日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律

# 令和五年法律第四十一号 #

第四節 指定試験機関

分類 法律
カテゴリ   教育
最終編集日 : 2024年 07月23日 18時29分


1項

文部科学大臣は、その指定する者(以下この節において「指定試験機関」という。)に、日本語教員試験の実施に関する事務(以下この節 並びに第六十八条第六十九条 及び第七十一条第四号において「試験事務」という。)を行わせることができる。

2項

指定試験機関は、試験事務の実施に関し第二十四条に規定する文部科学大臣の職権を行うことができる。

3項

文部科学大臣は、第一項の規定により指定試験機関に試験事務を行わせるときは、試験事務を行わないものとする。

1項

前条第一項の規定による指定(以下この節において「指定」という。)は、試験事務を行おうとする者の申請により行う。

2項

指定を受けようとする者は、文部科学省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書に、次項各号のいずれにも適合していることを証する書類 その他の文部科学省令で定める書類を添えて、文部科学大臣に提出しなければならない。

一 号
指定を受けようとする者の名称、代表者の氏名 及び主たる事務所の所在地
二 号
その他文部科学省令で定める事項
3項

文部科学大臣は、他に指定を受けた者がなく、かつ、指定の申請が次の各号いずれにも適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。

一 号
職員、設備、試験事務の実施の方法 その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が定められ、かつ、当該計画が試験事務の適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
二 号

指定を受けようとする者が、前号の計画の適正かつ確実な実施に必要な経理的 及び技術的な基礎を有すること。

三 号

指定を受けようとする者が試験事務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって試験事務が不公正となるおそれがないこと。

4項

次の各号いずれかに該当する者は、指定を受けることができない。

一 号

一般社団法人 又は一般財団法人以外の

二 号

第四十条第一項 又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者

三 号

その役員のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの

拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者

第三十一条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して五年を経過しない者

第四十条第一項 又は第二項の規定による取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があった日前六十日以内に当該取消しを受けた法人の役員であった者でその取消しの日から五年を経過しないもの

5項

文部科学大臣は、指定をしたときは、第二項第一号に掲げる事項 その他の文部科学省令で定める事項を官報で公示するものとする。

1項

指定試験機関は、前条第二項各号に掲げる事項を変更するときは、文部科学省令で定めるところにより、その二週間前までに、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。

2項

文部科学大臣は、前条第五項に規定する事項について前項の規定による届出があったときは、その旨を官報で公示するものとする。

1項
指定試験機関の役員の選任 及び解任は、文部科学大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2項

文部科学大臣は、指定試験機関の役員が、この法律、この法律に基づく命令 若しくは処分 若しくは第三十四条第一項に規定する試験事務規程に違反する行為をしたとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、当該役員の解任を命ずることができる。

1項
指定試験機関は、日本語教育を行うために必要な知識 及び技能を有するかどうかの判定に関する事務については、試験委員に行わせなければならない。
2項

指定試験機関は、文部科学省令で定める要件を備える者のうちから試験委員を選任しなければならない。

3項

指定試験機関は、試験委員を選任したときは、その日から二週間以内に、文部科学省令で定めるところにより、その旨を文部科学大臣に届け出なければならない。


試験委員を変更したときも、同様とする。

4項

前条第二項の規定は、試験委員の解任について準用する。

1項

指定試験機関の役員 若しくは職員(試験委員を含む。次項において同じ。)又はこれらの職にあった者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

2項

試験事務に従事する指定試験機関の役員 又は職員は、刑法明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

1項

指定試験機関は、試験事務の実施に関する規程(以下 この条 及び第四十条第二項第四号において「試験事務規程」という。)を定め、試験事務の開始前に、文部科学大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項
試験事務規程には、日本語教育を行うために必要な知識 及び技能を有するかどうかの判定の基準 その他文部科学省令で定める事項を定めなければならない。
3項

