にあつては改造前の総トン数 及び改造後の計画総トン数、転用の場合にあつては総トン数)
船舶の長さ、幅 及び深さ(改造の場合にあつては改造前 及び改造後の長さ、幅 及び深さ)
推進機関の種類 及び馬力数 並びにシリンダの数 及び直径(改造の場合にあつては改造前 及び改造後の推進機関の種類 及び馬力数 並びにシリンダの数 及び直径)
起工、進水 及びしゆん工、改造工事の着手 及び完成 又は転用の予定期日
農林水産大臣 又は都道府県知事は、第一項 又は第二項の許可の申請者に、図面、仕様書 その他第一項 又は第二項の許可に関し必要な書類を提出させることができる。
第三項の申請書の提出があつたときは、農林水産大臣 又は都道府県知事は、その申請書を受理した後、第一項 又は第二項の許可に関してした照会中の期間を除いて二箇月以内に、その申請者に対し、許可 又は不許可の通知を発しなければならない。
第一項 又は第二項の許可を受けた者は、その許可に係る建造、改造 又は転用について第三項第三号から第八号までに掲げる事項のいずれかを変更しようとするときは、その変更につき、その許可をした行政庁の許可を受けなければならない。
前項の場合において、その変更により当該建造、改造 又は転用について第一項 又は第二項の許可をすべき行政庁が異なることとなる場合には、前項の規定にかかわらず、新たに第一項 又は第二項の規定による許可を受けなければならない。
前項の場合には、第四項 及び第五項の規定を準用する。
第一項 又は第二項の許可を受けた者は、その許可に係る建造、改造 又は転用について第三項第一号、第二号 及び第九号から第十一号までに掲げる事項のいずれかに変更を生じたときは、遅滞なく その旨をその許可をした行政庁に報告しなければならない。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、前条第一項、第二項 又は第六項の許可をしなければならない。
第三条第一項の規定による隻数 又は合計総トン数の最高限度の定めがある場合において、その申請に係る前条第一項、第二項 又は第六項の許可をすることによつてその漁業に従事する動力漁船の隻数 又は合計総トン数がその最高限度を超えることとなるとき。
第三条第一項の規定による性能の基準の定めがある場合において、その申請に係る動力漁船の性能がその基準に適合しないとき。
その申請に係る動力漁船の従事する漁業が前条第一項第一号 又は第二号に掲げる漁業に該当する場合において、その漁業につき起業の認可を受けていること その他その漁業に必要な許可 その他の処分の見込みがあると認められるものでないとき。
次の各号のいずれかに該当する場合には、第四条第一項 又は第二項の許可は、その効力を失う。
その許可が建造に係る場合にあつては、その許可の日から一年以内にしゆん工しないとき。
その許可が改造に係る場合にあつては、その許可の日から六箇月以内にその改造の工事が完成しないとき。
その許可が転用に係る場合にあつては、その許可の日から二箇月以内に転用による使用を開始しないとき。
第四条第七項の場合において、新たに同条第一項 又は第二項の規定による許可があつたとき。
その許可に係る動力漁船の従事する漁業が、第四条第一項第一号 又は第二号に掲げる漁業に該当する場合において、その漁業につき起業の認可が失効し、若しくは取り消され、又は許可 その他の処分が取り消されたとき。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、やむを得ない理由があると認めるときは、第四条第一項 又は第二項の許可を受けた者の申請により、前項第一号から第三号までの期間を延長することができる。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、第四条第一項 又は第二項の許可を受けた者が同条第六項の規定に違反したときは、その許可を取り消すことができる。
前項の規定による許可の取消しに係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
第四条の規定により建造 又は改造の許可を受けた者は、その許可に係る動力漁船がしゆん工し、又は改造工事が完成したときは、当該漁船につき、同条第三項第三号から第八号までに掲げる事項に係る許可の要件 及び性能の基準と一致しているかどうかについて、農林水産省令 又は都道府県規則の定めるところにより、農林水産大臣 又は都道府県知事の認定を受けなければならない。
ただし、計画総トン数五トン未満の動力漁船については、この限りでない。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、その指定する者(以下「指定認定機関」という。)に、前条の規定による認定(以下「認定」という。)の全部 又は一部を行わせることができる。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、前項の規定により指定認定機関に認定の業務の全部 又は一部を行わせることとしたときは、当該認定の業務の全部 又は一部を行わないものとする。
