公認会計士法

# 昭和二十三年法律第百三号 #

第四章 公認会計士の義務

分類 法律
カテゴリ   産業通則
@ 施行日 : 令和五年十一月二十九日 ( 2023年 11月29日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第八十号による改正
最終編集日 : 2024年 05月08日 08時48分


1項

公認会計士は、財務書類のうち、次の各号の一に該当するものについては、第二条第一項の業務を行なつてはならない。

一 号

公認会計士 又はその配偶者が、役員、これに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者であり、又は過去一年以内にこれらの者であつた会社

その他の者の財務書類

二 号

公認会計士がその使用人であり、又は過去一年以内に使用人であつた会社

その他の者の財務書類

三 号

前二号に定めるもののほか、公認会計士が著しい利害関係を有する会社

その他の者の財務書類

2項

前項第三号の著しい利害関係とは、公認会計士 又はその配偶者が会社 その他の者との間にその者の営業、経理 その他に関して有する関係で、公認会計士の行なう第二条第一項の業務の公正を確保するため業務の制限をすることが必要かつ適当であるとして政令で定めるものをいう。

3項

国家公務員 若しくは地方公務員 又はこれらの職にあつた者は、その在職中 又は退職後二年間は、その在職し、又は退職前二年間に在職していた職と職務上密接な関係にある営利企業の財務について、第二条第一項の業務を行つてはならない。

1項

公認会計士は、当該公認会計士、その配偶者 又は当該公認会計士 若しくはその配偶者が実質的に支配していると認められるものとして内閣府令で定める関係を有する法人 その他の団体が、次の各号いずれかに該当する者(以下「大会社等」という。)から第二条第二項の業務(内閣府令で定めるものに限る)により継続的な報酬を受けている場合には、当該大会社等の財務書類について、同条第一項の業務を行つてはならない。

一 号

会計監査人設置会社(資本金の額、最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額 その他の事項を勘案して政令で定める者を除く

二 号

金融商品取引法第百九十三条の二第一項 又は第二項の規定により監査証明を受けなければならない者(政令で定める者を除く

三 号

銀行法昭和五十六年法律第五十九号)第二条第一項に規定する銀行

四 号

長期信用銀行法昭和二十七年法律第百八十七号)第二条に規定する長期信用銀行

五 号
保険業法第二条第二項に規定する保険会社
六 号

前各号に掲げる者に準ずる者として政令で定める者

1項

公認会計士は、大会社等の七会計期間事業年度 その他これらに準ずる期間をいう。以下同じ。)の範囲内で政令で定める連続する会計期間(当該連続する会計期間に準ずるものとして内閣府令で定める会計期間にあつては、当該会計期間。以下この項第三十四条の十一の三 及び第三十四条の十一の四第一項において「連続会計期間」という。)のすべての会計期間に係る財務書類について監査関連業務を行つた場合には、当該連続会計期間の翌会計期間以後の政令で定める会計期間に係る当該大会社等の財務書類について監査関連業務を行つてはならない。


ただし、当該公認会計士(監査法人の社員である者を除く)が当該連続会計期間の翌会計期間以後の会計期間に係る当該大会社等の財務書類について監査関連業務を行うことにつき、内閣府令で定めるやむを得ない事情があると認められる場合において、内閣府令で定めるところにより、会計期間ごとに内閣総理大臣の承認を得たときは、この限りでない。

2項

金融商品取引所(金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所をいう。以下同じ。)にその発行する有価証券を上場しようとする者 その他の政令で定める者(大会社等を除く)の発行する当該有価証券が上場される日 その他の政令で定める日の属する会計期間前の三会計期間の範囲内で内閣府令で定める会計期間に係るその者の財務書類について公認会計士が監査関連業務を行つた場合には、その者を大会社等とみなして、前項の規定を適用する。


この場合において、

同項中
公認会計士は」とあるのは、
「次項の監査関連業務を行つた公認会計士は」と

する。

3項

第一項前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び前項の監査関連業務とは、第二条第一項の業務、監査法人の行う同項の業務にその社員として関与すること 及びこれらに準ずる業務として内閣府令で定めるものをいう。

1項

公認会計士は、大会社等の財務書類について第二条第一項の業務を行うときは、他の公認会計士 若しくは監査法人と共同し、又は他の公認会計士を補助者として使用して行わなければならない。


ただし、他の公認会計士 若しくは監査法人と共同せず、又は他の公認会計士を補助者として使用しないことにつき内閣府令で定めるやむを得ない事情がある場合は、この限りでない。

1項

公認会計士は、会社 その他の者の財務書類について証明をする場合には、いかなる範囲について証明をするかを明示しなければならない。

2項

公認会計士は、会社 その他の者の財務書類について証明をする場合には、当該会社 その他の者と利害関係を有するか否か、及び利害関係を有するときはその内容 その他の内閣府令で定める事項を証明書に明示しなければならない。

3項

公認会計士は、前項の規定による証明書による証明に代えて、内閣府令で定めるところにより、当該証明に係る会社 その他の者の承諾を得て、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)により同項に規定する事項を併せて明示することにより当該証明をすることができる。


この場合においては、同項の規定は、適用しない

1項
公認会計士は、公認会計士の信用を傷つけ、又は公認会計士全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
1項

公認会計士は、正当な理由がなく、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。


公認会計士でなくなつた後であつても、同様とする。

1項
公認会計士は、内閣府令で定めるところにより、日本公認会計士協会が行う資質の向上を図るための研修を受けるものとする。
1項

公認会計士が会社 その他の者の財務書類について第二条第一項の業務を行つた場合には、当該公認会計士(公認会計士であつた者を含む。)は、当該財務書類に係る会計期間の翌会計期間の終了の日までの間は、当該会社 その他の者 又はその連結会社等(当該会社 その他の者と連結して財務書類を作成するものとされる者として内閣府令で定めるものをいう。以下この条 及び第三十四条の十一第一項第三号において同じ。)の役員 又はこれに準ずるものに就いてはならない。


ただし、当該会社 その他の者 又はその連結会社等の役員 又はこれに準ずるものに就くことにつきやむを得ない事情があると認められるときその他の内閣府令で定める場合において、内閣総理大臣の承認を得たときは、この限りでない。

1項

公認会計士は、第二条第一項 又は第二項の業務を行うため使用人 その他の従業者を使用するときは、当該業務を適正に遂行するよう当該使用人 その他の従業者を監督しなければならない。

1項

公認会計士は、年度(毎年四月一日から翌年三月三十一日までをいい、大会社等の財務書類について第二条第一項の業務を行つたものに限る)ごとに、業務の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した説明書類を作成し、当該公認会計士の事務所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない。

2項

前項に規定する説明書類は、電磁的記録をもつて作成することができる。

3項

第一項に規定する説明書類が電磁的記録をもつて作成されているときは、公認会計士の事務所において当該説明書類の内容である情報を電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置として内閣府令で定めるものをとることができる。


この場合においては、同項の説明書類を、同項の規定により備え置き、公衆の縦覧に供したものとみなす。

4項

前三項に定めるもののほか第一項に規定する説明書類を公衆の縦覧に供する期間 その他前三項の規定の適用に関し必要な事項は、内閣府令で定める。