引揚者給付金等支給法

# 昭和三十二年法律第百九号 #

第二章 引揚者給付金等の支給

分類 法律
カテゴリ   社会福祉
@ 施行日 : 平成二十八年四月一日
@ 最終更新 : 平成二十六年六月十三日公布(平成二十六年法律第六十九号)改正
最終編集日 : 2023年 03月11日 09時19分


1項

引揚者で、昭和三十二年四月一日同年同月二日以後本邦に引き揚げた者については、その引き揚げた日)において日本の国籍を有するものには、引揚者給付金を支給する。

1項

引揚者給付金の額は、引揚者の昭和二十年八月十五日における年齢により定めた次の表の額とし、記名国債をもつて交付する。

年齢
引揚者給付金の額
五十歳以上
二八、〇〇〇円
三十歳以上五十歳未満
二〇、〇〇〇円
十八歳以上三十歳未満
一五、〇〇〇円
十八歳未満
七、〇〇〇円
2項

第二条第一項第四号に掲げる者で、日本国との平和条約第十一条に定める裁判により拘禁され、又はこれと 同視すべき事情の下において外地に残留することを余儀なくされていたものに支給する引揚者給付金の額は、前項の規定にかかわらず二万八千円とする。

1項

昭和三十一年分の所得税額(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)に所得税を納付すべき所得があつた場合には、その配偶者の所得税額との合計額。以下同じ。)が八万八千二百円をこえる者 及び その者の配偶者には、引揚者給付金を支給しない。


ただし、昭和二十九年から昭和三十一年までの各年分の所得税額の平均額が八万八千二百円に満たない者については、この限りでない。

2項

前項の所得税額とは、地方税法昭和二十五年法律第二百二十六号) 第二百九十二条第五号に規定する所得税額をいい、旧所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の施行地以外の地域において所得を得た者については、政令で定めるこれに代るべき額とする。

1項

引揚者給付金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、死亡した者がその死亡前に引揚者給付金の請求をしていなかつたときは、死亡した者の相続人は、自己の名で、死亡した者の引揚者給付金を請求することができる。

2項

前項の場合において、同順位の相続人が数人あるときは、その一人のした引揚者給付金の請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした引揚者給付金を受ける権利の認定は、全員に対してしたものとみなす。

3項

第五条に規定する国債の記名者が死亡した場合において、同順位の相続人が数人あるときは、その一人のしたその者の死亡前に支払うべきであつた同条に規定する国債の元利金の請求又は同条に規定する国債の記名変更の請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした同条に規定する国債の元利金の支払又は同条に規定する国債の記名変更は、全員に対してしたものとみなす。

1項

次に掲げる者の遺族で、昭和三十二年四月一日第一号に掲げる者の死亡の日が同年同月二日以後であるときは、その死亡の日)において日本の国籍を有するものには、遺族給付金を支給する。

一 号

昭和二十年八月十五日において外地にあつた者(第二条第一項第五号に該当する者を除く)で、終戦に伴つて発生した事態に基く 外国官憲の命令、生活手段の喪失等のやむをえない理由により本邦に引き揚げることを余儀なくされるに至つた後引き続き外地にある間に死亡したもの又は終戦に伴つて発生した事態により引き続き外地に残留することを余儀なくされている間に死亡したもの

二 号

昭和二十年八月九日において外地にあつた者で、ソヴィエト社会主義共和国連邦の参戦に伴つて発生した事態により本邦に引き揚げることを余儀なくされるに至つた後同年同月十四日以前に外地において死亡したもの

三 号

昭和十八年十月一日において日本のもと委任統治領であつた南洋群島にあつた者又は第二条第一項第五号の政令で定める地域ごとに政令で定める日において当該地域にあつた者で、今次の大戦に関連する緊迫した事態に基づく日本国政府の要請又は連合国の官憲の命令により本邦に引き揚げることを余儀なくされるに至つた後引き続き外地にあつて昭和二十年八月十四日以前に死亡したもの

四 号

第二条第一項各号いずれかに 該当するに至つた後昭和三十二年三月三十一日以前に死亡した者で、死亡の当時二十歳以上であつたもの

1項

遺族給付金を受けるべき遺族の範囲は、死亡した者の死亡の当時における配偶者、子 及び父母並びに昭和二十年八月十五日前条第二号に掲げる者に係る遺族給付金については、同年同月九日、同条第三号に掲げる者に係る遺族給付金については、昭和十八年十月一日 又は第二条第一項第五号の政令で定める地域ごとに政令で定める日、前条第四号に掲げる者に係る遺族給付金については、死亡した者の死亡の当時)においてその者によつて生計を維持し、又はその者と生計をともにしていた孫、祖父母 及び兄弟姉妹とする。