第三章 漁船の登録
漁船(総トン数一トン未満の無動力漁船を除く。)は、その所有者がその主たる根拠地を管轄する都道府県知事の備える漁船原簿に登録を受けたものでなければ、これを漁船として使用してはならない。
前項の登録を受けようとする者は、次に掲げる事項について記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
都道府県知事は、前項の申請者に第四条第一項 又は第二項の許可(同条第六項の変更の許可を含む。)を証する書面 その他登録に関し必要な書類を提出させることができる。
都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、前条第一項の登録をしなければならない。
その申請に係る漁船について第四条第一項、第二項 又は第六項の規定により許可を受けなければならない場合において、その許可がないとき、又は許可の要件に違反しているとき。
その申請に係る漁船の従事する漁業が第五条第三号の漁業に該当する場合において、その漁業につき、起業の認可 又は許可 その他の処分がないとき。
その申請に係る漁船が第八条の規定により認定を要する動力漁船である場合において、その認定がないとき。
その申請に係る漁船が第十九条第三号の規定によつて登録の取消しを受けたものであるとき。
都道府県知事は、第十条第一項の登録をしたときは、申請者に登録票を交付しなければならない。
前項の規定により登録票の交付を受けた者がその漁船の使用者でないときは、その交付を受けた者は、遅滞なく登録票をその漁船の使用者に交付しなければならない。
都道府県知事は、登録を受けた漁船の所有者がその登録票を亡失し、又はき損したために理由を付して登録票の再交付を申請したときは、申請者に登録票を交付しなければならない。
前条第一項 又は第十七条第三項の規定により登録票の交付を受けた者は、その交付の日から五年を経過したときは、農林水産省令の定めるところにより、その登録をした漁船 及び登録票につき当該都道府県知事の検認を受けなければならない。
検認の日から五年を経過したときもまた同様とする。
都道府県知事は、その指定する者(以下「指定検認機関」という。)に、前条の規定による検認(以下「検認」という。)の全部 又は一部を行わせることができる。
都道府県知事は、前項の規定により指定検認機関に検認の業務の全部 又は一部を行わせることとしたときは、当該検認の業務の全部 又は一部を行わないものとする。
漁船の使用者は、漁船を運航し、又は操業する場合には、漁船の船内に第十二条の登録票を備え付けておかなければならない。
ただし、農林水産省令で定める正当な理由がある場合は、この限りでない。
漁船の所有者は、第十二条第一項の規定により登録票の交付を受けたときは、同条第二項の場合を除き、遅滞なく登録票に記載された登録番号を当該漁船に表示しなければならない。
同項の規定により登録票の交付を受けた漁船の使用者についても同様とする。
第十条第一項の登録を受けた漁船の所有者は、その漁船について同条第二項第一号から第四号まで 及び第八号から第十二号までに掲げる事項について変更が生じたときは、その変更の生じた日(第二項の場合にあつては同項の通知を受けた日)から二週間以内に、その変更の理由を付してその登録をした都道府県知事に対し変更の登録を申請しなければならない。
第十条第一項の登録を受けた漁船の所有者がその漁船の使用者でない場合において、その漁船について同条第二項第八号から第十二号までに掲げる事項に変更を生じたときは、その使用者は、遅滞なく その旨を所有者に通知しなければならない。
都道府県知事は、第一項の申請があつたときは、第十一条各号の場合を除き、漁船原簿に変更の登録をするとともに、登録票を書き換えて交付しなければならない。
登録を受けた漁船が滅失し、沈没し、又は解てつされたとき。
登録を受けた漁船の存否が三箇月間不明になったとき。
登録を受けた漁船の所有者が死亡し、解散し、又は分割(当該漁船を承継させるものに限る。)をしたとき。
前項第六号の場合において、相続人、合併により設立した法人 若しくは合併後存続する法人 又は分割により登録を受けた漁船を承継した法人が、死亡、解散 又は分割の日から一箇月以内に第十条の規定により登録を申請したときは、これに対する登録に関する処分があるまでは、被相続人、合併により解散した法人 又は分割をした法人についてした登録 及びこれらの者に交付した登録票は、その効力を有し、かつ、その登録 又は登録票は、その申請人についてし、又は交付したものとみなす。
都道府県知事は、第十条第一項の登録を受けた漁船が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消すことができる。
この場合には、第七条第二項の規定を準用する。
第四条の規定に違反して改造されたとき。
第十三条の規定に違反して検認を受けないとき。
次に掲げる場合には、漁船の所有者は、遅滞なく、その登録をした都道府県知事に登録票を返納しなければならない。
