この規則は、個人の生命 及び身体の保護を図るために行う行方不明者の発見のための活動、発見時の措置等(以下「行方不明者発見活動」という。)に関し必要な事項を定めることを目的とする。
行方不明者発見活動に関する規則
制定に関する表明
警察法施行令(昭和二十九年政令第百五十一号)第十三条第一項の規定に基づき、行方不明者発見活動に関する規則を次のように定める。
第一章 総則
この規則において「行方不明者」とは、生活の本拠を離れ、その行方が明らかでない者であって、第六条第一項の規定により届出がなされたものをいう。
この規則において「特異行方不明者」とは、行方不明者のうち、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
殺人、誘拐等の犯罪により、その生命 又は身体に危険が生じているおそれがある者
少年の福祉を害する犯罪の被害にあうおそれがある者
行方不明となる直前の行動 その他の事情に照らして、水難、交通事故その他の生命にかかわる事故に遭遇しているおそれがある者
遺書があること、平素の言動 その他の事情に照らして、自殺のおそれがある者
精神障害の状態にあること、危険物を携帯していること その他の事情に照らして、自身を傷つけ 又は他人に害を及ぼすおそれがある者
病人、高齢者、年少者その他の者であって、自救能力がないことにより、その生命 又は身体に危険が生じるおそれがあるもの
行方不明者発見活動を行うに際しては、次に掲げる事項を基本とするものとする。
行方不明者の生命 及び身体の保護を図るため、迅速かつ的確に対応すること。
行方不明となった原因が犯罪被害によるものである可能性を考慮し、事案に応じ、必要な捜査を行うこと。
行方不明者 その他関係者の名誉 及び生活の平穏を害することがないよう配慮すること。
関係都道府県警察 及び警察の各部門が緊密に連携することにより、警察の組織的機能を十分に発揮すること。
警視総監、道府県警察本部長 及び方面本部長(以下「警察本部長」という。)は、行方不明者発見活動の全般の指揮監督に当たるとともに、警察職員に対する指導教養の徹底等を図り、もって行方不明者発見活動を効果的に運営する責に任ずるものとする。
警察署長は、所属の警察職員を指揮監督し、これを相互に連携させるなどにより行方不明者発見活動の適切な実施を確保するものとする。
警察署長が指揮すべき事項、指揮の方法、事案指揮簿の様式 その他指揮に関し必要な事項は、警察本部長(方面本部長を除く。)の定めるところによる。
第二章 行方不明者届の受理等
行方不明者が行方不明となった時におけるその住所 又は居所を管轄する警察署長は、次に掲げる者から行方不明者に係る届出(以下「行方不明者届」という。)を受理するものとする。
行方不明者の親権を行う者 又は後見人(後見人が法人の場合においては、当該法人の代表者 その他当該法人において行方不明者の後見の事務に従事する者)
行方不明者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。) その他の親族
福祉事務所(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所をいう。)の職員 その他の行方不明者の福祉に関する事務に従事する者
前各号に掲げる者のほか、行方不明者の同居者、雇主 その他の当該行方不明者と社会生活において密接な関係を有する者
行方不明者が行方不明となった場所 又は行方不明者届をしようとする者の住所 若しくは居所を管轄する警察署長は、行方不明者届をしようとする者が遠隔の地に居住していること その他の事情により前項の警察署長に対し行方不明者届をすることが困難であると認めるときは、前項各号に掲げる者から行方不明者届を受理することができる。
行方不明者届は、別記様式の行方不明者届出書により受理するものとする。
警察署長は、行方不明者届を受理したときは、当該行方不明者届をした者(以下「届出人」という。)から次に掲げる事項について聴取するとともに、行方不明者を撮影した写真 その他の行方不明者発見活動を適切に実施するために必要と認められる資料の提出を求めるものとする。
行方不明者の氏名、住所、年齢、性別、身体の特徴 その他の行方不明者の特定に必要な事項
行方不明者が行方不明となった日時、場所 及びその状況
行方不明となった原因、動機 その他の特異行方不明者に該当するかどうかの判定に必要な事項
行方不明者の発見時の措置に関する届出人の意思
前各号に掲げるもののほか、行方不明者発見活動に必要な事項
警察署長は、行方不明者届を受理したときは、届出人に対して、行方不明者が発見された場合に警察がとり得る措置 その他の警察が行う行方不明者発見活動の内容について説明するものとする。
警察署長は、行方不明者届を受理したときは、行方不明者届受理票(以下「受理票」という。)を作成しなければならない。
