道路法

# 昭和二十七年法律第百八十号 #

第九節 歩行者利便増進道路

分類 法律
カテゴリ   道路
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十四号による改正
最終編集日 : 2024年 11月08日 20時14分


1項

道路管理者は、道路の構造、車両 及び歩行者の通行 並びに沿道の土地利用の状況 並びにこれらの将来の見通しその他の事情を勘案して、歩行者の安全かつ円滑な通行 及び利便の増進を図り、快適な生活環境の確保 及び地域の活力の創造に資するため、その管理する道路(高速自動車国道 及び自動車専用道路を除く。以下この条において同じ。)のうち、歩行者の滞留の用に供する部分を確保し、及び歩行者利便増進施設等の適正かつ計画的な設置を誘導することが特に必要と認められるものについて、区間を定めて、歩行者利便増進道路として指定することができる。

2項

道路管理者(市町村である道路管理者を除く)は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、当該道路の存する市町村を統括する市町村長に協議しなければならない。


これを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。

3項

指定市以外の市町村は、第一項の規定による指定をしようとするときは、当該市町村の区域内に存する都道府県が管理する道路であつて、当該指定をしようとする道路と歩行者の安全かつ円滑な通行 及び利便の増進を図る上で密接な関連を有するものについて、区間を定めて、歩行者利便増進道路として併せて指定することができる。

4項

指定市以外の市町村は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、当該指定に係る道路を管理する都道府県に協議し、その同意を得なければならない。


これを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。

5項

道路管理者は、第一項 又は第三項の規定による指定をしたときは、その旨を公示しなければならない。


これを変更し、又は廃止したときも、同様とする。

1項

歩行者利便増進道路に係る第三十条第一項 及び第三項に規定する道路の構造の技術的基準は、これにより歩行者利便増進道路における歩行者の安全かつ円滑な通行及び利便の増進が図られるように定められなければならない。

1項

第四十八条の二十第三項の規定により都道府県が管理する道路を歩行者利便増進道路として指定した指定市以外の市町村は、当該歩行者利便増進道路の改築、維持 若しくは修繕 又は当該歩行者利便増進道路に附属する道路の附属物の新設 若しくは改築のうち、歩行者の滞留の用に供する部分を確保するための歩道の拡幅 その他の歩行者の利便の増進に資するものとして政令で定めるもの(第十七条第一項から第四項までの規定により指定市、指定市以外の市 又は町村が行うこととされているものを除く。以下この条において「歩行者利便増進改築等」という。)を都道府県に代わつて行うことが適当であると認められる場合においては、第十二条ただし書、第十三条第一項第十五条並びに第八十五条第一項 及び第二項の規定にかかわらず、都道府県に協議し、その同意を得て、これを行うことができる。

2項

指定市以外の市町村は、前項の規定により歩行者利便増進改築等を行おうとするとき、及び当該歩行者利便増進改築等の全部 又は一部を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

3項

指定市以外の市町村は、第一項の規定により歩行者利便増進改築等を行う場合においては、政令で定めるところにより、当該道路の道路管理者に代わつてその権限を行うものとする。

4項

第一項の場合におけるこの法律の規定の適用についての必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

道路管理者は、利便増進誘導区域において第三十二条第一項 又は第三項の規定による許可の申請を行うことができる者を公募により決定することが、道路占用者の公平な選定を図るとともに、歩行者利便増進道路の歩行者の利便の増進を図る上で特に有効であると認められる歩行者利便増進施設等(以下「公募対象歩行者利便増進施設等」という。)について、道路の占用 及び公募の実施に関する指針(以下「公募占用指針」という。)を定めることができる。

2項

公募占用指針には、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号
公募対象歩行者利便増進施設等の種類
二 号

当該公募対象歩行者利便増進施設等のための道路の占用の場所

三 号

当該公募対象歩行者利便増進施設等のための道路の占用の開始の時期

四 号

道路の機能 又は道路交通環境の維持 及び向上を図るための清掃 その他の措置であつて当該公募対象歩行者利便増進施設等の設置に伴い必要となるもの

五 号

第四十八条の二十六第一項の規定による認定の有効期間

六 号

占用予定者(公募対象歩行者利便増進施設等に係る第三十二条第一項 又は第三項の規定による許可の申請を行うことができる者をいう。以下同じ。)を選定するための評価の基準

七 号

前各号に掲げるもののほか、公募の実施に関する事項 その他必要な事項

3項

前項第二号の場所は、第三十二条第一項 又は第三項の規定による許可の申請を行うことができる者を公募により決定することが歩行者利便増進道路の管理上適切でない場所として国土交通省令で定める場所については定めないものとする。

4項

第二項第五号の有効期間は、二十年を超えないものとする。

5項

道路管理者は、公募占用指針を定め、又はこれを変更しようとする場合においては、あらかじめ、当該公募占用指針に係る歩行者利便増進道路の存する市町村を統括する市町村長(当該歩行者利便増進道路の道路管理者が市町村である場合の当該市町村を統括する市町村長を除く) 及び学識経験者の意見を聴かなければならない。

