外国人漁業の規制に関する法律

昭和四十二年法律第六十号
略称 : 外国人漁業規制法  外規法 
分類 法律
カテゴリ   水産業
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 03月22日 11時41分

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1項

この法律は、外国人がわが国の港 その他の水域を使用して行なう漁業活動の増大によりわが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずるおそれがある事態に対処して、外国人が漁業に関してする当該水域の使用の規制について必要な措置を定めるものとする。

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1項

この法律において「本邦」とは、本州、北海道、四国、九州 及び農林水産省令で定めるその附属の島をいう。

2項

この法律において「漁業」とは、水産動植物の採捕 又は養殖の事業(漁業等付随行為を含む。)をいう。

3項

この法律において「漁業等付随行為」とは、水産動植物の採捕 又は養殖に付随する探索、集魚、漁獲物の保蔵 又は加工、漁獲物 又はその製品の運搬、船舶への補給 その他これらに準ずる行為で農林水産省令で定めるものをいう。

4項

この法律において「採捕準備行為」とは、漁具を格納しないで直ちに水産動植物の採捕を行うことができる状態にする行為をいう。

5項

この法律において「探索」とは、水産動植物の採捕に資する水産動植物の生息状況の調査であつて水産動植物の採捕を伴わないものをいい、「探査」とは、探索のうち漁業等付随行為に該当しないものをいう。

6項

この法律において「漁獲物等」とは、漁獲物 及びその製品をいう。

7項

この法律において「外国漁船」とは、日本船舶以外の船舶(農林水産大臣の指定するものを除く)であつて、次の各号の一に該当するものをいう。

一 号

漁ろう設備を有する船舶

二 号

前号に掲げる船舶のほか、漁業の用に供され、又は漁場から漁獲物等を運搬している船舶

8項

この法律において「本邦の港」とは、港湾法昭和二十五年法律第二百十八号)第九条第一項(同法第三十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による港湾区域の公告があつた港湾 及び漁港漁場整備法昭和二十五年法律第百三十七号)第二条に規定する漁港をいう。

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1項

次に掲げるものは、本邦の水域において漁業、水産動植物の採捕(漁業に該当するものを除き、漁業等付随行為を含む。以下同じ。)、採捕準備行為 又は探査を行つてはならない。


ただし、その水産動植物の採捕が農林水産省令で定める軽易なものであるときは、この限りでない。

一 号

日本の国籍を有しない者。


ただし、適法に本邦に在留する者で農林水産大臣の指定するものを除く

二 号

外国、外国の公共団体 若しくはこれに準ずるもの 又は外国法に基づいて設立された法人 その他の団体

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1項

外国漁船の船長(船長に代わつてその職務を行なう者を含む。以下同じ。)は、当該外国漁船を本邦の港に寄港させようとする場合には、次に掲げる行為をすることのみを目的として寄港させようとするときを除き、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の許可を受けなければならない。

一 号

海難を避け、又は航行 若しくは人命の安全を保持するため必要な行為

二 号

外国から積み出された漁獲物等(政令で定める書類を添附してあるものに限る。以下「外国積出漁獲物等」という。)の本邦への陸揚げ 又は他の船舶への転載

三 号

外国積出漁獲物等以外の漁獲物等の本邦への陸揚げであつて、わが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずることとならないものとして政令で定めるもの

2項

農林水産大臣は、前項の許可の申請があつた場合には、当該寄港によつて外国漁船による漁業活動が助長され、わが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずるおそれがあると認められるときを除き同項許可をしなければならない。

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1項

外国漁船の船長は、前条の規定にかかわらず、特定漁獲物等(外国漁船によるその本邦への陸揚げ等によつて我が国漁業の正常な秩序の維持に支障が生じ 又は生ずるおそれがあると認められる漁獲物等で政令で定めるものをいう。以下第六条第五項において同じ。)を本邦に陸揚げし、又は他の船舶に転載することを目的として、当該外国漁船を本邦の港に寄港させてはならない。

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1項

農林水産大臣は、第四条第一項 又は前条の規定に違反して外国漁船の船長が当該外国漁船を本邦の港に寄港させていると認める場合には、当該船長に対し、当該外国漁船を当該本邦の港から退去させるべきことを命ずることができる。

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1項

外国漁船の船長は、本邦の水域(本邦の港の水域を除く次項において同じ。)において、漁獲物等(外国積出漁獲物等を除く次項 及び第三項において同じ。)を、当該外国漁船から他の船舶に転載し、又は他の外国漁船から当該外国漁船に積み込んではならない。

2項

外国漁船以外の船舶の船長は、本邦の水域において、漁獲物等を外国漁船から当該船舶に積み込んではならない。

3項

外国漁船以外の船舶の船長は、本邦の水域以外の水域において外国漁船から当該船舶に積み込んだ漁獲物等を、本邦の港において、陸揚げし、又は当該船舶から他の船舶に転載してはならない。

4項

前三項の規定は、わが国漁業の正常な秩序の維持に支障を生ずることとならない場合として政令で定める場合には、適用しない

5項

外国漁船以外の船舶(漁船法(昭和二十五年法律第百七十八号)第二条第一項に規定する漁船を除く)の船長は、特定漁獲物等については、前二項の規定により陸揚げしてはならない場合に該当しない場合においても、これを漁港(漁港漁場整備法第二条に規定する漁港をいう。)において陸揚げし、又は漁港区(港湾法第三十九条第一項の規定により指定された漁港区をいう。)に陸揚げしてはならない。

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1項

漁業監督官 又は漁業監督吏員は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、漁場、船舶、事業場、事務所、倉庫等に立ち入り、その状況 若しくは帳簿書類 その他の物件を検査し、又は関係者に対し質問をすることができる。

2項

前項の場合には、漁業法昭和二十四年法律第二百六十七号第百二十八条第三項の規定は、適用しない

3項

第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

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1項

この法律の規定による処分については、行政手続法平成五年法律第八十八号第二章 及び第三章の規定は、適用しない

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1項

この法律の規定に基づき政令 又は農林水産省令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令 又は農林水産省令で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

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1項

第四条第一項 及び第五条に規定する農林水産大臣の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。

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1項

この法律に規定する事項に関して条約に別段の定めがあるときは、その規定による。

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1項

第三条の規定に違反した者は、三年以下の懲役 若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

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1項

次の各号いずれかに該当する者は、三年以下の懲役 若しくは四百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

第四条第一項の規定に違反して同項の許可を受けないで外国漁船を寄港させた船長

二 号

第四条の二の規定に違反した船長

三 号

第五条の規定による命令に違反した船長

四 号

第六条第一項から第三項まで 又は第五項の規定に違反した船長

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1項

前二条の場合においては、犯人が所有し、又は所持する漁獲物等、船舶 又は漁具 その他漁業、水産動植物の採捕、採捕準備行為 若しくは探査の用に供される物は、没収することができる。


ただし、犯人が所有していたこれらの物件の全部 又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。

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1項

第六条の二第一項の規定による漁業監督官 又は漁業監督吏員の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はその質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をした者は、六月以下の懲役 又は三百万円以下の罰金に処する。

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1項

法人の代表者 又は法人若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務 又は財産に関して、第八条の二第九条 又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対し、各本条の罰金刑を科する。

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