当せん金付証票法

昭和二十三年法律第百四十四号
分類 法律
カテゴリ   地方財政
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 06月18日 10時33分

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1項

この法律は、経済の現状に即応して、当分の間、当せん金付証票の発売により、浮動購買力を吸収し、もつて地方財政資金の調達に資することを目的とする。

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1項

この法律において「当せん金付証票」とは、その売得金の中から、くじびきにより購買者に当せん金品を支払い、又は交付する証票をいう。

2項

この法律において「加算型当せん金付証票」とは、当せん金付証票のうち、購入に当たつて、くじ引の対象となる数字の中から一定数の数字を選択し、当該選択した数字と くじ引により選択された数字との合致の割合に応じて当せん金品を支払い、又は交付するものであつて、次の各号に掲げる場合における当該各号に定める額の合計額を次回の同種の当せん金付証票を発売する場合においてその当せん金品の金額 又は価格の総額に加算金として算入するものをいう。

一 号

いずれかの合致の割合に該当する当せん金付証票がない場合

当該合致の割合に係る配分額(当該当せん金品の金額 又は価格の総額を合致の割合ごとに配分したものをいう。次号において同じ。

二 号

それぞれの合致の割合に係る配分額を当該合致の割合に該当する各当せん金付証票にあん分した金額 又は価格が第五条第二項に規定する一当せん金付証票の当せん金品の最高の金額 又は価格を超える場合

当該超える部分の金額 又は価格の総額

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1項

都道府県 並びに地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項の指定都市 及び地方財政法昭和二十三年法律第百九号第三十二条の規定により戦災による財政上の特別の必要を勘案して総務大臣が指定する市(以下 これらの市を特定市という。)は、同条に規定する公共事業 その他公益の増進を目的とする事業で地方行政の運営上緊急に推進する必要があるものとして総務省令で定める事業(次項 及び第六条第三項において「公共事業等」という。)の費用の財源に充てるため必要があると認めたときは、都道府県 及び特定市の議会が議決した金額の範囲内において、この法律の定めるところに従い、総務大臣の許可を受けて、当せん金付証票を発売することができる。

2項

前項の許可を受けようとする都道府県 及び特定市は、第七条第一項に掲げる事項 及び当せん金付証票の発売により調達する資金を財源とする公共事業等の計画を記載した申請書を、総務大臣に提出しなければならない。

3項

総務大臣は、第一項の規定による市の指定 及び同項の許可については、地方財政審議会の意見を聴かなければならない。

4項

当せん金付証票については、これに記載すべき情報を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして総務省令で定めるものをいう。以下 この項において同じ。)の作成をもつて、その作成に代えることができる。


この場合においては、当該電磁的記録は当せん金付証票と、当該電磁的記録に記録された情報の内容は当せん金付証票に表示された記載とみなす。

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1項

当せん金付証票の当せん金品の金額 又は価格の総額は、その発売総額の五割に相当する額(加算型当せん金付証票にあつては、その額に加算金(第二条第二項の加算金をいう。以下同じ。 )の額を加えた額)をこえてはならない。

2項

一当せん金付証票の当せん金品の最高の金額 又は価格は、証票金額の五十万倍に相当する額を超えてはならない。


ただし、総務大臣が当せん金付証票に関する世論の動向等を勘案して指定する当せん金付証票については、一当せん金付証票の当せん金品の最高の金額 又は価格は、証票金額の二百五十万倍総務大臣の指定する当せん金付証票が加算型当せん金付証票である場合で加算金のあるときにあつては、五百万倍)に相当する額を超えない範囲の額とすることができる。

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1項

当せん金付証票の作成、売りさばき その他発売 及び当せん金品の支払 又は交付(以下「当せん金付証票の発売等」という。)については、都道府県知事 又は特定市の市長は、当せん金付証票の発売等の事務のうち都道府県 又は特定市が自ら行うものを除き、銀行 その他政令で定める金融機関(以下「銀行等」という。)の申請により、その事務をこれに委託して取り扱わせることができる。