6項

道路管理者は、公募占用指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公示しなければならない。

1項

歩行者利便増進道路に公募対象歩行者利便増進施設等を設置するため道路を占用しようとする者は、公募対象歩行者利便増進施設等のための道路の占用に関する計画(以下「歩行者利便増進計画」という。)を作成し、第四十八条の二十六第一項の規定によるその歩行者利便増進計画が適当である旨の認定を受けるための選定の手続に参加するため、これを道路管理者に提出することができる。

2項

歩行者利便増進計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 号

第三十二条第二項各号に掲げる事項

二 号

道路の機能 又は道路交通環境の維持 及び向上を図るための清掃 その他の措置であつて公募対象歩行者利便増進施設等の設置に伴い講ずるもの

三 号

その他国土交通省令で定める事項

3項

歩行者利便増進計画の提出は、道路管理者が公示する一月を下らない期間内に行わなければならない。

1項

道路管理者は、前条第一項の規定により公募対象歩行者利便増進施設等を設置するため道路を占用しようとする者から歩行者利便増進計画が提出されたときは、当該歩行者利便増進計画が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。

一 号

当該歩行者利便増進計画が公募占用指針に照らし適切なものであること。

二 号

当該歩行者利便増進施設等のための道路の占用が第三十二条第二項第二号から第七号までに掲げる事項について第三十三条第一項の政令で定める基準に適合するものであること。

三 号

当該歩行者利便増進施設等のための道路の占用が道路の交通に著しい支障を及ぼすおそれが明らかなものでないこと。

四 号

当該歩行者利便増進計画を提出した者が不正 又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。

2項

道路管理者は、前項の規定により審査した結果、歩行者利便増進計画が同項各号に掲げる基準に適合していると認められるときは、第四十八条の二十三第二項第六号の評価の基準に従つて、その適合していると認められた全ての歩行者利便増進計画について評価を行うものとする。

3項

道路管理者は、前項の評価を行おうとする場合において、当該評価に係る歩行者利便増進計画に従つて公募対象歩行者利便増進施設等を設置する行為が道路交通法第七十七条第一項の規定の適用を受けるものであるときは、あらかじめ当該歩行者利便増進計画に記載された道路の占用の場所を管轄する警察署長に協議しなければならない。

4項

道路管理者は、第二項の評価に従い、道路の機能を損なうことなく当該道路の歩行者の利便の増進を図る上で最も適切であると認められる歩行者利便増進計画を提出した者を占用予定者として選定するものとする。

5項

道路管理者は、前項の規定により占用予定者を選定しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、学識経験者の意見を聴かなければならない。

6項

道路管理者は、第四項の規定により占用予定者を選定したときは、その者にその旨を通知しなければならない。

1項

道路管理者は、前条第六項の規定により通知した占用予定者が提出した歩行者利便増進計画について、道路の場所を指定して、当該歩行者利便増進計画が適当である旨の認定をするものとする。

2項

道路管理者は、前項の認定をしたときは、当該認定をした日 及び認定の有効期間 並びに同項の規定により指定した道路の場所を公示しなければならない。

1項

前条第一項の認定を受けた者(以下「認定計画提出者」という。)は、当該認定を受けた歩行者利便増進計画を変更しようとする場合においては、道路管理者の認定を受けなければならない。

2項

道路管理者は、前項の変更の認定の申請があつたときは、次に掲げる基準に適合すると認める場合に限り、その認定をするものとする。

一 号

変更後の歩行者利便増進計画が第四十八条の二十五第一項第一号から第三号までに掲げる基準を満たしていること。

二 号

当該歩行者利便増進計画の変更をすることについて、歩行者利便増進道路の歩行者の利便の一層の増進に寄与するものであると見込まれること 又はやむを得ない事情があること。

3項

前条第二項の規定は、第一項の変更の認定をした場合について準用する。

1項

認定計画提出者は、第四十八条の二十六第一項の認定(前条第一項の変更の認定を含む。第四項 及び次条において「計画の認定」という。)を受けた歩行者利便増進計画(変更があつたときは、その変更後のもの。次項 及び次条第二号において「認定歩行者利便増進計画」という。)に従つて公募対象歩行者利便増進施設等を設置しなければならない。

2項

道路管理者は、認定計画提出者から認定歩行者利便増進計画に基づき第三十二条第一項 又は第三項の規定による許可の申請があつた場合においては、これらの規定による許可を与えなければならない。

3項

前項の規定による許可に係る第三十二条第二項 及び第八十七条第一項の規定の適用については、

第三十二条第二項
申請書を」とあるのは
「申請書に、第四十八条の二十四第二項第二号の措置を記載した書面を添付して、」と、

第八十七条第一項
円滑な交通を確保する」とあるのは
「円滑な交通を確保し、又は道路の機能 若しくは道路交通環境の維持 及び向上を図る」と

する。

4項

計画の認定がされた場合においては、認定計画提出者以外の者は、第四十八条の二十六第一項の道路の場所については、第三十二条第一項 又は第三項の規定による許可の申請をすることができない

1項

次に掲げる者は、道路管理者の承認を受けて、認定計画提出者が有していた計画の認定に基づく地位を承継することができる。

一 号
認定計画提出者の一般承継人
二 号

認定計画提出者から、認定歩行者利便増進計画に基づき設置 又は管理が行われる公募対象歩行者利便増進施設等の所有権 その他当該公募対象歩行者利便増進施設等の設置 又は管理に必要な権原を取得した者