文部科学大臣は、第一項の認可をした試験事務規程が試験事務の適正かつ確実な実施上不適当となったと認めるときは、指定試験機関に対し、その試験事務規程を変更すべきことを命ずることができる。

1項

指定試験機関は、文部科学省令で定めるところにより、毎事業年度、事業計画書 及び収支予算書を作成し、文部科学大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

指定試験機関は、毎事業年度、文部科学省令で定めるところにより、事業報告書 及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に文部科学大臣に提出しなければならない。

1項

指定試験機関は、試験事務について、文部科学省令で定めるところにより、帳簿を備え、これに文部科学省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

1項
文部科学大臣は、試験事務の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、指定試験機関に対し、試験事務に関し必要な報告 若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、指定試験機関の事務所 その他必要な場所に立ち入り、試験事務に関し質問させ、若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させることができる。
2項

前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

1項
文部科学大臣は、試験事務の適正かつ確実な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
1項
指定試験機関は、文部科学大臣の許可を受けなければ、試験事務の全部 又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
2項

文部科学大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を官報で公示するものとする。

3項

文部科学大臣が第一項の規定により試験事務の全部の廃止を許可したときは、指定は、その効力を失う。

1項

文部科学大臣は、指定試験機関が次の各号いずれかに該当するときは、その指定を取り消すものとする。

一 号
偽りその他不正の手段により指定を受けたとき。
二 号

第二十九条第四項第一号 又は第三号に該当するに至ったとき。

2項

文部科学大臣は、指定試験機関が次の各号いずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

第二十九条第三項各号いずれかに適合しなくなったと認められるとき。

二 号

第三十条第一項第三十二条第一項から第三項まで第三十五条第三十六条 又は前条第一項の規定に違反したとき。

三 号

第三十一条第二項第三十二条第四項において準用する場合を含む。)、第三十四条第三項 又は第三十八条の規定による命令に違反したとき。

四 号

第三十四条第一項の認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行ったとき。

五 号

第三十七条第一項の規定による報告 若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

六 号

第四十二条第一項の規定により付された条件に違反したとき。

3項

文部科学大臣は、前二項の規定により指定を取り消し、又は試験事務の全部 若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を官報で公示するものとする。

1項

文部科学大臣は、指定試験機関が第三十九条第一項の許可を受けて試験事務の全部 若しくは一部を休止したとき、前条第二項の規定により指定試験機関に対し試験事務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災 その他の事由により試験事務の全部 若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、試験事務の全部 又は一部を自ら行うものとする。

2項

文部科学大臣は、前項の規定により試験事務の全部 若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行っていた試験事務の全部 若しくは一部を行わないこととするときは、その旨を官報で公示するものとする。

3項

文部科学大臣が、第一項の規定により試験事務を行うこととし、第三十九条第一項の規定により試験事務の廃止を許可し、又は前条第一項 若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合における試験事務の引継ぎ その他の必要な事項は、文部科学省令で定める。

1項

文部科学大臣は、指定、第三十一条第一項第三十四条第一項 若しくは第三十五条第一項の認可 又は第三十九条第一項の許可(次項において「指定等」という。)には、条件を付し、及びこれを変更することができる。

2項

前項の条件は、指定等に係る事項の適正かつ確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、指定等を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。

1項

指定試験機関が行う試験事務に係る処分 又はその不作為について不服がある者は、文部科学大臣に対し、審査請求をすることができる。


この場合において、文部科学大臣は、行政不服審査法平成二十六年法律第六十八号第二十五条第二項 及び第三項第四十六条第一項 及び第二項第四十七条 並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定試験機関の上級行政庁とみなす。

1項

指定試験機関が試験事務を行う場合においては、指定試験機関が行う日本語教員試験を受けようとする者は、第二十五条の規定にかかわらず同条の政令で定める額の手数料を指定試験機関に納付しなければならない。


この場合において、納付された手数料は、指定試験機関の収入とする。