警察署長は、行方不明者届を受理したときは、速やかに、行方不明者の氏名、住所 その他警察庁長官が定める事項を、警視庁、道府県警察本部 又は方面本部(以下「警察本部」という。)の行方不明者発見活動を主管する課の長(以下「行方不明者発見活動主管課長」という。)を通じて、警察本部長に報告しなければならない。
行方不明者発見活動主管課長は、前項の規定により報告を受けたときは、速やかに、当該事項を警察庁生活安全局人身安全・少年課長(以下「警察庁人身安全・少年課長」という。)に報告しなければならない。
警察庁人身安全・少年課長は、前項の規定により報告を受けたときは、当該事項に係る記録を整理し、及び保管しなければならない。
警察署長は、第一項に規定する事項に変更があったときは、その旨を行方不明者発見活動主管課長を通じて、警察本部長に報告しなければならない。
第二項 及び第三項の規定は、前項の規定により変更の報告があった場合について準用する。
第六条第二項の規定により行方不明者届を受理した警察署長は、自ら行方不明者発見活動を行うことが適当でないと認めるときは、前条第一項の規定により報告した後速やかに、当該行方不明者届に係る事案を当該行方不明者が行方不明となった時におけるその住所 又は居所を管轄する警察署長に引き継がなければならない。
前項の規定による引継ぎは、行方不明者届引継書により行わなければならない。
警察署長は、第一項の規定により引継ぎをする場合においては、あらかじめ警察本部長に報告した後、直接に、又は警察本部長を通じてこれを行わなければならない。
第一項の規定により引継ぎをした警察署長は、速やかに、届出人にその旨を通知しなければならない。
行方不明者届を受理した警察署長(前条第一項の規定により引継ぎがあった場合にあっては、引継ぎを受けた警察署長。以下「受理署長」という。)は、行方不明者届を受理した後に取得した行方不明者に係る情報について、これを記録するとともに、行方不明者発見活動に積極的に活用するものとする。
受理署長は、第七条第一項の規定による聴取の内容、前条の情報 及び第三章の規定による行方不明者の発見のための活動を通じて得られた情報に基づき、行方不明者が特異行方不明者に該当するかどうかを判定するものとする。
受理署長は、前項の規定により行方不明者が特異行方不明者に該当すると判定したとき及び特異行方不明者に該当すると判定した者がその後これに該当しないと判定したときは、速やかに、その旨を警察本部長に報告しなければならない。
第三章 行方不明者の発見のための活動
第一節 一般的な発見活動
警察職員は、警ら、巡回連絡、少年の補導、交通の取締り、捜査 その他の警察活動に際して、行方不明者の発見に配意するものとする。
警察本部の行方不明者発見活動を担当する課(隊 その他課に準ずるものを含む。)の長 又は警察署長は、行方不明者の発見のため必要があると認めるときは、警察本部長(方面本部長を除く。)を通じて、行方不明者照会(警察庁人身安全・少年課長に対して、第八条第三項の規定により保管する記録のうちから必要な記録を検索し、該当する記録に係る情報を提供するよう求めることをいう。)を行うことができる。
警察庁人身安全・少年課長は、前項の規定による行方不明者照会を受けたときは、直ちに第八条第三項の規定により保管する記録を検索し、その結果を回答しなければならない。
受理署長は、行方不明者の発見のために必要であり、かつ、届出人の意思 その他の事情を考慮して適当と認めるときは、行方不明者の氏名、年齢 その他の事項を記載した資料を作成し、警察署の掲示場への掲示、インターネットの利用 その他の適切な方法により公表するものとする。
前項の規定により受理署長が資料を公表する期間は、当該資料に係る行方不明者が発見されたとき 又はその死亡が確認されたときその他資料を公表する必要がなくなったと認めるときを除き、資料を公表した日からおおむね三月間とする。
ただし、受理署長は、必要があると認めるときは、その期間を延長することができる。
受理署長は、届出人 その他関係者から第一項の規定による資料に準じて作成された資料の提供を受けたときは、これを同項に規定する方法により公表することができる。
受理署長は、行方不明者届を受理した日から一月を経過しても当該行方不明者届に係る行方不明者が発見されないときは、受理票の写しを作成し、警察本部の鑑識課長(以下「本部鑑識課長」という。)に送付しなければならない。
警察署長は、警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律(平成二十四年法律第三十四号)第四条第一項の規定による報告 又は死体に関する法令に基づく届出に係る死体であって身元が明らかでないものについて、その死亡者に該当する可能性のある行方不明者届を受理しているかどうか確認し、これを受理していないときは、速やかに、身元不明死体票を作成し、本部鑑識課長に送付しなければならない。
本部鑑識課長は、第十五条 又は第二十条第三項の規定により受理票の写しの送付を受けたときは、速やかに、当該受理票の写しと第三項の規定により保管する身元不明死体票とを対照する方法により調査を行い、当該受理票の写しに係る行方不明者が当該身元不明死体票に係る死亡者に該当したときは、その旨を当該受理票の写し 及び身元不明死体票を送付した警察署長に通知しなければならない。
