第三条に規定する団体は、区分所有者 及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で法人となる旨 並びにその名称 及び事務所を定め、かつ、その主たる事務所の所在地において登記をすることによつて法人となる。
建物の区分所有等に関する法律
第六節 管理組合法人
前項の規定による法人は、管理組合法人と称する。
この法律に規定するもののほか、管理組合法人の登記に関して必要な事項は、政令で定める。
管理組合法人に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ、第三者に対抗することができない。
管理組合法人の成立前の集会の決議、規約 及び管理者の職務の範囲内の行為は、管理組合法人につき効力を生ずる。
管理組合法人は、その事務に関し、区分所有者を代理する。
第十八条第四項(第二十一条において準用する場合を含む。)の規定による損害保険契約に基づく保険金額 並びに共用部分等について生じた損害賠償金 及び不当利得による返還金の請求 及び受領についても、同様とする。
管理組合法人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
管理組合法人は、規約 又は集会の決議により、その事務(第六項後段に規定する事項を含む。)に関し、区分所有者のために、原告 又は被告となることができる。
管理組合法人は、前項の規約により原告 又は被告となつたときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない。
この場合においては、第三十五条第二項から第四項までの規定を準用する。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条 及び第七十八条の規定は管理組合法人に、破産法(平成十六年法律第七十五号)第十六条第二項の規定は存立中の管理組合法人に準用する。
第四節 及び第三十三条第一項ただし書(第四十二条第五項 及び第四十五条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、管理組合法人には、適用しない。
管理組合法人について、第三十三条第一項本文(第四十二条第五項 及び第四十五条第四項において準用する場合を含む。以下 この項において同じ。)の規定を適用する場合には
第三十三条第一項本文中
「管理者が」とあるのは
「理事が管理組合法人の事務所において」と、
第三十四条第一項から第三項まで 及び第五項、第三十五条第三項、第四十一条 並びに第四十三条の規定を適用する場合には
これらの規定中
「管理者」とあるのは
「理事」と
する。
管理組合法人は、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号に規定する公益法人等とみなす。
この場合において、同法第三十七条の規定を適用する場合には
同条第四項中
「公益法人等(」とあるのは
「公益法人等(管理組合法人 並びに」と、
同法第六十六条の規定を適用する場合には
同条第一項中
「普通法人」とあるのは
「普通法人(管理組合法人を含む。)」と、
同条第二項中
「除く」とあるのは
「除くものとし、管理組合法人を含む」と、
同条第三項中
「公益法人等(」とあるのは
「公益法人等(管理組合法人 及び」と
する。
管理組合法人は、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法別表第三に掲げる法人とみなす。
管理組合法人は、その名称中に管理組合法人という文字を用いなければならない。
管理組合法人でないものは、その名称中に管理組合法人という文字を用いてはならない。
管理組合法人は、設立の時 及び毎年一月から三月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。
ただし、特に事業年度を設けるものは、設立の時 及び毎事業年度の終了の時に財産目録を作成しなければならない。
管理組合法人は、区分所有者名簿を備え置き、区分所有者の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。
管理組合法人には、理事を置かなければならない。
理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の事務は、理事の過半数で決する。
理事は、管理組合法人を代表する。
理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。
前項の規定は、規約 若しくは集会の決議によつて、管理組合法人を代表すべき理事を定め、若しくは数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定め、又は規約の定めに基づき理事の互選によつて管理組合法人を代表すべき理事を定めることを妨げない。
理事の任期は、二年とする。
ただし、規約で三年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。
理事が欠けた場合 又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期の満了 又は辞任により退任した理事は、新たに選任された理事(第四十九条の四第一項の仮理事を含む。)が就任するまで、なおその職務を行う。
第二十五条の規定は、理事に準用する。
理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
理事は、規約 又は集会の決議によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
理事が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人 又は検察官の請求により、仮理事を選任しなければならない。
仮理事の選任に関する事件は、管理組合法人の主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
管理組合法人には、監事を置かなければならない。
監事は、理事 又は管理組合法人の使用人と兼ねてはならない。
監事の職務は、次のとおりとする。
管理組合法人の財産の状況を監査すること。
理事の業務の執行の状況を監査すること。
財産の状況 又は業務の執行について、法令 若しくは規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、集会に報告をすること。
前号の報告をするため必要があるときは、集会を招集すること。
第二十五条、第四十九条第六項 及び第七項 並びに前条の規定は、監事に準用する。
管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。
管理組合法人の事務は、この法律に定めるもののほか、すべて集会の決議によつて行う。
ただし、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項 及び第五十七条第二項に規定する事項を除いて、規約で、理事 その他の役員が決するものとすることができる。
前項の規定にかかわらず、保存行為は、理事が決することができる。
管理組合法人の財産をもつてその債務を完済することができないときは、区分所有者は、第十四条に定める割合と同一の割合で、その債務の弁済の責めに任ずる。
ただし、第二十九条第一項ただし書に規定する負担の割合が定められているときは、その割合による。
管理組合法人の財産に対する強制執行がその効を奏しなかつたときも、前項と同様とする。
前項の規定は、区分所有者が管理組合法人に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、適用しない。
区分所有者の特定承継人は、その承継前に生じた管理組合法人の債務についても、その区分所有者が前条の規定により負う責任と同一の責任を負う。
管理組合法人は、次の事由によつて解散する。
建物(一部共用部分を共用すべき区分所有者で構成する管理組合法人にあつては、その共用部分)の全部の滅失
前項第三号の決議は、区分所有者 及び議決権の各四分の三以上の多数でする。
解散した管理組合法人は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。
管理組合法人が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、理事がその清算人となる。
ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は集会において理事以外の者を選任したときは、この限りでない。
前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により 又は職権で、清算人を選任することができる。
重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる。
清算人の職務は、次のとおりとする。
清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。
清算人は、その就職の日から二月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。
この場合において、その期間は、二月を下ることができない。
前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。
ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
第一項の公告は、官報に掲載してする。
前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、管理組合法人の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。
清算中に管理組合法人の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになつたときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。
清算人は、清算中の管理組合法人が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。
前項に規定する場合において、清算中の管理組合法人が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。
第一項の規定による公告は、官報に掲載してする。
解散した管理組合法人の財産は、規約に別段の定めがある場合を除いて、第十四条に定める割合と同一の割合で各区分所有者に帰属する。
管理組合法人の解散 及び清算は、裁判所の監督に属する。
裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。
管理組合法人の解散 及び清算の監督 並びに清算人に関する事件は、その主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
裁判所は、第五十五条の四の規定により清算人を選任した場合には、管理組合法人が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。
この場合においては、裁判所は、当該清算人 及び監事の陳述を聴かなければならない。
裁判所は、管理組合法人の解散 及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。
第五十六条の四 及び第五十六条の五の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。
この場合において、
同条中
「清算人 及び監事」とあるのは、
「管理組合法人 及び検査役」と
読み替えるものとする。