労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第二条第三号に規定する事業者(以下この章 及び第十三章において「事業者」という。)、学校(専修学校 及び各種学校を含み、修業年限が一年未満のものを除く。以下同じ。)の長 又は矯正施設 その他の施設で政令で定めるもの(以下この章 及び第十三章において「施設」という。)の長は、それぞれ当該事業者の行う事業において業務に従事する者、当該学校の学生、生徒 若しくは児童 又は当該施設に収容されている者(小学校就学の始期に達しない者を除く。)であって政令で定めるものに対して、政令で定める定期において、期日 又は期間を指定して、結核に係る定期の健康診断を行わなければならない。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
第九章 結核
保健所長は、事業者(国、都道府県 及び保健所設置市等を除く。)又は学校 若しくは施設(国、都道府県 又は保健所設置市等の設置する学校 又は施設を除く。)の長に対し、前項の規定による定期の健康診断の期日又は期間の指定に関して指示することができる。
市町村長は、その管轄する区域内に居住する者(小学校就学の始期に達しない者を除く。)のうち、第一項の健康診断の対象者以外の者であって政令で定めるものに対して、政令で定める定期において、保健所長(保健所設置市等にあっては、都道府県知事)の指示を受け期日 又は期間を指定して、結核に係る定期の健康診断を行わなければならない。
第一項の健康診断の対象者に対して労働安全衛生法、学校保健安全法(昭和三十三年法律第五十六号)その他の法律 又はこれらに基づく命令 若しくは規則の規定によって健康診断が行われた場合において、その健康診断が第五十三条の九の技術的基準に適合するものであるときは、当該対象者に対してそれぞれ事業者 又は学校 若しくは施設の長が、同項の規定による定期の健康診断を行ったものとみなす。
第一項 及び第三項の規定による健康診断の回数は、政令で定める。
前条第一項 又は第三項の健康診断の対象者は、それぞれ指定された期日 又は期間内に、事業者、学校 若しくは施設の長 又は市町村長の行う健康診断を受けなければならない。
前項の規定により健康診断を受けるべき者が十六歳未満の者 又は成年被後見人であるときは、その保護者において、その者に健康診断を受けさせるために必要な措置を講じなければならない。
定期の健康診断を受けるべき者が、健康診断を受けるべき期日 又は期間満了前三月以内に第五十三条の九の技術的基準に適合する健康診断を受け、かつ、当該期日又は期間満了の日までに医師の診断書その他その健康診断の内容を証明する文書を当該健康診断の実施者に提出したときは、定期の健康診断を受けたものとみなす。
疾病 その他やむを得ない事故のため定期の健康診断を受けることができなかった者は、その事故が二月以内に消滅したときは、その事故の消滅後一月以内に、健康診断を受け、かつ、その健康診断の内容を記載した医師の診断書 その他その健康診断の内容を証明する文書を当該健康診断の実施者に提出しなければならない。
定期の健康診断の実施者(以下この章において「健康診断実施者」という。)は、定期の健康診断を行い、又は前二条の規定による診断書 その他の文書の提出を受けたときは、遅滞なく、健康診断に関する記録を作成し、かつ、これを保存しなければならない。
健康診断実施者は、定期の健康診断を受けた者から前項の規定により作成された記録の開示を求められたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。
健康診断実施者は、定期の健康診断を行ったときは、その健康診断(第五十三条の四 又は第五十三条の五の規定による診断書 その他の文書の提出を受けた健康診断を含む。)につき、受診者の数 その他厚生労働省令で定める事項を当該健康診断を行った場所を管轄する保健所長(その場所が保健所設置市等の区域内であるときは、保健所長 及び保健所設置市等の長)を経由して、都道府県知事に通報 又は報告しなければならない。
前項の規定は、他の法律 又はこれに基づく命令若しくは規則の規定による健康診断実施者が、第五十三条の二第四項の規定により同条第一項の規定による健康診断とみなされる健康診断を行った場合について準用する。
保健所長は、第五十三条の二第二項の規定により、事業者の行う事業において業務に従事する者で労働安全衛生法の適用を受けるものに関し、当該事業者に対して指示をするに当たっては、あらかじめ、当該事業の所在地を管轄する労働基準監督署長と協議しなければならない。
保健所長は、教育委員会の所管に属する学校については、第五十三条の二第二項の指示に代えて、その指示すべき事項を当該教育委員会に通知するものとする。
教育委員会は、前項の通知があったときは、必要な事項を当該学校に指示するものとする。
定期の健康診断の方法 及び技術的基準、第五十三条の四 又は第五十三条の五に規定する診断書 その他の文書の記載事項 並びに健康診断に関する記録の様式 及び保存期間は、厚生労働省令で定める。
都道府県知事は、第十二条第一項の規定による結核患者に係る届出を受けた場合において、当該届出がその者の居住地を管轄する保健所長以外の保健所長を経由して行われたときは、直ちに当該届出の内容をその者の居住地を管轄する保健所長に通知しなければならない。
病院の管理者は、結核患者が入院したとき、又は入院している結核患者が退院したときは、七日以内に、当該患者について厚生労働省令で定める事項を、最寄りの保健所長に届け出なければならない。
保健所長は、その管轄する区域内に居住する者以外の者について前項の届出を受けたときは、その届出の内容を、当該患者の居住地を管轄する保健所長に通知しなければならない。
保健所長は、結核登録票を備え、これに、その管轄する区域内に居住する結核患者及び厚生労働省令で定める結核回復者に関する事項を記録しなければならない。
前項の記録は、第十二条第一項の規定による届出又は第五十三条の十の規定による通知があった者について行うものとする。
結核登録票に記載すべき事項、その移管 及び保存期間その他登録票に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
保健所長は、結核登録票に登録されている者に対して、結核の予防 又は医療上必要があると認めるときは、エックス線検査 その他厚生労働省令で定める方法による精密検査を行うものとする。
保健所長は、結核登録票に登録されている者について、結核の予防 又は医療上必要があると認めるときは、保健師 又はその他の職員をして、その者の家庭を訪問させ、処方された薬剤を確実に服用する指導その他必要な指導を行わせるものとする。
保健所長は、結核登録票に登録されている者について、結核の予防 又は医療を効果的に実施するため必要があると認めるときは、病院、診療所、薬局 その他厚生労働省令で定めるものに対し、厚生労働大臣が定めるところにより、処方された薬剤を確実に服用する指導 その他必要な指導の実施を依頼することができる。
医師は、結核患者を診療したときは、本人 又はその保護者 若しくは現にその患者を看護する者に対して、処方した薬剤を確実に服用すること その他厚生労働省令で定める患者の治療に必要な事項 及び消毒 その他厚生労働省令で定める感染の防止に必要な事項を指示しなければならない。