本部鑑識課長は、前条の規定により身元不明死体票の送付を受けたときは、速やかに、当該身元不明死体票と次項の規定により保管する受理票の写しとを対照する方法により調査を行い、当該身元不明死体票に係る死亡者が当該受理票の写しに係る行方不明者に該当したときは、その旨を当該身元不明死体票 及び受理票の写しを送付した警察署長に通知しなければならない。
本部鑑識課長は、前二項に規定する調査により、受理票の写しに係る行方不明者の死亡が確認されなかったときは、送付を受けた受理票の写し 又は身元不明死体票を整理し、及び保管するとともに、速やかに、その写しを作成し、警察庁刑事局犯罪鑑識官(以下「警察庁犯罪鑑識官」という。)に送付しなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、前条第三項の規定により受理票の写しの送付を受けたときは、速やかに、当該受理票の写しと第四項の規定により保管する身元不明死体票の写しとを対照する方法により調査を行い、当該受理票の写しに係る行方不明者が当該身元不明死体票の写しに係る死亡者に該当したときは、その旨を当該受理票の写し 及び身元不明死体票の写しを送付した本部鑑識課長に通知しなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、前条第三項の規定により身元不明死体票の写しの送付を受けたときは、速やかに、当該身元不明死体票の写しと第四項の規定により保管する受理票の写しとを対照する方法により調査を行い、当該身元不明死体票の写しに係る死亡者が当該受理票の写しに係る行方不明者に該当したときは、その旨を当該身元不明死体票の写し 及び受理票の写しを送付した本部鑑識課長に通知しなければならない。
前二項の規定による通知を受けた本部鑑識課長は、当該通知があった旨を当該受理票の写し 又は身元不明死体票を送付した警察署長に通知しなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、第一項 又は第二項に規定する調査により、受理票の写しに係る行方不明者の死亡が確認されなかったときは、その旨を当該受理票の写し 又は身元不明死体票の写しを送付した本部鑑識課長に通知するとともに、送付を受けた受理票の写し 又は身元不明死体票の写しを整理し、及び保管しなければならない。
前項の規定による通知を受けた本部鑑識課長は、当該通知があった旨を当該受理票の写し 又は身元不明死体票を送付した警察署長に通知しなければならない。
警察職員は、生活の本拠を離れ、その身元が明らかでない者(以下「迷い人」という。)を発見したときは、速やかに、当該迷い人を発見した場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
警察署長は、前項の規定による報告を受けたときは、当該迷い人について、自ら 又は他の警察署長が受理した行方不明者届の有無を確認するよう努めるものとする。
第二節 特異行方不明者の発見活動
受理署長は、特異行方不明者の発見のため、その行方に関する情報の収集 又は必要な探索 若しくは捜査を行うとともに、届出人 その他関係者と適時必要な連絡をとるものとする。
受理署長は、前項に規定する場合において、特異行方不明者の発見のために必要があると認めるときは、関係行政機関 若しくは地方公共団体 又は関係事業者の協力を求めるものとする。
受理署長は、特異行方不明者(第二条第二項第二号に掲げる者を除く。)については、第十五条の規定にかかわらず、第十一条第一項の規定による判定をした後速やかに、受理票の写しを作成し、本部鑑識課長に送付しなければならない。
受理署長は、次に掲げるときは、他の警察署長に対して、特異行方不明者の発見を求める手配(以下「特異行方不明者手配」という。)を行うことができる。
特異行方不明者の立ち回り見込先が判明しているとき。
特異行方不明者の立ち回り見込地域が判明し、かつ、就業が予想される業種等が判明しているとき。
特異行方不明者手配は、特異行方不明者手配書により、前条第一号の立ち回り見込先 又は第二号の立ち回り見込地域を管轄する警察署長に対して行わなければならない。
受理署長は、特異行方不明者手配を行う場合においては、あらかじめ警察本部長に報告した後、直接に、又は警察本部長を通じてこれを行わなければならない。
受理署長は、急を要すると認めるときは、前二項の規定にかかわらず、第一項に規定する警察署長に対して、電話 その他の方法により直接特異行方不明者手配を行うことができる。
この場合においては、特異行方不明者手配を行った後速やかに、前二項の規定による手続を行わなければならない。
警察署長は、特異行方不明者手配を受けたときは、速やかに、次に掲げる特異行方不明者の発見のための活動を行わなければならない。