2項

死亡した者の死亡の当時 胎児であつた子が出生したときは、その子は、死亡した者の死亡の当時における子とみなす。

3項

前項の子が、昭和三十二年四月二日以後に出生し、かつ、出生によつて日本の国籍を取得したときは、その子は、同年同月一日(死亡した者の死亡の日が同年同月二日以後であるときは、その死亡の日)において日本の国籍を有していたものとみなす。

1項

遺族給付金を受けるべき遺族の順位は、次に掲げる順序による。


ただし、父母については、昭和二十年八月十五日第八条第二号に掲げる者に係る遺族給付金については、同年同月九日、同条第三号に掲げる者に係る遺族給付金については、昭和十八年十月一日 又は第二条第一項第五号の政令で定める地域ごとに政令で定める日、第八条第四号に掲げる者に係る遺族給付金については、死亡した者の死亡の当時)において当該死亡した者によつて生計を維持し、又はその者と生計をともにしていたものを先にし、同順位の父母については、養父母を先にし実父母を後にし、同順位の祖父母については、養父母の父母を先にし実父母の父母を後にし、父母の養父母を先にし実父母を後にする。

一 号

配偶者(死亡した者の死亡の日が昭和三十二年三月三十一日以前である場合において、その死亡の日以後同日以前に死亡した者の二親等内の血族(以下 この項において「遺族」という。以外の者と婚姻(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情に入つていると認められる場合を含む。)した者 及び同年四月一日において遺族以外の者の養子となつている者を除く

二 号

子(昭和三十二年四月一日死亡した者の死亡の日が同年同月二日以後であるときは、その死亡の日。以下この条において同じ。)において、遺族以外の者の養子となつている者を除く

三 号

父母

四 号

孫(昭和三十二年四月一日において、遺族以外の者の養子となつている者を除く

五 号

祖父母

六 号

兄弟姉妹(昭和三十二年四月一日において、遺族以外の者の養子となつている者を除く

七 号

第二号において同号の順位から除かれている子

八 号

第四号において同号の順位から除かれている孫

九 号

第六号において同号の順位から除かれている兄弟姉妹

十 号

第一号において同号の順位から除かれている配偶者

2項

前項の規定により遺族給付金を受けるべき順位にある遺族が、昭和三十二年四月一日において生死不明であり、かつ、その日以後引き続き二年以上その者が昭和三十二年四月一日までに二年以上生死不明であるときは、一年以上) 生死不明である場合において、他に同順位者がないときは、次順位者の請求により、その次順位者(その次順位者と同順位の他の遺族があるときは、そのすべての同順位者)を遺族給付金を受けるべき順位の遺族とみなすことができる。

1項

遺族給付金の額は、死亡した者一人につき次の各号に定める額とし、記名国債をもつて交付する。

一 号

第八条第一号に掲げる者の遺族に支給する遺族給付金については、死亡した者の昭和二十年八月十五日における年齢、同条第二号 又は第三号に掲げる者の遺族に支給する遺族給付金については、死亡した者の死亡の日における年齢により定めた次の表の額

年齢
遺族給付金の額
十八歳以上
二八、〇〇〇円
十八歳未満
一五、〇〇〇円
二 号

第八条第四号に掲げる者の遺族に支給する遺族給付金については、死亡した者の昭和二十年八月十五日同年同月十四日以前に死亡した者の遺族に支給する遺族給付金については、その死亡の日)における年齢により定めた次の表の額

年齢
遺族給付金の額
五十歳以上
二八、〇〇〇円
三十歳以上五十歳未満
二〇、〇〇〇円
十八歳以上三十歳未満
一五、〇〇〇円
十八歳未満
七、〇〇〇円
1項

次の各号いずれかに 該当する遺族には、遺族給付金を支給しない。

一 号

第六条第一項に該当する者

二 号

昭和三十二年三月三十一日以前に、離縁によつて死亡した者との親族関係が終了した者

2項

当該死亡した者の死亡に関し、他の法令により、戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)による遺族年金 又は弔慰金その他遺族給付金に相当する給付を受ける権利を取得した者(未帰還者に関する特別措置法(昭和三十四年法律第七号)による弔慰料の支給を受ける権利を取得した者を含まないものとする。)がある場合には、その遺族には、遺族給付金を支給しない。

1項

第七条第二項の規定は、遺族給付金を受けるべき同順位の遺族が数人ある場合において、同条第一項 及び第二項の規定は、遺族給付金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、それぞれ遺族給付金の請求 又はその権利の認定について準用し、同条第三項の規定は、第十一条に規定する国債の記名者が死亡した場合において準用する。

1項

第五条第一項 及び第十一条の規定により交付するため、政府は、必要な額を限度として国債を発行することができる。

2項

前項の規定により発行する国債は、十年以内に償還すべきものとし、その利率は、年六分とする。

3項

第一項の規定により発行する国債については、政令で定める場合を除くほか、譲渡、担保権の設定その他の処分をすることができない

4項

前二項に定めるもののほか第一項の規定によつて発行する国債に関し必要な事項は、財務省令で定める。