民事訴訟法

# 平成八年法律第百九号 #
略称 : 民訴法 

第二節 証人尋問

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年三月一日 ( 2024年 3月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第四十八号による改正
最終編集日 : 2024年 04月19日 20時10分


1項

裁判所は、特別の定めがある場合を除き、何人でも証人として尋問することができる。

1項

公務員 又は公務員であった者を証人として職務上の秘密について尋問する場合には、裁判所は、当該監督官庁(衆議院 若しくは参議院の議員 又はその職にあった者についてはその院、内閣総理大臣 その他の国務大臣 又はその職にあった者については内閣)の承認を得なければならない。

2項

前項の承認は、公共の利益を害し、又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある場合を除き拒むことができない

1項

証人が正当な理由なく出頭しないときは、裁判所は、決定で、これによって生じた訴訟費用の負担を命じ、かつ、十万円以下の過料に処する。

2項

前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

証人が正当な理由なく出頭しないときは、十万円以下の罰金 又は拘留に処する。

2項

前項の罪を犯した者には、情状により、罰金 及び拘留を併科することができる。

1項

裁判所は、正当な理由なく出頭しない証人の勾引を命ずることができる。

2項

刑事訴訟法中 勾引に関する規定は、前項の勾引について準用する。

1項

裁判所は、次に掲げる場合に限り、受命裁判官 又は受託裁判官に裁判所外で証人の尋問をさせることができる。

一 号

証人が受訴裁判所に出頭する義務がないとき、又は正当な理由により出頭することができないとき。

二 号

証人が受訴裁判所に出頭するについて不相当な費用 又は時間を要するとき。

三 号

現場において証人を尋問することが事実を発見するために必要であるとき。

四 号
当事者に異議がないとき。
1項

証言が証人 又は証人と次に掲げる関係を有する者が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれがある事項に関するときは、証人は、証言を拒むことができる。


証言がこれらの者の名誉を害すべき事項に関するときも、同様とする。

一 号

配偶者、四親等内の血族 若しくは三親等内の姻族の関係にあり、又はあったこと。

二 号

後見人と被後見人の関係にあること。

1項

次に掲げる場合には、証人は、証言を拒むことができる

一 号

第百九十一条第一項の場合

二 号

医師、歯科医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、弁護人、公証人、宗教、祈祷 若しくは祭祀の職にある者 又はこれらの職にあった者が職務上知り得た事実で黙秘すべきものについて尋問を受ける場合

三 号

技術 又は職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合

2項

前項の規定は、証人が黙秘の義務を免除された場合には、適用しない

1項

証言拒絶の理由は、疎明しなければならない。

1項

第百九十七条第一項第一号の場合を除き、証言拒絶の当否については、受訴裁判所が、当事者を審尋して、決定で、裁判をする。

2項

前項の裁判に対しては、当事者 及び証人は、即時抗告をすることができる。

1項

第百九十二条 及び第百九十三条の規定は、証言拒絶を理由がないとする裁判が確定した後に証人が正当な理由なく証言を拒む場合について準用する。

1項

証人には、特別の定めがある場合を除き、宣誓をさせなければならない。

2項

十六歳未満の者 又は宣誓の趣旨を理解することができない者を証人として尋問する場合には、宣誓をさせることができない

3項

第百九十六条の規定に該当する証人で証言拒絶の権利を行使しないものを尋問する場合には、宣誓をさせないことができる。

4項

証人は、自己 又は自己と第百九十六条各号に掲げる関係を有する者に著しい利害関係のある事項について尋問を受けるときは、宣誓を拒むことができる。

5項

第百九十八条 及び第百九十九条の規定は証人が宣誓を拒む場合について、第百九十二条 及び第百九十三条の規定は宣誓拒絶を理由がないとする裁判が確定した後に証人が正当な理由なく宣誓を拒む場合について準用する。

1項

証人の尋問は、その尋問の申出をした当事者、他の当事者、裁判長の順序でする。

2項

裁判長は、適当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、前項の順序を変更することができる。

3項

当事者が前項の規定による変更について異議を述べたときは、裁判所は、決定で、その異議について裁判をする。

1項

証人は、書類に基づいて陳述することができない


ただし、裁判長の許可を受けたときは、この限りでない。

1項

裁判長は、証人の年齢 又は心身の状態 その他の事情を考慮し、証人が尋問を受ける場合に著しく不安 又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、その不安 又は緊張を緩和するのに適当であり、かつ、裁判長 若しくは当事者の尋問 若しくは証人の陳述を妨げ、又はその陳述の内容に不当な影響を与えるおそれがないと認める者を、その証人の陳述中、証人に付き添わせることができる。

2項

前項の規定により証人に付き添うこととされた者は、その証人の陳述中、裁判長 若しくは当事者の尋問 若しくは証人の陳述を妨げ、又はその陳述の内容に不当な影響を与えるような言動をしてはならない。

3項

当事者が、第一項の規定による裁判長の処置に対し、異議を述べたときは、裁判所は、決定で、その異議について裁判をする。

1項

裁判長は、事案の性質、証人の年齢 又は心身の状態、証人と当事者本人 又はその法定代理人との関係(証人がこれらの者が行った犯罪により害を被った者であることを含む。次条第二号において同じ。)その他の事情により、証人が当事者本人 又はその法定代理人の面前(同条に規定する方法による場合を含む。)において陳述するときは圧迫を受け 精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合であって、相当と認めるときは、その当事者本人 又は法定代理人と その証人との間で、一方から 又は相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置をとることができる。

2項

裁判長は、事案の性質、証人が犯罪により害を被った者であること、証人の年齢、心身の状態 又は名誉に対する影響 その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、傍聴人と その証人との間で、相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置をとることができる。

3項

前条第三項の規定は、前二項の規定による裁判長の処置について準用する。

1項

裁判所は、次に掲げる場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、証人の尋問をすることができる。

一 号
証人が遠隔の地に居住するとき。
二 号

事案の性質、証人の年齢 又は心身の状態、証人と当事者本人 又はその法定代理人との関係 その他の事情により、証人が裁判長 及び当事者が証人を尋問するために在席する場所において陳述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合であって、相当と認めるとき。

1項

裁判所は、相当と認める場合において、当事者に異議がないときは、証人の尋問に代え、書面の提出をさせることができる。

1項

受命裁判官 又は受託裁判官が証人尋問をする場合には、裁判所 及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。


ただし第二百二条第三項の規定による異議についての裁判は、受訴裁判所がする。