更生保護施設においては、その施設で行う処遇の方法を明らかにする規程(以下「処遇規程」という。)を定めなければならない。
更生保護施設における処遇の基準等に関する規則
第二章 処遇の基準
保護観察所の長から法令の規定に基づく保護の委託を受けたときは、委託の趣旨に従い、かつ、法第四十九条の二 及び処遇規程の定めるところにより、速やかにその保護を行わなければならない。
被保護者から保護の申出を受けた場合において、当該被保護者が現に改善更生のための保護を必要としていると認めたときは、法第四十九条の二 及び処遇規程の定めるところにより、その改善更生のため最も適切と認められる保護を行うものとする。
被保護者に対しては、常に懇切で誠意ある態度で接するほか、次に掲げる事項に留意して個別的 又は集団的に処遇しなければならない。
法第四十九条の二第二号に規定する処遇の計画(以下「処遇計画」という。)に従って、被保護者に最もふさわしい方法を用いて生活指導 又は特定の犯罪的傾向を改善するための援助等を行うことにより、自律 及び協調の精神を会得させ、その他健全な社会生活に適応するために必要な態度、習慣 及び能力を養わせること。
更生保護施設においては、処遇の適正を図るため、保護を委託した保護観察所の長と常時密接な連携を保ち、その保護の内容が適当でないか 又は十分でないと認めるに至ったときは、速やかに当該保護観察所の長に連絡しなければならない。
被保護者に対しては、その改善更生のために、親族からの援助 又は公共の衛生福祉に関する機関 その他の機関からの保護を受けさせることが適当であると認める場合には、その援助 又は保護が受けられるように、あっせんをしなければならない。
処遇計画は、前項による更生計画のほか、被保護者の身上関係、犯罪 及び非行関係、家族関係等を総合的に判断して、保護の開始後速やかに定めるものとする。
前各項のほか、被保護者に対し、更生保護施設において守らなければならない事項を説示し、誓約 その他の方法によりこれを守らせるように努めるものとする。
被保護者に宿泊場所を供与するときは、健康で規律ある共同生活を維持するため、当該被保護者の性別、年齢、性格、心身の状況、前歴、行状 及び処遇の方針に留意して居室(専ら被保護者の宿泊の用に供する部屋をいう。以下同じ。)を指定しなければならない。
食事は、更生保護施設内で調理して給与するものとする。
ただし、被保護者が十分な理由に基づいて外食を希望し、又はやむを得ない事情のため施設内で調理し 若しくは給与することができない場合は、この限りでない。
更生保護施設内で宿泊場所の供与に併せて給与する食事は、一週間ごとにその献立の予定を立て、予定表を食堂 その他の適当な場所に掲示しなければならない。
被保護者に宿泊場所を供与するときは、身体 及び生活環境を清潔に保持するため、次に掲げる事項を実施しなければならない。
被保護者を、一週間に三回以上入浴させること。
前各号に掲げるもののほか、施設の内外にわたり必要な清掃 並びに塵芥 及び汚物の処理を励行し、施設の衛生の管理に努めること。
更生保護施設において職業訓練 その他の作業に従事させた被保護者に支払う賃金については、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)の規定に従わなければならない。
被保護者からその所有する金品の保管の依頼を受ける場合には、当該被保護者に立ち会わせてその種類 及び数量を明らかにし、当該被保護者に保管証を交付しなければならない。
前二項の規定により保管した金品は、被保護者の申出があったときは、理由を確かめて当該被保護者に返還するものとする。
保護観察所の長の委託に基づかないで被保護者に金品を給与し、又は貸与するときは、その改善更生を保護する立場から、その使途 及び弁済の見込み 並びに処遇の公平 及び当該被保護者の自助の精神に対する影響を考慮しなければならない。
貸与した金品の返還を受けたときは、それを証する書面を交付しなければならない。
前項の規定は、第三条第三項の保護を行った場合において、被保護者からその費用の償還を受けることを妨げるものではない。