国、都道府県 及び市町村以外の者は、養子縁組あっせん事業を行おうとするときは、当該養子縁組あっせん事業を行おうとする事業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。
民間あっせん機関による養子縁組のあっせんに係る児童の保護等に関する法律
第二章 民間あっせん機関の許可等
前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
氏名 又は名称 及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
法人にあっては、その役員の氏名 及び住所
養子縁組あっせん事業を行う 事業所の名称 及び所在地
第三十六条第一項の規定により選任する養子縁組あっせん責任者の氏名 及び住所 並びに経歴
その他 厚生労働省令で定める事項
前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
法人にあっては、定款 その他の基本約款を記載した書類
養子縁組あっせん事業の実施方法を記載した書類
養子縁組あっせん事業を行う 事業所ごとの当該養子縁組あっせん事業に係る事業計画書
申請者の財産目録、貸借対照表、収支計算書 又は損益計算書 その他の当該申請に係る養子縁組あっせん事業を行うのに必要な経理的基礎を有することを明らかにする書類であって厚生労働省令で定めるもの
養子縁組のあっせんに関し手数料を徴収する場合にあっては、当該手数料の算定の基準を記載した書類であって厚生労働省令で定めるもの
その他 厚生労働省令で定める書類
都道府県知事は、前条第一項の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときは、同項の許可をしなければならない。
養子縁組あっせん事業を行うのに必要な経理的基礎を有すること。
養子縁組あっせん事業を行う者(その者が法人である場合にあっては、その経営を担当する役員)が社会的信望を有すること。
申請者が社会福祉法人、医療法人 その他 厚生労働省令で定める者であること。
養子縁組あっせん事業の経理が他の経理と分離できる等その性格が社会福祉法人に準ずるものであること。
営利を目的として養子縁組あっせん事業を行おうとするものでないこと。
脱税 その他不正の目的で養子縁組あっせん事業を行おうとするものでないこと。
個人情報を適正に管理し、及び児童、児童の父母、養親希望者 その他の関係者の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。
前各号に定めるもののほか、申請者が、養子縁組あっせん事業を適正に遂行することができる能力を有すること。
都道府県知事は、前条第一項の許可のための審査に当たっては、厚生労働省令で定めるところにより、申請に係る養子縁組あっせん事業の実施に係る体制について申請者に対し説明を求め、及び実地の調査を行うものとする。
都道府県知事は、前条第一項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに 該当する者に対しては、第六条第一項の許可をしてはならない。
心身の故障により養子縁組あっせん事業を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から 起算して五年を経過しない者
この法律、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)その他 国民の福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)第二条に規定する児童虐待又は児童福祉法第三十三条の十に規定する被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者
第十六条第一項の規定により養子縁組あっせん事業の許可を取り消され、その取消しの日から起算して五年を経過しない者
営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人が前各号 又は次号のいずれかに該当するもの
法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに 該当する者があるもの
民間あっせん機関は、厚生労働省令で定める種類の手数料を徴収する場合を除き、養子縁組のあっせんに関し、いかなる名義でも、実費 その他の手数料 又は報酬を受けてはならない。
民間あっせん機関は、厚生労働省令で定めるところにより、養子縁組のあっせんに関する手数料の額その他 養子縁組のあっせんに係る業務に関しあらかじめ関係者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項に関し、情報の提供を行わなければならない。
都道府県知事は、第六条第一項の許可をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、養子縁組あっせん事業を行う 事業所の数に応じ、許可証を交付しなければならない。
許可証の交付を受けた者は、当該許可証を、養子縁組あっせん事業を行う事業所ごとに備え付けるとともに、関係者から 請求があったときは提示しなければならない。
許可証の交付を受けた者は、当該許可証を亡失し、又は当該許可証が滅失したときは、速やかにその旨を都道府県知事に届け出て、許可証の再交付を受けなければならない。
