資産の流動化に関する法律

# 平成十年法律第百五号 #
略称 : 資産流動化法 

第二款 代表権利者等

分類 法律
カテゴリ   金融・保険
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十九号による改正
最終編集日 : 2024年 04月28日 00時49分

1項

権利者集会は、千分の一以上の元本持分を有する受益証券の権利者の中から、一人 又は数人の代表権利者を選任し、受益証券の権利者のために特定目的信託の受益者 及び委託者の権利(次に掲げる権利を除く)の行使を委任することができる。

一 号
次に掲げる事項の決定をする権利
受託信託会社等の責任の免除
特定目的信託契約の終了
特定目的信託契約の変更の承諾
特定目的信託の受託者の辞任の承認 又は解任の請求
受託信託会社等の更迭 又は特定目的信託契約終了の場合における信託財産に係る財産目録 及び貸借対照表の承認
代表権利者の選任 及び解任 並びに辞任の同意
二 号
その他特定目的信託契約に代表権利者に委任しない旨の定めのある権利
2項

代表権利者が数人ある場合において、権利者集会において別段の定めを行わなかったときは、前項の権利の行使は、その過半数による決定をもって行う。

1項

特定目的信託の受託信託会社等 又はその役員 若しくは使用人は、その代表権利者となることができない

1項
権利者集会において代表権利者を選任した場合は、代表権利者の権利に属する特定目的信託の受益者 及び委託者の権利は、代表権利者のみが、これを行使することができる。
2項

前項の場合において、各受益証券の権利者は、書面をもって、代表権利者に対してその権利(権利者集会の招集に係る権利 並びに信託法第三十六条(信託事務の処理の状況についての報告義務)、第三十八条(帳簿等の閲覧等の請求)及び第三十九条(他の受益者の氏名等の開示の請求)の権利を除く)を行使すべきことを請求することができる。

3項

受益証券の権利者は、あらかじめ特定目的信託契約に定めがあるときは、前項の規定による書面による請求に代えて、電磁的方法によりその権利を行使すべきことを請求することができる。


この場合において、当該受益証券の権利者は、当該書面による請求をしたものとみなす。

4項

第二項の請求があった場合において、代表権利者は、当該請求を行った受益証券の権利者が当該特定目的信託の事務の遂行を妨げ、又は受益証券の権利者共同の利益を害する目的で請求を行ったと認められる場合 その他の正当な理由がある場合でなければ、これを拒むことができない

1項
代表権利者は、権利者集会の同意を得て辞任することができる。
2項

信託法第五十七条(第一項 及び第六項を除く)(受託者の辞任)、第二百六十二条(第五項を除く)(信託に関する非訟事件の管轄)、第二百六十三条(信託に関する非訟事件の手続の特例)及び第二百六十四条(最高裁判所規則)の規定は、前項の代表権利者の辞任について準用する。


この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項
代表権利者に対して与えるべき報酬、その事務処理のために要する費用 及びその支出の日以後における利息 並びにその事務処理のために自己の過失なくして受けた損害の賠償額は、信託財産に関して負担する費用として受託信託会社等の負担とする。
1項

信託法第四十四条(受益者による受託者の行為の差止め)及び第八十五条第四項(受託者の責任等の特例)並びに会社法第三百八十五条第二項監査役による取締役の行為の差止め)の規定は代表権利者の受託信託会社等に対する差止請求について、同法第七百七条特別代理人の選任)、第七百八条社債管理者等の行為の方式)及び第七百十条第一項社債管理者の責任)の規定は代表権利者について、同法第七百三十八条代表社債権者等の解任等)の規定は代表権利者の解任について、それぞれ準用する。


この場合において、

信託法第四十四条第一項中
信託行為」とあるのは
「特定目的信託契約」と、

会社法第七百十条第一項
この法律」とあるのは
「この法律、特定目的信託契約」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2項

会社法第八百六十八条第四項非訟事件の管轄)、第八百七十一条理由の付記)、第八百七十四条第一号に係る部分に限る)(不服申立ての制限)、第八百七十五条非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条最高裁判所規則)の規定は、前項において準用する同法第七百七条の特別代理人の選任について準用する。

1項
代表権利者が存しない場合においては、受託信託会社等は、特定信託管理者を選任することができる。
2項
特定信託管理者の選任については、特定目的信託契約の定めるところによらなければならない。
3項