2項

銀行等は、他の法律の規定にかかわらず前項の規定により委託を受けた事務を行うことができる。

3項

都道府県知事 又は特定市の市長は、第一項の規定による委託を行おうとする場合には、当せん金付証票の発売等の事務のうち銀行等に委託して取り扱わせるもの(以下 この項において「委託対象事務」という。)の範囲 及び、一定期日までに申請する銀行等に対し、委託対象事務を委託して取り扱わせ、かつ、当せん金付証票の売得金のうち、次の各号に掲げる金額の合計額に相当するものを帰属させる旨を、当該当せん金付証票の発売期間の初日の三月前まで(災害 その他特別の事情に対応するための公共事業等の費用の財源に充てるために緊急に発売する必要があるものとして総務大臣が指定する当せん金付証票に係る委託対象事務を委託して取り扱わせる場合にあつては、当該当せん金付証票の発売期間の初日の一月前まで)に公告しなければならない。

一 号

当せん金付証票の売りさばき及び当せん金品の支払 又は交付に対する一定の手数料相当額

二 号

前号に掲げるもの並びに当せん金付証票の購入者に支払つた当せん金 及び その者に交付した当せん品の購入に必要な経費の金額(以下「手数料相当額等」という。)を除くほか、委託対象事務の実施に必要な一定の経費の金額。


ただし、手数料相当額等をもつて賄われるべき経費以外の経費で委託対象事務の実施に要したものの金額が当該一定の経費の金額に満たないときは、その要した経費の金額

4項

前項第一号に掲げる手数料相当額の料率は、一当せん金付証票につき、証票金額の一割を超えない範囲で、発売する都道府県知事 又は特定市の市長が、これを定める。

5項

第一項の規定に基づいて委託を受けた銀行等(以下「受託銀行等」という。)は、その委託に係る都道府県知事 又は特定市の市長の承認を得て、他の者に同項の規定により委託を受けた事務の一部を再委託することができる。

6項

都道府県知事 又は特定市の市長は、前項の承認をするかどうかを判断するために必要とされる基準を定め、あらかじめ公表しなければならない。

7項

何人も、当せん金付証票を転売してはならない

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1項

都道府県知事 又は特定市の市長は、当せん金付証票の発売につき、第四条第一項の規定により許可を受けたときは、その発売前に、次に掲げる事項を告示しなければならない。

一 号
名称
二 号

受託銀行等の名称 及び所在地

三 号
発売の数 及び総額
四 号
証票金額
五 号
発売期間
六 号

当せん金品の金額 又は種類 及び当せんの数

七 号

発売者 若しくは受託銀行等から直接に購入した者 若しくは当該購入者から贈与を受けた者 又は これらの者の相続人 その他の一般承継人以外の者は当せん金品を受領できないこと

八 号
証票を転売できないこと
九 号
その他必要な事項
2項

前項の告示は、当せん金付証票の発売後は、これを変更することができない

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1項

当せん金付証票には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。

一 号
名称
二 号
発売者
三 号
受託銀行等の名称
四 号
証票金額
五 号

くじ引に必要な組 及び番号 又は表示

六 号

第十条に掲げる事項

七 号

当せん金付証票の当せん金品の債権の時効完成の年月日

八 号

発売者 若しくは受託銀行等から直接に購入した者 若しくは当該購入者から贈与を受けた者 又は これらの者の相続人 その他の一般承継人以外の者は当せん金品を受領できないこと

九 号

証票を転売できないこと

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1項

滅失、紛失 又は盗難に因る当せん金付証票の再交付は、これをなさない。

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1項

当せん金付証票の当せん金品は、都道府県、特定市 若しくは受託銀行等から直接に当せん金付証票を購入した者 若しくは当該購入者から贈与を受けた者 又は これらの者の相続人 その他の一般承継人に対して、当せんを確認することができる当せん金付証票と引換えに、これを支払い、又は交付する。