第六条第一項の許可には、条件を付し、及び これを変更することができる。
前項の条件は、第六条第一項の許可の趣旨に照らして、又は当該許可に係る事項の確実な実施を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可を受ける者に不当な義務を課することとなるものであってはならない。
第六条第一項の許可の有効期間は、当該許可の日から起算して三年とする。
前項に規定する許可の有効期間(当該許可の有効期間についてこの項の規定により更新を受けたときにあっては、当該更新を受けた許可の有効期間)の満了後引き続き当該許可に係る養子縁組あっせん事業を行おうとする者は、許可の有効期間の更新を受けなければならない。
都道府県知事は、前項に規定する許可の有効期間の更新の申請があった場合において、当該申請が第七条第一項各号に掲げる基準に適合していると認めるときは、当該許可の有効期間の更新をしなければならない。
第二項の規定によりその更新を受けた場合における第六条第一項の許可の有効期間は、当該更新前の許可の有効期間が満了する日の翌日から起算して五年とする。
第六条第二項 及び第三項、第七条第二項 並びに第八条(第六号を除く。)の規定は、第二項に規定する許可の有効期間の更新について準用する。
民間あっせん機関は、第六条第二項各号に掲げる事項(厚生労働省令で定めるものを除く。)に変更があったときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
この場合において、当該変更に係る事項が養子縁組あっせん事業を行う事業所の新設に係るものであるときは、当該事業所に係る事業計画書 その他 厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない。
都道府県知事は、前項の規定により養子縁組あっせん事業を行う 事業所の新設に係る変更の届出があったときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該新設に係る事業所の数に応じ、許可証を交付しなければならない。
民間あっせん機関は、第一項の規定による届出をする場合において、当該届出に係る事項が許可証の記載事項に該当するときは、厚生労働省令で定めるところにより、その書換えを受けなければならない。
民間あっせん機関は、養子縁組あっせん事業を廃止したときは、遅滞なく、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
前項の規定による届出があったときは、第六条第一項の許可は、その効力を失う。
都道府県知事は、民間あっせん機関が、その業務に関しこの法律 又は この法律に基づく 命令の規定に違反した場合において、当該業務の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、当該民間あっせん機関に対し、当該業務の運営を改善するために必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
都道府県知事は、民間あっせん機関が次の各号のいずれかに該当するときは、第六条第一項の許可を取り消すことができる。
第八条各号(第六号を除く。)のいずれかに該当しているとき。
この法律 若しくは この法律に基づく命令の規定又は この法律の規定に基づく 処分に違反したとき。
第十一条第一項の規定により付された許可の条件に違反したとき。
都道府県知事は、民間あっせん機関が前項第二号 又は第三号に該当するときは、期間を定めて養子縁組あっせん事業の全部 又は一部の停止を命ずることができる。
民間あっせん機関は、自己の名義をもって、他人に養子縁組あっせん事業を行わせてはならない。
民間あっせん機関は、厚生労働省令で定めるところにより、養子縁組のあっせんに係る業務に関する事項で厚生労働省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。
民間あっせん機関は、第十六条第一項の規定により第六条第一項の許可を取り消されたとき、第十二条第二項の規定による許可の有効期間の更新を受けなかったとき又は養子縁組あっせん事業を廃止しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、その保存に係る前条の帳簿を、都道府県知事 又は 他の民間あっせん機関に引き継がなければならない。
前項の規定により同項の帳簿の引継ぎを受けた民間あっせん機関は、厚生労働省令で定めるところにより、その帳簿を保存しなければならない。
民間あっせん機関は、厚生労働省令で定めるところにより、養子縁組あっせん事業を行う事業所ごとの養子縁組あっせん事業に係る事業報告書を作成し、都道府県知事に提出しなければならない。
民間あっせん機関は、その行う養子縁組のあっせんに係る業務の質について、自ら評価を行うとともに、厚生労働省令で定めるところにより、評価機関(養子縁組のあっせんに係る業務についての評価を行う機関として厚生労働省令で定める者をいう。)による評価を受け、それらの結果を公表しなければならない。
民間あっせん機関は、前項の評価の結果に基づき、養子縁組のあっせんに係る業務の改善を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
国 又は地方公共団体は、民間あっせん機関を支援するために必要な財政上の措置、養子縁組のあっせんに係る業務に従事する者に対する研修その他の措置を講ずることができる。