ただし、登録票を返納することができない正当な理由がある場合において、その理由を付してその旨をその都道府県知事に届け出たときは、その返納をすることを要しない。
第十八条の規定により登録がその効力を失つたとき。
前条の規定により登録が取り消されたとき。
前項各号の場合において、漁船の所有者が漁船の使用者でないときは、その使用者は、遅滞なく、所有者にその登録票を返還しなければならない。
第一項各号の場合には、漁船の所有者(漁船の所有者がその使用者でない場合にあつては、その使用者)は、遅滞なく、第十六条の規定によりその漁船に表示された登録番号を抹消しなければならない。
漁船については、船舶法(明治三十二年法律第四十六号)第二十一条の規定に基づく命令(船舶の総トン数の測度 及び船名の標示に関する部分を除く。)を適用しない。
第四章 漁船に関する検査
農林水産大臣は、漁船の所有者(第四条第一項 又は第二項の許可を受けた者を含む。)から、その漁船について次に掲げる事項に関する検査を依頼されたときは、設計 及び工事の期間中の農林水産省令で定める時 並びにしゆん工 又は改造工事完成の時において、検査を行わなければならない。
農林水産省令で定める場合は、前項の規定にかかわらず、設計 及び工事の期間中の検査を省略することができる。
第一項の検査においては、その設計、材料、工事 及び性能が農林水産省令で定める技術基準に適合しているかどうかを検査するものとする。
農林水産大臣は、前項の技術基準を定めるには、水産政策審議会の意見を聴くことができる。
農林水産大臣は、前条第一項のしゆん工 若しくは改造工事完成の時における検査 又は同条第一項に掲げるすべての事項についての検査の結果、同条第三項の技術基準に適合すると認める場合は、その検査に合格したことを証する検査合格証を、その技術基準に適合しないと認める場合は、改善を要すべき事項を記載した検査成績書を申請者に交付しなければならない。
第五章 漁船に関する試験
何人でも、漁船 又は漁船用機関、漁船用機械 その他の漁船用施設(以下この章において「漁船等」という。)に関する設計 又は試験を農林水産大臣に依頼することができる。
第六章 指定認定機関及び指定検認機関
第一節 指定認定機関
第九条第一項の指定は、農林水産省令で定めるところにより、認定の業務を行おうとする者の申請により行う。
次の各号のいずれかに該当する者は、第九条第一項の指定を受けることができない。
この法律 又はこの法律に基づく処分に違反し、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
第四十四条第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
農林水産大臣 又は都道府県知事は、第九条第一項の指定の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、その指定をしてはならない。
前号に定めるもののほか、認定が不公正になるおそれがないものとして、農林水産省令で定める基準に適合するものであること。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、第九条第一項の指定をしたときは、指定認定機関の名称 及び住所 並びに認定の業務を行う事務所の所在地を公示しなければならない。
指定認定機関は、その名称 若しくは住所 又は認定の業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を農林水産大臣 又は都道府県知事に届け出なければならない。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。
第九条第一項の指定は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
第二十九条から第三十一条までの規定は、前項の指定の更新について準用する。
指定認定機関は、認定を行うときは、第三十一条第一号に規定する者に認定を実施させなければならない。
指定認定機関は、認定を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、認定を行わなければならない。
指定認定機関は、認定を行つたときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣 又は都道府県知事に報告しなければならない。
指定認定機関は、認定の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、農林水産大臣 又は都道府県知事の認可を受けなければならない。
これを変更しようとするときも、同様とする。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、第一項の認可をした業務規程が認定の公正な実施上不適当となつたと認めるときは、その業務規程を変更すべきことを命ずることができる。
指定認定機関は、農林水産省令で定めるところにより、帳簿を備え、認定に関し農林水産省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
