自殺対策基本法

# 平成十八年法律第八十五号 #
略称 : 自殺対策法 

第三章 基本的施策

分類 法律
カテゴリ   社会福祉
@ 施行日 : 平成二十八年四月一日
@ 最終更新 : 平成二十八年法律第十一号による改正
最終編集日 : 2023年 08月21日 21時50分


1項

国 及び地方公共団体は、自殺対策の総合的かつ効果的な実施に資するため、自殺の実態、自殺の防止、自殺者の親族等の支援の在り方、地域の状況に応じた自殺対策の在り方、自殺対策の実施の状況等 又は心の健康の保持増進についての調査研究 及び検証 並びにその成果の活用を推進するとともに、自殺対策について、先進的な取組に関する情報 その他の情報の収集、整理 及び提供を行うものとする。

2項

国 及び地方公共団体は、前項の施策の効率的かつ円滑な実施に資するための体制の整備を行うものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、大学、専修学校、関係団体等との連携協力を図りながら、自殺対策に係る人材の確保、養成 及び資質の向上に必要な施策を講ずるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、職域、学校、地域等における国民の心の健康の保持に係る教育 及び啓発の推進 並びに相談体制の整備、事業主、学校の教職員等に対する国民の心の健康の保持に関する研修の機会の確保等必要な施策を講ずるものとする。

2項

国 及び地方公共団体は、前項の施策で大学 及び高等専門学校に係るものを講ずるに当たっては、大学 及び高等専門学校における教育の特性に配慮しなければならない。

3項

学校は、当該学校に在籍する児童、生徒等の保護者、地域住民 その他の関係者との連携を図りつつ、当該学校に在籍する児童、生徒等に対し、各人がかけがえのない個人として共に尊重し合いながら生きていくことについての意識の涵養等に資する教育 又は啓発、困難な事態、強い心理的負担を受けた場合等における対処の仕方を身に付ける等のための教育 又は啓発 その他当該学校に在籍する児童、生徒等の心の健康の保持に係る教育 又は啓発を行うよう努めるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、心の健康の保持に支障を生じていることにより自殺のおそれがある者に対し必要な医療が早期かつ適切に提供されるよう、精神疾患を有する者が精神保健に関して学識経験を有する医師(以下この条において「精神科医」という。)の診療を受けやすい環境の整備、良質かつ適切な精神医療が提供される体制の整備、身体の傷害 又は疾病についての診療の初期の段階における当該診療を行う医師と精神科医との適切な連携の確保、救急医療を行う医師と精神科医との適切な連携の確保、精神科医とその地域において自殺対策に係る活動を行うその他の心理、保健福祉等に関する専門家、民間の団体等の関係者との円滑な連携の確保等必要な施策を講ずるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、自殺をする危険性が高い者を早期に発見し、相談 その他の自殺の発生を回避するための適切な対処を行う体制の整備 及び充実に必要な施策を講ずるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、自殺未遂者が再び自殺を図ることのないよう、自殺未遂者等への適切な支援を行うために必要な施策を講ずるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、自殺 又は自殺未遂が自殺者 又は自殺未遂者の親族等に及ぼす深刻な心理的影響が緩和されるよう、当該親族等への適切な支援を行うために必要な施策を講ずるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、民間の団体が行う自殺の防止、自殺者の親族等の支援等に関する活動を支援するため、助言、財政上の措置 その他の必要な施策を講ずるものとする。