地方自治法

# 昭和二十二年法律第六十七号 #
略称 : 地自法 

第一節 通則

分類 法律
カテゴリ   地方自治
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月16日 12時13分


1項

この法律において「外部監査契約」とは、包括外部監査契約 及び個別外部監査契約をいう。

2項

この法律において「包括外部監査契約」とは、第二百五十二条の三十六第一項各号に掲げる普通地方公共団体 及び同条第二項の条例を定めた同条第一項第二号に掲げる市以外の市 又は町村が、第二条第十四項 及び第十五項の規定の趣旨を達成するため、この法律の定めるところにより、次条第一項 又は第二項に規定する者の監査を受けるとともに監査の結果に関する報告の提出を受けることを内容とする契約であつて、この法律の定めるところにより、当該監査を行う者と締結するものをいう。

3項

この法律において「個別外部監査契約」とは、次の各号に掲げる普通地方公共団体が、当該各号に掲げる請求 又は要求があつた場合において、この法律の定めるところにより、当該請求 又は要求に係る事項について次条第一項 又は第二項に規定する者の監査を受けるとともに監査の結果に関する報告の提出を受けることを内容とする契約であつて、この法律の定めるところにより、当該監査を行う者と締結するものをいう。

一 号

第二百五十二条の三十九第一項に規定する普通地方公共団体

第七十五条第一項の請求

二 号

第二百五十二条の四十第一項に規定する普通地方公共団体

第九十八条第二項の請求

三 号

第二百五十二条の四十一第一項に規定する普通地方公共団体

第百九十九条第六項の要求

四 号

第二百五十二条の四十二第一項に規定する普通地方公共団体

第百九十九条第七項の要求

五 号

第二百五十二条の四十三第一項に規定する普通地方公共団体

第二百四十二条第一項の請求

1項

普通地方公共団体が外部監査契約を締結できる者は、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理 その他行政運営に関し優れた識見を有する者であつて、次の各号いずれかに該当するものとする。

一 号

弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。

二 号

公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。

三 号

国の行政機関において会計検査に関する行政事務に従事した者 又は地方公共団体において監査 若しくは財務に関する行政事務に従事した者であつて、監査に関する実務に精通しているものとして政令で定めるもの

2項

普通地方公共団体は、外部監査契約を円滑に締結し、又はその適正な履行を確保するため必要と認めるときは、前項の規定にかかわらず同項の識見を有する者であつて税理士(税理士となる資格を有する者を含む。)であるものと外部監査契約を締結することができる。

3項

前二項の規定にかかわらず、普通地方公共団体は、次の各号いずれかに該当する者と外部監査契約を締結してはならない

一 号

禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつてから三年を経過しない者

二 号

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

三 号

国家公務員法昭和二十二年法律第百二十号)又は地方公務員法の規定により懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から三年を経過しない者

四 号

弁護士法昭和二十四年法律第二百五号)、公認会計士法昭和二十三年法律第百三号)又は税理士法昭和二十六年法律第二百三十七号)の規定による懲戒処分により、弁護士会からの除名、公認会計士の登録の抹消 又は税理士の業務の禁止の処分を受けた者で、これらの処分を受けた日から三年を経過しないもの(これらの法律の規定により再び業務を営むことができることとなつた者を除く

五 号

税理士法第四十八条第一項の規定により同法第四十四条第三号に掲げる処分を受けるべきであつたことについて決定を受けた者で、当該決定を受けた日から三年を経過しないもの

六 号
懲戒処分により、弁護士、公認会計士 又は税理士の業務を停止された者で、現にその処分を受けているもの
七 号

税理士法第四十八条第一項の規定により同法第四十四条第二号に掲げる処分を受けるべきであつたことについて決定を受けた者で、同項後段の規定により明らかにされた期間を経過しないもの

八 号
当該普通地方公共団体の議会の議員
九 号
当該普通地方公共団体の職員
十 号
当該普通地方公共団体の職員で政令で定めるものであつた者
十一 号
当該普通地方公共団体の長、副知事 若しくは副市町村長、会計管理者 又は監査委員と親子、夫婦 又は兄弟姉妹の関係にある者
十二 号

当該普通地方公共団体に対し請負(外部監査契約に基づくものを除く)をする者 及びその支配人 又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役、執行役 若しくは監査役 若しくはこれらに準ずべき者、支配人 及び清算人

1項

包括外部監査人(普通地方公共団体と包括外部監査契約を締結し、かつ、包括外部監査契約の期間(包括外部監査契約に基づく監査を行い、監査の結果に関する報告を提出すべき期間をいう。以下本章において同じ。)内にある者をいう。以下本章において同じ。)又は個別外部監査人(普通地方公共団体と個別外部監査契約を締結し、かつ、個別外部監査契約の期間(個別外部監査契約に基づく監査を行い、監査の結果に関する報告を提出すべき期間をいう。以下本章において同じ。)内にある者をいう。以下本章において同じ。)は、自己 若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫 若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件 又は自己 若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、監査することができない

