資産の流動化に関する法律

# 平成十年法律第百五号 #
略称 : 資産流動化法 

第三款 新優先出資引受権付特定社債

分類 法律
カテゴリ   金融・保険
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十九号による改正
最終編集日 : 2024年 04月28日 00時49分

1項
特定目的会社は、資産流動化計画の定めるところに従い、新優先出資引受権付特定社債を発行することができる。
2項

各新優先出資引受権付特定社債に付する新優先出資の引受権の行使に際して出資される金銭の額(次項第百四十四条第一項第二号 並びに第百四十五条第一項第一号 及び第二項において「払込金額」という。)の合計額は、各新優先出資引受権付特定社債の金額を超えることができない

3項

新優先出資の引受権のみを譲渡することができる新優先出資引受権付特定社債を発行する場合には、資産流動化計画にこれに関する定めがあるときにおいても、新優先出資引受権付特定社債の総額、新優先出資の引受権の行使によって発行する優先出資の払込金額の総額 及び新優先出資の引受権を行使することができる期間について、社員総会の決議によらなければならない。


ただし、新優先出資引受権付特定社債であって行使されていない新優先出資の引受権に係る優先出資の払込金額の総額が現に存する新優先出資引受権付特定社債の総額を超えない場合に限り償還 及び消却をするものを発行するときは、この限りでない。

4項

第二種特定目的会社が、優先出資社員以外の者に対して特に有利な内容の新優先出資の引受権を付した新優先出資引受権付特定社債を発行する場合には、資産流動化計画にこれに関する定めがあるときにおいても、その者に対して発行することができる新優先出資引受権付特定社債の額、払込金額、新優先出資の引受権の内容 及び新優先出資の引受権を行使することができる期間について、社員総会の決議によらなければならない。—この場合においては、取締役は、当該社員総会において、優先出資社員以外の者に対して特に有利な払込金額をもって新優先出資引受権付特定社債を発行することを必要とする理由を説明しなければならない。

5項

第百三十一条第三項 及び第四項の規定は、前二項の社員総会の決議について準用する。


この場合において、

同条第三項
転換特定社債」とあるのは、
「新優先出資引受権付特定社債」と

読み替えるものとする。

1項

特定目的会社は、新優先出資引受権付特定社債(前条第四項の決議があったものを除く)を発行するときは、新優先出資引受権付特定社債の総額、払込金額、新優先出資の引受権の内容、新優先出資の引受権を行使することができる期間 及び募集の方法を公告し、又は社員に通知しなければならない。

2項

第百三十二条第二項の規定は、前項の通知について準用する。

3項

特定目的会社は、第一項の規定による公告 又は通知の日から二週間を経過した後でなければ、新優先出資引受権付特定社債の割当てをすることができない

1項

新優先出資引受権付特定社債については、第百二十一条第一項の募集に応じて募集特定社債の引受けの申込みをしようとする者に対し、第百二十二条第一項の規定により通知すべき事項のほか、次に掲げる事項を通知しなければならない。

一 号
新優先出資引受権付特定社債であること。
二 号

第五条第一項第二号ニ(2)から(5)までに掲げる事項

三 号

第百四十五条第二項に規定する払込みを取り扱う銀行等 及びその取扱いの場所

2項

新優先出資引受権付特定社債については、新優先出資引受権付特定社債券を発行したときは、当該新優先出資引受権付特定社債券に前項各号に掲げる事項を記載しなければならない。


ただし次条第一項の新優先出資引受権証券を発行するときは、この限りでない。

3項

新優先出資引受権付特定社債については、第一項各号に掲げる事項を特定社債原簿に記載し、又は記録しなければならない。

1項

資産流動化計画に新優先出資の引受権のみを譲渡することができる旨の定めがある場合においては、特定目的会社は、新優先出資引受権証券を発行しなければならない。

2項

新優先出資引受権証券には、次に掲げる事項 及び番号を記載し、代表取締役がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。