2項

当せん金付証票を発売した都道府県、特定市 又は受託銀行等は、都道府県、特定市 若しくは受託銀行等から直接に当せん金付証票を購入した者 若しくは当該購入者から贈与を受けた者 又は これらの者の相続人 その他の一般の承継人に対してのみ、その当せん金品を支払い、又は交付する責めに任ずる。

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1項

前条の規定の適用については、遺失物法平成十八年法律第七十三号)の規定により当せん金付証票を保管している警察署長 又は同法 及び民法明治二十九年法律第八十九号第二百四十条の規定により当せん金付証票の所有権を取得した者は、都道府県、特定市 又は受託銀行等から 直接に当せん金付証票を購入した者とみなす。

2項

前項に規定する警察署長は、当該当せん金付証票の当せん金品の債権が時効により消滅するおそれがある場合に限り、都道府県、特定市 又は受託銀行等に対し、当該当せん金品の支払 又は交付の請求をしなければならない。

3項

前二項の規定により警察署長が受領した当せん金付証票の当せん金品に対する遺失物法 及び民法第二百四十条の規定の適用については、当該当せん金品は、その警察署長が保管していた当該当せん金付証票とみなす。

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1項

当せん金付証票の当せん金品の債権は、これを行使することができる時から一年間行使しないときは、時効によつて消滅する。

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1項

当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない

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1項

都道府県知事 又は特定市の市長は、相互に協力して広報活動等を行うことにより、当せん金付証票の発売が地方財政資金の調達に寄与していることについて住民の理解を深めるとともに、当せん金付証票に関する世論の動向等を的確に把握するように努めなければならない。

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1項

受託銀行等は、第六条第一項の規定により委託を受けた事務に関する経理については、その通常の業務の勘定と別な勘定を設けて行い、かつ、その勘定に属する資金を、総務省令で定めるところにより確実かつ有利な方法により管理する場合を除き、貸付け、投資 その他の通常の業務に使用してはならない。

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1項

受託銀行等は、その発売の事務を委託された当せん金付証票の当せん金 及び当せん金付証票の当せん品の購入に必要な経費については、当該当せん金付証票の売得金(加算型当せん金付証票にあつては、売得金に加算金を加えたもの。次条第一項において同じ。)のうちから支払うものとする。

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1項

受託銀行等は、都道府県 又は特定市の発売する当せん金付証票の売得金のうち、その金額から当せん金付証票の購入者に支払うべき当せん金の額 及び その者に交付すべき当せん品の購入に必要な経費の金額 並びに当該当せん金付証票についての第六条第三項第一号に掲げる金額 及び同項第二号本文に規定する一定の経費の金額の合計額(加算型当せん金付証票にあつては、その額に次回の加算型当せん金付証票を発売する場合における加算金とされるもの(次項 及び第三項において「加算予定金」という。)の金額を加えた額)を控除した残額に相当するものを、その発売期間満了後 一月を超えない範囲で当該都道府県知事 又は当該特定市の市長の指定する期間内に、当該都道府県 又は当該特定市に納付するものとする。

2項

受託銀行等は、都道府県 又は特定市が発売した加算型当せん金付証票に係る加算予定金を管理する場合において、当該都道府県 又は当該特定市が次回の加算型当せん金付証票を発売するときは、その発売期間の末日までに、当該都道府県、当該特定市 又は次回の加算型当せん金付証票に係る受託銀行等に当該加算予定金を引き渡さなければならない。

3項

受託銀行等は、都道府県 又は特定市が発売した加算型当せん金付証票に係る加算予定金を管理する場合において、当該加算型当せん金付証票の発売期間満了後一年以内次回の加算型当せん金付証票が発売されないときは、当該加算予定金を、当該発売期間満了後一年を経過した日から一月を超えない範囲で当該都道府県知事 又は当該特定市の市長の指定する期間内に、当該都道府県 又は当該特定市に納付しなければならない。

