裁判所は、事実発見のため必要があるときは、検証することができる。
刑事訴訟法
第十章 検証
検証については、身体の検査、死体の解剖、墳墓の発掘、物の破壊 その他必要な処分をすることができる。
日出前、日没後には、住居主 若しくは看守者 又はこれらの者に代るべき者の承諾がなければ、検証のため、人の住居 又は人の看守する邸宅、建造物 若しくは船舶内に入ることはできない。
但し、日出後では検証の目的を達することができない虞がある場合は、この限りでない。
日没前検証に着手したときは、日没後でも その処分を継続することができる。
第百十七条に規定する場所については、第一項に規定する制限によることを要しない。
身体の検査については、これを受ける者の性別、健康状態 その他の事情を考慮した上、特にその方法に注意し、その者の名誉を害しないように注意しなければならない。
女子の身体を検査する場合には、医師 又は成年の女子をこれに立ち会わせなければならない。
裁判所は、身体の検査のため、被告人以外の者を裁判所 又は指定の場所に召喚することができる。
前条の規定により召喚を受けた者が正当な理由がなく出頭しないときは、決定で、十万円以下の過料に処し、かつ、出頭しないために生じた費用の賠償を命ずることができる。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
第百三十二条の規定により召喚を受け正当な理由がなく出頭しない者は、十万円以下の罰金 又は拘留に処する。
前項の罪を犯した者には、情状により、罰金 及び拘留を併科することができる。
第百三十二条の規定による召喚に応じない者は、更にこれを召喚し、又はこれを勾引することができる。
第六十二条、第六十三条 及び第六十五条の規定は、第百三十二条 及び前条の規定による召喚について、第六十二条、第六十四条、第六十六条、第六十七条、第七十条、第七十一条 及び第七十三条第一項の規定は、前条の規定による勾引についてこれを準用する。
被告人 又は被告人以外の者が正当な理由がなく身体の検査を拒んだときは、決定で、十万円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。
前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
正当な理由がなく身体の検査を拒んだ者は、十万円以下の罰金 又は拘留に処する。
前項の罪を犯した者には、情状により、罰金 及び拘留を併科することができる。
裁判所は、身体の検査を拒む者を過料に処し、又はこれに刑を科しても、その効果がないと認めるときは、そのまま、身体の検査を行うことができる。
裁判所は、第百三十七条の規定により過料を科し、又は前条の規定により身体の検査をするにあたつては、あらかじめ、検察官の意見を聴き、且つ、身体の検査を受ける者の異議の理由を知るため適当な努力をしなければならない。
検証をするについて必要があるときは、司法警察職員に補助をさせることができる。
第百十一条の二から第百十四条まで、第百十八条 及び第百二十五条の規定は、検証についてこれを準用する。