立ち回り見込先については、特異行方不明者の立ち回りの有無の調査 及び立ち回り見込先の周辺の探索を行うとともに、立ち回り見込先の関係者に対して、特異行方不明者が立ち回った際における連絡の依頼 その他の必要な協力を求めること。
立ち回り見込地域については、特異行方不明者の就業が予想される業種の営業所等に対する必要な調査を行うこと。
特異行方不明者手配の有効期間は、手配をした日から三月を経過する日までとする。
ただし、受理署長は、継続の必要があると認めるときは、三月ごとにその期間を更新することができる。
受理署長は、特異行方不明者について第十八条第五項の規定による通知を受けた場合において、届出人の求めがあり、当該特異行方不明者の発見のため必要かつ相当であると認めるときは、次の各号に掲げる者から、その同意を得て、当該各号に定める資料(以下「特異行方不明者等資料」という。)の提出を受け、警視庁 又は道府県警察本部の科学捜査研究所長(以下「科学捜査研究所長」という。)に当該特異行方不明者等資料を送付することにより、当該資料のDNA型鑑定(DNA型記録取扱規則(平成十七年国家公安委員会規則第十五号)第二条第三号のDNA型鑑定をいう。以下同じ。)を嘱託することができる。
届出人(次号から第四号までに掲げる者を除く。)
当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料であってDNA型鑑定に用いられるもの
当該特異行方不明者の実子
当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料 又は当該実子の身体の組織の一部であってDNA型鑑定に用いられるもの
当該特異行方不明者の実父
当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料 又は当該実父の身体の組織の一部であってDNA型鑑定に用いられるもの
当該特異行方不明者の実母
当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料 又は当該実母の身体の組織の一部であってDNA型鑑定に用いられるもの
前項の規定による嘱託を受けた科学捜査研究所長は、当該嘱託に係る資料のDNA型鑑定を行い、その特定DNA型(DNA型記録取扱規則第二条第二号の特定DNA型をいう。以下同じ。)が判明した場合において、前項に規定する受理署長から第四項の規定による対照をする必要があると認められる旨の通知を受けたときは、当該資料の特定DNA型 その他の警察庁長官が定める事項の記録(以下「特異行方不明者等DNA型記録」という。)を作成し、これを警察庁犯罪鑑識官に電磁的方法により送信しなければならない。
科学捜査研究所長は、前項の規定による送信をしたときは、当該特異行方不明者等DNA型記録を抹消しなければならない。
第二項の規定による送信を受けた警察庁犯罪鑑識官は、速やかに、当該特異行方不明者等DNA型記録に係る特定DNA型と 警察庁犯罪鑑識官の保管する変死者等DNA型記録(DNA型記録取扱規則第二条第九号の変死者等DNA型記録をいう。以下同じ。) 及び死体DNA型記録(死体取扱規則(平成二十五年国家公安委員会規則第四号)第四条第二項に規定する死体DNA型記録をいう。以下同じ。)に係る特定DNA型とを対照し、直ちに、その結果を当該送信をした科学捜査研究所長に通知しなければならない。
前項の規定による通知を受けた科学捜査研究所長は、直ちに、当該通知の内容を第一項に規定する受理署長に通知しなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、前条第二項の規定による特異行方不明者等DNA型記録の送信を受けたときは、行方不明者発見活動に資するため、これを整理保管しなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、特異行方不明者等DNA型記録の保管に当たっては、これに記録された情報の漏えい、滅失 又はき損の防止を図るため必要かつ適切な措置を講じなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、その保管する特異行方不明者等DNA型記録が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該特異行方不明者等DNA型記録を抹消しなければならない。
前条第四項の規定による対照をした場合において、当該特異行方不明者等DNA型記録に係る特定DNA型が警察庁犯罪鑑識官の保管する変死者等DNA型記録 又は死体DNA型記録に係る特定DNA型に該当し、当該特異行方不明者等DNA型記録に係る特異行方不明者が当該変死者等DNA型記録に係る変死者等 又は死体DNA型記録に係る取扱死体(警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律(平成二十四年法律第三十四号)第五条第一項に規定する取扱死体をいう。)であることが判明したとき。
前号に掲げるもののほか、特異行方不明者等DNA型記録を保管する必要がなくなったとき。