指定認定機関は、認定の適正な実施のため必要な事項について、農林水産大臣 又は都道府県知事に照会することができる。
この場合において、農林水産大臣 又は都道府県知事は、当該照会をした者に対して、照会に係る事項の通知 その他必要な措置を講ずるものとする。
指定認定機関は、認定の業務の全部 又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を農林水産大臣 又は都道府県知事に届け出なければならない。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、第三十一条第一号に規定する者がこの法律 若しくはこの法律に基づく命令の規定 又は業務規程に違反したときは、その指定認定機関に対し、同号に規定する者を解任すべきことを命ずることができる。
認定の業務に従事する指定認定機関の役員 又は職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、指定認定機関が第三十一条第一号から第四号までに適合しなくなつたと認めるときは、その指定認定機関に対し、これらの規定に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、指定認定機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて認定の業務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。
この節の規定に違反したとき。
第三十条第一号 又は第三号に該当するに至つたとき。
第三十七条第一項の認可を受けた業務規程によらないで認定を行つたとき。
第三十七条第三項、第四十一条 又は前条の規定による命令に違反したとき。
不正の手段により第九条第一項の指定を受けたとき。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、前項の規定により指定を取り消し、又は認定の業務の全部 若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、指定認定機関から第四十条第一項の規定による認定の業務の全部 若しくは一部の休止の届出があつたとき、前条第一項の規定により指定認定機関に対し認定の業務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定認定機関が天災 その他の事由により認定の業務の全部 若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該認定の業務の全部 又は一部を自ら行うものとする。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、前項の規定により認定の業務を行うこととし、又は同項の規定により行つている認定の業務を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。
農林水産大臣 又は都道府県知事が第一項の規定により認定の業務の全部 若しくは一部を自ら行う場合、指定認定機関から第四十条第一項の規定による認定の業務の全部 若しくは一部の廃止の届出があつた場合 又は前条第一項の規定により指定認定機関の指定を取り消した場合における認定の業務の引継ぎ その他の必要な事項は、農林水産省令で定める。
第二節 指定検認機関
第十四条第一項の指定は、農林水産省令で定めるところにより、検認の業務を行おうとする者の申請により行う。
第三十条から第三十八条まで 及び第四十条から第四十五条までの規定は、指定検認機関について準用する。
この場合において、
第三十条、第三十一条、第三十二条第一項、第三十三条第一項 及び第四十四条第一項第五号中
「第九条第一項」とあるのは
「第十四条第一項」と、
第三十一条、第三十二条、第三十六条、第三十七条第一項 及び第三項、第四十条、第四十一条 並びに第四十三条から第四十五条までの規定中
「農林水産大臣 又は都道府県知事」とあるのは
「都道府県知事」と、
第三十一条各号、第三十二条第一項 及び第二項、第三十四条から第三十六条まで、第三十七条第一項 及び第三項、第三十八条、第四十条第一項、第四十二条、第四十四条 並びに第四十五条中
「認定」とあるのは
「検認」と
読み替えるものとする。
第七章 雑則
この法律 又はこの法律に基づく命令の規定による処分 又はその不作為についての審査請求に対する裁決は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十四条の規定により当該審査請求を却下する場合を除き、審査請求人に対し、同法第十一条第二項に規定する審理員が公開による意見の聴取をした後にしなければならない。
この場合において、意見の聴取に際しては、審査請求人は、当該事案について意見を述べ、かつ、証拠を提出することができる。
前項に規定する審査請求については、行政不服審査法第三十一条の規定は適用せず、同項の意見の聴取については、同条第二項から第五項までの規定を準用する。