1項

外部監査人(包括外部監査人 及び個別外部監査人をいう。以下本章において同じ。)は、監査を実施するに当たつては、監査委員にその旨を通知する等相互の連絡を図るとともに、監査委員の監査の実施に支障を来さないよう配慮しなければならない。

2項

監査委員は、監査を実施するに当たつては、外部監査人の監査の実施に支障を来さないよう配慮しなければならない。

1項

外部監査人は、外部監査契約の本旨に従い、善良な管理者の注意をもつて、誠実に監査を行う義務を負う。

2項

外部監査人は、外部監査契約の履行に当たつては、常に公正不偏の態度を保持し、自らの判断と責任において監査をしなければならない。

3項

外部監査人は、監査の実施に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。


外部監査人でなくなつた後であつても、同様とする。

4項

前項の規定に違反した者は、二年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。

5項

外部監査人は、監査の事務に関しては、刑法明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

1項

外部監査人は、監査の事務を他の者に補助させることができる。


この場合においては、外部監査人は、政令の定めるところにより、あらかじめ監査委員に協議しなければならない。

2項

監査委員は、前項の規定による協議が調つた場合には、直ちに当該監査の事務を補助する者の氏名 及び住所 並びに当該監査の事務を補助する者が外部監査人の監査の事務を補助できる期間を告示しなければならない。

3項

第一項の規定による協議は、監査委員の合議によるものとする。

4項

外部監査人は、監査が適正かつ円滑に行われるよう外部監査人補助者(第二項の規定により外部監査人の監査の事務を補助する者として告示された者であつて、かつ、外部監査人の監査の事務を補助できる期間内にあるものをいう。以下本条において同じ。)を監督しなければならない。

5項

外部監査人補助者は、外部監査人の監査の事務を補助したことに関して知り得た秘密を漏らしてはならない。


外部監査人補助者でなくなつた後であつても、同様とする。

6項

前項の規定に違反した者は、二年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。

7項

外部監査人補助者は、外部監査人の監査の事務の補助に関しては、刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

8項

外部監査人は、第二項の規定により告示された者に監査の事務を補助させる必要がなくなつたときは、速やかに、その旨を監査委員に通知しなければならない。

9項

前項の通知があつたときは、監査委員は、速やかに、当該通知があつた者の氏名 及び住所 並びにその者が外部監査人を補助する者でなくなつたことを告示しなければならない。

10項

前項の規定による告示があつたときは、当該告示された者が外部監査人の監査の事務を補助できる期間は終了する。

1項

普通地方公共団体が外部監査人の監査を受けるに当たつては、当該普通地方公共団体の議会、長 その他の執行機関 又は職員は、外部監査人の監査の適正かつ円滑な遂行に協力するよう努めなければならない。

2項

代表監査委員は、外部監査人の求めに応じ、監査委員の監査の事務に支障のない範囲内において、監査委員の事務局長、書記 その他の職員、監査専門委員 又は第百八十条の三の規定による職員を外部監査人の監査の事務に協力させることができる。

1項

普通地方公共団体の議会は、外部監査人の監査に関し必要があると認めるときは、外部監査人 又は外部監査人であつた者の説明を求めることができる。

2項

普通地方公共団体の議会は、外部監査人の監査に関し必要があると認めるときは、外部監査人に対し意見を述べることができる。

1項

普通地方公共団体の長は、外部監査人が第二百五十二条の二十八第一項各号いずれにも該当しなくなつたとき(同条第二項の規定により外部監査契約が締結された場合にあつては、税理士(税理士となる資格を有する者を含む。)でなくなつたとき)、又は同条第三項各号いずれかに該当するに至つたときは、当該外部監査人と締結している外部監査契約を解除しなければならない。

2項

普通地方公共団体の長は、外部監査人が心身の故障のため監査の遂行に堪えないと認めるとき、外部監査人にこの法律 若しくはこれに基づく命令の規定 又は外部監査契約に係る義務に違反する行為があると認めるとき その他外部監査人と外部監査契約を締結していることが著しく不適当と認めるときは、外部監査契約を解除することができる。


この場合においては、あらかじめ監査委員の意見を聴くとともに、その意見を付けて議会の同意を得なければならない。

3項

外部監査人が、外部監査契約を解除しようとするときは、普通地方公共団体の長の同意を得なければならない。


この場合においては、当該普通地方公共団体の長は、あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならない。

4項

前二項の規定による意見は、監査委員の合議によるものとする。

5項

普通地方公共団体の長は、第一項 若しくは第二項の規定により外部監査契約を解除したとき、又は第三項の規定により外部監査契約を解除されたときは、直ちに、その旨を告示するとともに、遅滞なく、新たに外部監査契約を締結しなければならない。

6項

外部監査契約の解除は、将来に向かつてのみその効力を生ずる。