第四章 行方不明者の発見時の措置
警察職員は、行方不明者を発見し 又はその死亡を確認したときは、速やかに、当該行方不明者を発見し 又はその死亡を確認した場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
警察署長は、前項の規定により行方不明者を発見した旨の報告を受けたときは、当該行方不明者の生命 又は身体の安全を確認するとともに、当該行方不明者 及び届出人の意思を尊重しつつ、当該行方不明者に対して、届出人 その他関係者に連絡するよう 促すなどの措置をとらなければならない。
警察署長は、第一項の規定により報告を受けたときは、行方不明者発見票を作成しなければならない。
警察署長(受理署長を除く。)は、行方不明者について、第一項の規定による報告を受けたときは、速やかに、受理署長に対して、次に掲げる事項を通知しなければならない。
当該行方不明者を発見し 又はその死亡を確認した日時、場所 及び状況
当該行方不明者に対してとった措置
警察署長(受理署長を除く。)は、前項の規定により通知する場合においては、あらかじめ警察本部長に報告した後、直接に、又は警察本部長を通じてこれを行わなければならない。
受理署長は、行方不明者が発見されたとき 又はその死亡が確認されたときは、速やかに、届出人に対して、発見 又は死亡確認の日時、場所、状況 その他の必要な事項を通知しなければならない。
ただし、当該行方不明者の意思 その他の事情を考慮して適当と認めるときは、通知をしないこと 又は通知をする事項を限ることができる。
前項本文の規定にかかわらず、当該行方不明者が、次の各号のいずれかに掲げる場合に該当すると認めるときは、当該行方不明者の同意がある場合を除き、届出人に対して、前項に規定する通知をしないものとする。
届出人から、ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成十二年法律第八十一号)第二条第一項に規定するつきまとい等 若しくは同条第三項に規定する位置情報無承諾取得等 又は同条第四項に規定するストーカー行為をされていた場合
届出人から、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成十三年法律第三十一号)第一条第一項に規定する配偶者からの暴力又は同法第二十八条の二に規定する関係にある相手からの暴力を受けていた場合
受理署長は、行方不明者が発見されたとき、その死亡が確認されたときその他行方不明者に係る記録の保管の必要がなくなったと認めるときは、速やかに、その旨を行方不明者発見活動主管課長を通じて警察本部長に報告しなければならない。
行方不明者発見活動主管課長は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに、その旨を警察庁人身安全・少年課長に報告しなければならない。
警察庁人身安全・少年課長は、前項の規定による報告を受けたときは、第八条第三項の規定により保管する当該行方不明者の記録を抹消しなければならない。
警察署長は、第十五条、第十六条 又は第二十条第三項の規定により受理票の写し 又は身元不明死体票を送付した後において、当該受理票の写しに係る行方不明者が発見され 又はその死亡が確認されたとき、当該身元不明死体票に係る死亡者の身元が確認されたときその他当該受理票の写し 又は身元不明死体票の保管の必要がなくなったと認めるときは、速やかに、その旨を本部鑑識課長に報告しなければならない。
本部鑑識課長は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに、その旨を警察庁犯罪鑑識官に報告するとともに、第十七条第三項の規定により保管する当該受理票の写し 又は身元不明死体票を廃棄しなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、前項の規定による報告を受けたときは、第十八条第四項の規定により保管する当該受理票の写し 又は身元不明死体票の写しを廃棄しなければならない。
受理署長は、特異行方不明者手配に係る特異行方不明者が発見されたとき、その死亡が確認されたときその他特異行方不明者手配の必要がなくなったと認めるときは、特異行方不明者手配を解除しなければならない。
前項の規定による特異行方不明者手配の解除は、特異行方不明者手配解除通報書により行わなければならない。
受理署長は、第一項の規定により特異行方不明者手配を解除する場合においては、あらかじめ警察本部長に報告した後、直接に、又は警察本部長を通じてこれを行わなければならない。
第五章 雑則
警察署長は、行方不明者届がなされていない場合 又は行方不明者届をしようとする者が第六条第一項各号に掲げる者でない場合であっても、生活の本拠を離れその行方が明らかでない者のうち、第二条第二項各号のいずれかに該当すると認められるもの、他の法令に基づき行方の調査等を求められたものその他特に必要があると認められるものについて、この規則による措置をとることができる。