特定信託管理者は、第二百四十条第一項の規定にかかわらず、受益証券の権利者のために自己の名をもって特定目的信託の受益者 及び委託者の権利(特定目的信託契約により受託信託会社等が受益者に対して負担する債務の弁済を受領する権利 及び第二百五十四条第一項各号に掲げる権利を除く)に関する裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。

4項

受託信託会社等は、特定信託管理者を選任した場合には、遅滞なく、その旨を各受益証券の権利者に通知しなければならない。

5項

第二百五十五条第二百五十六条 及び第二百五十八条 並びに信託法第四十四条(受益者による受託者の行為の差止め)及び第八十五条第四項(受託者の責任等の特例)並びに会社法第三百八十五条第二項監査役による取締役の行為の差止め)、第七百四条社債管理者の義務)、第七百七条特別代理人の選任)、第七百九条第一項二以上の社債管理者がある場合の特則)、第七百十条第一項社債管理者の責任)、第七百十一条第一項前段 及び第三項社債管理者の辞任)並びに第七百十三条社債管理者の解任)の規定は、特定信託管理者について準用する。


この場合において、

第二百五十六条第一項
権利者集会において代表権利者を選任した場合は」とあるのは
「受託信託会社等が特定信託管理者を定めたときは」と、

第二百五十八条
信託財産に関して負担する費用として」とあるのは
「これについてあらかじめ特定目的信託契約に信託財産に関して負担する費用とする旨の定めがある場合を除き、」と、

同法第三百八十五条第一項
監査役設置会社の目的」とあるのは
「特定目的信託の目的」と、

定款」とあるのは
「特定目的信託契約」と、

監査役設置会社に著しい損害」とあるのは
「信託財産に著しい損害」と、

信託法第四十四条第一項中
信託行為」とあるのは
「特定目的信託契約」と、

会社法第七百十条第一項
この法律」とあるのは
「この法律、特定目的信託契約」と、

同法第七百十一条第一項前段 及び第七百十三条
社債発行会社」とあるのは
「受託信託会社等」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

6項

会社法第八百六十八条第四項非訟事件の管轄)、第八百七十一条理由の付記)、第八百七十四条第一号に係る部分に限る)(不服申立ての制限)、第八百七十五条非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条最高裁判所規則)の規定は前項において準用する同法第七百七条の特別代理人の選任について、同法第八百六十八条第四項非訟事件の管轄)、第八百六十九条疎明)、第八百七十一条理由の付記)、第八百七十四条第四号に係る部分に限る)(不服申立ての制限)、第八百七十五条非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条最高裁判所規則)の規定は前項において準用する同法第七百十一条第三項の特定信託管理者の辞任について、同法第八百六十八条第四項非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項第二号に係る部分に限る)(陳述の聴取)、第八百七十一条本文(理由の付記)、第八百七十二条第四号に係る部分に限る)(即時抗告)、第八百七十五条非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条最高裁判所規則)の規定は前項において準用する同法第七百十三条の特定信託管理者の解任について、それぞれ準用する。


この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

7項

特定信託管理者が存する場合において、代表権利者を選任する権利者集会の決議があったときは、特定信託管理者は、特定目的信託の受益者 及び委託者の権利を行使することができない

8項

信託法第四章第四節(信託管理人等)の規定は、特定目的信託については、適用しない

1項

代表権利者 及び特定信託管理者が存しないときは、各受益証券の権利者は、第二百四十条第一項の規定にかかわらず、この法律により権利者集会の決議によるものとして定められた事項 及び権利者集会の招集に係る事項を除き、特定目的信託の受益者 及び委託者の権利を行使することができる。

1項

受託信託会社等が法令 又は特定目的信託契約に違反する行為を行い、又はこれらの行為を行うおそれがある場合において、これにより信託財産に回復することができない損害を生ずるおそれがある場合においては、第二百四十条第一項の規定にかかわらず、各受益証券の権利者は、受託信託会社等に対し、その行為をやめるよう請求することができる。

2項

受託信託会社等が信託法第三十三条(公平義務)の規定に違反する行為を行い、又はこれを行うおそれがある場合において、これにより一部の受益証券の権利者に回復することができない損害を生ずるおそれがある場合においては、第二百四十条第一項の規定にかかわらず、当該受益証券の権利者は、受託信託会社等に対し、その行為をやめるよう請求することができる。

1項

各受益証券の権利者は、第二百四十条第一項の規定にかかわらず、信託法第百五十条(特別の事情による信託の変更を命ずる裁判)の規定により、特定目的信託の変更を裁判所に請求することができる。