裁判員の参加する刑事裁判に関する法律

# 平成十六年法律第六十三号 #
略称 : 裁判員法 

第一節 公判準備及び公判手続

分類 法律
カテゴリ   司法
@ 施行日 : 令和六年二月十五日 ( 2024年 2月15日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第二十八号による改正
最終編集日 : 2024年 04月25日 18時30分


1項

裁判所は、対象事件については、第一回の公判期日前に、これを公判前整理手続に付さなければならない。

1項

裁判所は、第二条第一項合議体で取り扱うべき事件につき、公判前整理手続において鑑定を行うことを決定した場合において、当該鑑定の結果の報告がなされるまでに相当の期間を要すると認めるときは、検察官被告人 若しくは弁護人の請求により又は職権で、公判前整理手続において鑑定の手続(鑑定の経過 及び結果の報告を除く)を行う旨の決定(以下この条において「鑑定手続実施決定」という。)をすることができる。

2項

鑑定手続実施決定をし、又は前項の請求を却下する決定をするには、最高裁判所規則で定めるところにより、あらかじめ検察官 及び被告人 又は弁護人の意見を聴かなければならない。

3項

鑑定手続実施決定があった場合には、公判前整理手続において、鑑定の手続のうち、鑑定の経過 及び結果の報告以外のものを行うことができる。

1項

裁判官検察官 及び弁護人は、裁判員の負担が過重なものとならないようにしつつ、裁判員がその職責を十分に果たすことができるよう、審理を迅速で分かりやすいものとすることに努めなければならない。

1項

裁判員 及び補充裁判員は、裁判員の関与する判断をするための審理をすべき公判期日 並びに公判準備において裁判所がする証人その他の者の尋問 及び検証の日時 及び場所に出頭しなければならない。

1項

前条の規定により裁判員 及び補充裁判員が出頭しなければならない公判期日 並びに公判準備において裁判所がする証人その他の者の尋問 及び検証の日時 及び場所は、あらかじめ裁判員 及び補充裁判員通知しなければならない。

1項

裁判員の関与する判断をするための審理をすべき公判期日においては、公判廷は、裁判官裁判員 及び裁判所書記官が列席し、かつ、検察官が出席して開く。

2項

前項の場合を除き公判廷は、裁判官 及び裁判所書記官が列席し、かつ、検察官が出席して開く。

1項

検察官刑事訴訟法第二百九十六条の規定により証拠により証明すべき事実を明らかにするに当たっては、公判前整理手続における争点 及び証拠の整理の結果に基づき、証拠との関係を具体的に明示しなければならない。


被告人 又は弁護人同法第三百十六条の三十の規定により証拠により証明すべき事実を明らかにする場合も、同様とする。

1項

裁判所証人その他の者を尋問する場合には、裁判員は、裁判長に告げて、裁判員の関与する判断に必要な事項について尋問することができる。

1項

裁判員の関与する判断に必要な事項について裁判所外証人その他の者を尋問すべき場合において、構成裁判官にこれをさせるときは、裁判員 及び補充裁判員はこれに立ち会うことができる。


この尋問に立ち会った裁判員は、構成裁判官に告げて、証人その他の者を尋問することができる。

2項

裁判員の関与する判断に必要な事項について公判廷外において検証をすべき場合において、構成裁判官にこれをさせるときも、前項前段と同様とする。

1項

刑事訴訟法第二百九十二条の二第一項の規定により被害者等被害者 又は被害者が死亡した場合 若しくはその心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族 若しくは兄弟姉妹をいう。)又は当該被害者の法定代理人が意見を陳述したときは、裁判員は、その陳述の後に、その趣旨を明確にするため、これらの者に質問することができる。

1項

刑事訴訟法第三百十一条の規定により被告人が任意に供述をする場合には、裁判員は、裁判長に告げて、いつでも、裁判員の関与する判断に必要な事項について被告人の供述を求めることができる。

1項

裁判所は、裁判員の関与する判断をするための審理以外の審理についても、裁判員 及び補充裁判員の立会いを許すことができる。

1項

公判手続が開始された後新たに第二条第一項合議体に加わった裁判員があるときは、公判手続を更新しなければならない。

2項

前項の更新の手続は、新たに加わった裁判員が、争点 及び取り調べた証拠を理解することができ、かつ、その負担が過重にならないようなものとしなければならない。

1項

裁判員の関与する判断に関しては、証拠の証明力は、それぞれの裁判官 及び裁判員の自由な判断にゆだねる。

1項

刑事訴訟法第三百三十三条の規定による刑の言渡しの判決、同法第三百三十四条の規定による刑の免除の判決 及び同法第三百三十六条の規定による無罪の判決 並びに少年法第五十五条の規定による家庭裁判所への移送の決定の宣告をする場合には、裁判員は公判期日に出頭しなければならない。


ただし裁判員が出頭しないことは、当該判決 又は決定の宣告を妨げるものではない。

2項

前項に規定する場合には、あらかじめ裁判員に公判期日を通知しなければならない。