第八条の規定による工事完成後の認定に関する処分 又はその不作為については、審査請求をすることができない。
この法律の規定による指定認定機関 又は指定検認機関の処分 又はその不作為について不服がある者は、当該指定認定機関 又は指定検認機関を指定した農林水産大臣 又は都道府県知事に対し、審査請求をすることができる。
この場合において、農林水産大臣 又は都道府県知事は、行政不服審査法第二十五条第二項 及び第三項、第四十六条第一項 及び第二項、第四十七条 並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定認定機関 又は指定検認機関の上級行政庁とみなす。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、漁船の所有者 若しくは管理者の事務所、漁船の建造 若しくは改造の工事の場所、漁船用機関、漁船用機械 その他の漁船用施設の製作の場所 又は漁船(第四条第一項 若しくは第二項の許可に係る建造 若しくは改造中の船舶 又はその許可の申請に係る改造 若しくは転用前の船舶を含む。以下この条において同じ。)に立ち入り、漁船 若しくは漁船用機関、漁船用機械 その他の漁船用施設 又は登録票 その他の書類(その作成 又は備付けに代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成 又は備付けがされている場合における当該電磁的記録を含む。)を検査させることができる。
前三項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを示さなければならない。
第一項から第三項までの立入検査は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
水産政策審議会は、第三条第三項の規定によりその権限に属させられた事項を処理するために必要があると認めるときは、漁業者、漁業従事者 その他関係者に対し出頭を求め、若しくは必要な報告を求め、又はその委員 若しくはその事務に従事する者に漁場、漁船、事業場 若しくは事務所について所要の調査をさせることができる。
第二十五条第一項の規定により検査を受けようとする者は、検査に要する費用の範囲内において農林水産省令で定める額の手数料を納めなければならない。
都道府県は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百二十七条の規定に基づき認定 又は検認に係る手数料を徴収する場合においては、第九条第一項の規定により指定認定機関が行う認定 又は第十四条第一項の規定により指定検認機関が行う検認を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料を当該指定認定機関 又は当該指定検認機関へ納めさせ、その収入とすることができる。
第八章 罰則
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。
第四条第一項、第二項 若しくは第六項 又は第十条第一項の規定に違反した者
第四十二条第一項(第四十七条において準用する場合を含む。)の規定に違反してその職務に関して知り得た秘密を漏らした者
第四十四条第一項(第四十七条において準用する場合を含む。)の規定による業務の停止の命令に違反した場合には、その違反行為をした指定認定機関 又は指定検認機関の役員 又は職員は、一年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
第十五条、第十六条、第十七条第一項 若しくは第二項 又は第二十条の規定に違反した者
第五十条第一項の規定による当該職員の立入り 又は検査を拒み、妨げ 又は忌避した者
次の各号のいずれかに掲げる違反があつた場合には、その違反行為をした指定認定機関 又は指定検認機関の役員 又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
第三十八条(第四十七条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定に違反して第三十八条に規定する事項を記載せず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
第四十条第一項(第四十七条において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
第四十九条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
第五十条第二項 又は第三項の規定による当該職員の立入り 又は検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関して第五十三条第一号 又は第五十五条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対し各本条の罰金刑を科する。