一 号
新優先出資引受権証券であることの表示
二 号
商号
三 号

第五条第一項第二号ニ(2)(3)及び(5)に掲げる事項

四 号

前条第一項第三号に掲げる事項

1項

新優先出資引受権証券が発行された場合には、新優先出資の引受権を譲渡するには、新優先出資引受権証券を交付しなければならない。

2項

会社法第二百五十八条第一項 及び第二項権利の推定等)並びに第二百九十一条新株予約権証券の喪失)の規定は、新優先出資引受権証券について準用する。


この場合において、

同法第二百五十八条
証券発行新株予約権」とあるのは、
「新優先出資引受権」と

読み替えるものとする。

1項

新優先出資引受権付特定社債の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。

一 号
新優先出資引受権付特定社債であること。
二 号
新優先出資の引受権の行使によって発行する優先出資の払込金額の総額
三 号
各新優先出資引受権付特定社債の金額
四 号
各新優先出資引受権付特定社債について払い込んだ金額
五 号

第五条第一項第二号ニ(1)から(3)までに掲げる事項

2項

第百三十四条第一項第三項 及び第四項の規定は、新優先出資引受権付特定社債の登記について準用する。

1項

新優先出資の引受権の行使は、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。

一 号
新優先出資の引受権の行使によって発行される優先出資の払込金額
二 号
新優先出資の引受権を行使する者の住所
三 号
新優先出資の引受権を行使する日
2項

新優先出資の引受権を行使する者は、新優先出資の払込金額の全額を払い込み、かつ、新優先出資引受権証券を発行しているときは、新優先出資引受権証券を特定目的会社に提出し、新優先出資引受権証券を発行していないとき(新優先出資引受権付特定社債券を発行していないときを除く)は、新優先出資引受権付特定社債券を提示しなければならない。

3項

前項の払込みは、第百四十一条第一項第三号の銀行等の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。

1項

前条第一項の規定により新優先出資の引受権を行使した者は、同条第二項の払込みの時に優先出資社員となる。

1項

会社法第二百十条募集株式の発行等をやめることの請求)及び第二百十二条第一項第一号に係る部分に限る)(不公正な払込金額で株式を引き受けた者等の責任)の規定は新優先出資引受権付特定社債について、第百三十六条 並びに同法第九百十五条第三項第一号に係る部分に限る)(変更の登記)の規定は新優先出資引受権の行使について、それぞれ準用する。


この場合において、

同法第二百十条
株主」とあるのは
「社員」と、

第百九十九条第一項」とあるのは
資産流動化法第百二十一条第一項」と、

同条第一号
法令 又は定款」とあるのは
「法令、資産流動化計画 又は定款」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2項

第九十七条第三項 及び会社法第七編第二章第二節第八百四十七条第二項第八百四十七条の二第八百四十七条の三第八百四十九条第二項第三項 及び第六項から第十一項まで第八百四十九条の二第八百五十一条 並びに第八百五十三条第一項第二号 及び第三号除く)(株式会社における責任追及等の訴え)の規定は、前項において準用する同法第二百十二条第一項の規定による支払を求める訴えについて準用する。


この場合において、

同法第八百四十七条第一項
六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)」とあるのは
「特定社員 又は六箇月これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間から引き続き優先出資を有する優先出資社員」と、

同条第三項
株主」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同条第四項
株主 又は同項の発起人等」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同条第五項
株主」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百四十七条の四第二項
株主等(株主、適格旧株主 又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

当該株主等」とあるのは
「当該特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百四十九条第一項
株主等」とあるのは
「特定社員 若しくは優先出資社員」と、

同条第四項
株主等」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同条第五項
株主」とあるのは
「特定社員 及び優先出資社員」と、

同法第八百五十条第三項 及び第八百五十二条
株主等」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百五十三条第一項第一号
株主」とあるのは
「特定社員 若しくは優先出資社員」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。