4項

受託銀行等は、都道府県 又は特定市の発売する当せん金付証票の当せん金品の債権が第十二条の規定により時効により消滅すべき日から 二月を超えない範囲で当該都道府県知事 又は当該特定市の市長の指定する期間内に、次の各号に掲げる金額の合計額に相当する金額を、当該都道府県 又は当該特定市に納付しなければならない。

一 号

当該当せん金付証票につき支払うべきであつた当せん金の合計額から その当せん金の債権の消滅の際までに支払つた当せん金の合計額を控除した残額

二 号

当該当せん金付証票につき交付すべきであつた当せん品でその債権の消滅の際までに交付しなかつたもののその際における時価に相当する金額

三 号

当該当せん金付証票の当せん金品でその債権が時効により消滅したものについての第六条第三項第一号に掲げる金額

四 号

手数料相当額等をもつて賄われるべき経費以外の経費で当該当せん金付証票の発売等について第六条第一項の規定により委託を受けた事務の実施に要したものの金額が、当該当せん金付証票についての同条第三項第二号本文に規定する一定の経費の金額に満たないときは、当該一定の経費の金額から その要した経費の金額を控除した残額

5項

受託銀行等は、第十四条の規定により設けられた勘定に属する資金の管理により毎月の初日から 末日までの間に生じた運用利益金に相当する金額を、総務省令で定めるところにより、翌月の十日までに都道府県 又は特定市に納付しなければならない。

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1項

受託銀行等は、都道府県知事 又は特定市の市長に、その委託を受けた当せん金付証票に関し、各月 及び要求されるごとに報告書を提出しなければならない。


この場合において、各月の報告書は、十五日以内に、これを提出するものとする。

2項

都道府県知事 又は特定市の市長は、少なくとも年三回、職員をして、その委託した業務に関し、受託銀行等の営業所 又は事務所に立ち入り、帳簿 その他の関係書類を検査させる。

3項

前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。

4項

都道府県知事 又は特定市の市長は、特に必要があると認めるときは、その委託した業務に関し、第二項の検査のほか、職員以外の者で監査に関する実務に精通しているものに委託して帳簿 その他の関係書類を検査させることができる。


この場合において、検査の委託を受けた者は、受託銀行等に対し、帳簿 その他の関係書類の提出を求めることができる。

5項

前項の規定に基づいて検査を行つた者は、検査の実施に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

6項

第四項の規定に基づいて検査を行う者は、検査の事務に関しては、刑法明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

7項

都道府県知事 又は特定市の市長は、第二項 及び第四項の検査の結果を総務大臣に報告しなければならない。

8項

総務大臣は、前項の報告を受けた場合において、当せん金付証票の発売等の事務の適正な執行を確保するために特に必要があると認めるときは、同項の都道府県知事 又は特定市の市長に対し、必要な措置を講ずることを求めることができる。

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1項

次の各号いずれかに該当する者は、これを十年以下の懲役 又は、百万円以下の罰金に処する。

一 号

第六条第七項の規定に違反し、当せん金付証票を転売した者

二 号

第十一条第一項の規定に違反し、当せん金品を支払い、若しくは交付し、又は受領した者

三 号

第十四条の規定に違反し、第六条第一項の規定により受託銀行等が委託を受けた事務に関し、その勘定に属する資金を貸付け、投資 その他の通常の業務に使用し、又は その経理を他の勘定と区分してなさず、若しくは虚偽の経理をした者

四 号

前条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

五 号

前条第二項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

2項

前条第五項の規定に違反して検査の実施に関して知り得た秘密を漏らした者は、二年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

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1項

受託銀行等の代表者、代理人 又は使用人 その他の従業者が、その受託銀行等の業務に関して、前条第一項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その受託銀行等に対しても、同項の罰金刑を科する。

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