この法律は、わが国における自転車の利用状況にかんがみ、自転車が安全に通行することができる自転車道の整備等に関し必要な措置を定め、もつて交通事故の防止と交通の円滑化に寄与し、あわせて自転車の利用による国民の心身の健全な発達に資することを目的とする。
自転車道の整備等に関する法律
この法律において「道路」とは、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路をいう。
この法律において「道路管理者」とは、道路法第十八条第一項に規定する道路管理者(同法第八十八条第二項の規定により国土交通大臣が改築を行う道路にあつては、国土交通大臣)をいう。
この法律において「自転車道」とは、次に掲げるものをいう。
もつぱら自転車の通行の用に供することを目的とする道路 又は道路の部分
自転車 及び歩行者の共通の通行の用に供することを目的とする道路 又は道路の部分
この法律において「自転車道整備事業」とは、自転車道の設置に関する事業をいう。
国 及び地方公共団体は、第一条に規定する目的を達成するため、自転車道整備事業が有効かつ適切に実施されるよう必要な配慮をしなければならない。
道路管理者は、道路法第三十条第一項の政令 又は同条第二項の政令 及び同条第三項の規定に基づく条例で定める基準に従い、自転車 及び自動車の交通量、道路における交通事故の発生状況 その他の事情を考慮して自転車道整備事業を実施するよう努めなければならない。
社会資本整備重点計画法(平成十五年法律第二十号)第二条第一項に規定する社会資本整備重点計画は、自転車道の計画的整備が促進されるよう 配慮して定められなければならない。
道路管理者は、自転車の通行の安全を確保し、あわせて自転車の利用による国民の心身の健全な発達に資するため、道路法第四十八条の十三第一項の規定による指定をした道路 又は同条第二項の規定による指定をした道路を設置するよう努めなければならない。
道路管理者が、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第六条に規定する河川区域(同法第五十八条の二の規定により指定されたものを含む。)内の土地 又は国有林野の管理経営に関する法律(昭和二十六年法律第二百四十六号)第二条第一項に規定する国有林野(以下 この項において「国有林野」という。)である土地を利用して前項の道路を設置しようとする場合においては、河川 又は国有林野の管理者は、河川 又は国有林野の管理上支障のない範囲内において、その設置に協力するものとする。
国は、第一項の道路の設置の促進に資するため必要な財政上の措置 その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
都道府県公安委員会は、自転車道の整備と相まつて、自転車の通行の安全を確保するための計画的な交通規制の実施を図るものとする。