道路交通法

# 昭和三十五年法律第百五号 #
略称 : 道交法 

第六章の四 交通の安全と円滑に資するための民間の組織活動等の促進

分類 法律
カテゴリ   警察
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月22日 11時08分


1項

公安委員会は、道路における交通の安全と円滑に資するための次に掲げる活動で民間の自主的な組織活動として行われるものの促進を図るため、関係する機関 及び団体の活動との調和 及び連携を図りつつ、情報の提供、助言、指導 その他必要な措置を講ずるものとする。

一 号

道路を通行する者に対する交通安全教育

二 号

歩行者の誘導 その他の道路を通行する者の通行の安全を確保するための活動

三 号

適正な交通の方法 又は交通事故防止についての広報活動 その他道路における交通の安全と円滑に資するための広報活動

四 号
道路における適正な車両の駐車 又は道路の使用についての啓発活動、特定小型原動機付自転車 又は自転車の適正な通行についての啓発活動 その他道路における交通の安全と円滑に資するための啓発活動
五 号

前各号に掲げるもののほか、道路における交通の安全と円滑に資するための活動

2項

公安委員会は、地方公共団体が行う交通安全対策(公安委員会が行うものを除く)の的確かつ円滑な実施が図られるよう、関係地方公共団体の長に対し、当該関係地方公共団体の区域における交通事故の発生の状況に関する情報の提供、職員の研修に係る協力 その他必要な措置を講ずるものとする。

1項

公安委員会は、適正な交通の方法 及び交通事故防止について住民の理解を深めるため、住民に対する交通安全教育を行うように努めなければならない。

1項

国家公安委員会は、道路を通行する者に対する交通安全教育を行う者(公安委員会を除く)が効果的かつ適切な交通安全教育を行うことができるようにし、及び公安委員会が行う前条の交通安全教育の基準とするため、次に掲げる事項を内容とする交通安全教育に関する指針(以下「交通安全教育指針」という。)を作成し、これを公表するものとする。

一 号
自動車 及び原動機付自転車の安全な運転に必要な技能 及び知識 その他の適正な交通の方法に関する技能 及び知識を習得する機会を提供するための交通安全教育の内容 及び方法
二 号

交通事故防止に関する知識を習得する機会を提供するための交通安全教育の内容 及び方法

三 号

前二号に掲げるもののほか、道路を通行する者に対する交通安全教育を効果的かつ適切に行うために必要な事項

2項

交通安全教育指針は、道路を通行する者が、交通安全教育に係る学習の機会を通じて、適正な交通の方法 及び交通事故防止に関する技能 及び知識を自主的に習得する意欲を高めるとともに、その年齢 若しくは通行の態様 又は業務に関し通行する場合にあつてはその業務の態様に応じたこれらの技能 及び知識を段階的かつ体系的に習得することができるように配慮して作成されなければならない。

3項

国家公安委員会は、第一項の規定により交通安全教育指針を作成しようとする場合には、関係行政機関の長と緊密な協力を図るよう努めなければならない。

4項

国家公安委員会は、道路を通行する者が適正な交通の方法を容易に理解することができるようにするため、次に掲げる事項を内容とする教則を作成し、これを公表するものとする。

一 号

法令で定める道路の交通の方法

二 号

道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、又は道路の交通に起因する障害を防止するため、道路を通行する者が励行することが望ましい事項

三 号

前二号に掲げるもののほか、自動車の構造 その他自動車 及び原動機付自転車の運転に必要な知識

1項

公安委員会は、地域における交通の状況について知識を有する者であつて次に掲げる要件を満たしているもののうちから、地域交通安全活動推進委員を委嘱することができる。

一 号

人格 及び行動について、社会的信望を有すること。

二 号

職務の遂行に必要な熱意 及び時間的余裕を有すること。

三 号
生活が安定していること。
四 号
健康で活動力を有すること。
2項

地域交通安全活動推進委員は、次に掲げる活動を行う。

一 号

適正な交通の方法 及び交通事故防止について住民の理解を深めるための住民に対する交通安全教育

二 号

高齢者、障害者 その他その通行に支障のある者の通行の安全を確保するための方法について住民の理解を深めるための運動の推進

三 号

道路における適正な車両の駐車 及び道路の使用の方法について住民の理解を深めるための運動の推進

四 号
特定小型原動機付自転車 又は自転車の適正な通行の方法について住民の理解を深めるための運動の推進
五 号

前各号に掲げるもののほか、地域における交通の安全と円滑に資するための活動で国家公安委員会規則で定めるもの

3項

前項第一号の交通安全教育は、交通安全教育指針に従つて行わなければならない。

4項

地域交通安全活動推進委員は、名誉職とする。

5項

公安委員会は、地域交通安全活動推進委員が次のいずれかに該当するときは、これを解嘱することができる。

一 号

第一項各号のいずれかの要件を欠くに至つたとき。

二 号

職務上の義務に違反し、又はその職務を怠つたとき。

三 号

地域交通安全活動推進委員たるにふさわしくない非行のあつたとき。

6項

前各項に定めるもののほか、地域交通安全活動推進委員に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

1項

地域交通安全活動推進委員は、公安委員会が定める区域ごとに、地域交通安全活動推進委員協議会を組織するものとする。

2項

地域交通安全活動推進委員協議会は、地域交通安全活動推進委員が前条第二項の活動を行う場合においてその活動の方針を定め、並びに地域交通安全活動推進委員相互の連絡 及び調整を行うこと その他地域交通安全活動推進委員が能率的にその任務を遂行するために必要な事項で国家公安委員会規則で定めるものを行う。

3項

地域交通安全活動推進委員協議会は、地域交通安全活動推進委員の活動に関し必要と認める意見を、公安委員会 及び当該地域交通安全活動推進委員協議会に係る区域を管轄する警察署長に申し出ることができる。

4項

前三項に定めるもののほか、地域交通安全活動推進委員協議会に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

1項

公安委員会は、道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的とする一般社団法人 又は一般財団法人であつて、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、都道府県に一を限つて、都道府県交通安全活動推進センター(以下「都道府県センター」という。)として指定することができる。

2項

都道府県センターは、当該都道府県の区域において、次に掲げる事業を行うものとする。

一 号

適正な交通の方法、交通事故防止 その他道路における交通の安全に関する事項について広報活動を行うこと。

二 号

適正な交通の方法、交通事故防止 その他道路における交通の安全についての啓発活動を行うこと。

三 号

交通事故に関する相談に応ずること。

四 号

道路における車両の駐車 及び交通の規制 並びに道路の使用に関する事項について照会 及び相談に応ずること。

五 号

道路における車両の駐車 及び交通の規制 並びに道路の使用に関する事項について広報活動を行うこと(第一号に該当するものを除く)。

六 号

道路における適正な車両の駐車 及び道路の使用についての啓発活動を行うこと(第二号に該当するものを除く)。

七 号

警察署長の委託を受けて第五十六条第五十七条第三項 及び第七十七条第一項の規定による許可に関し、道路 又は交通の状況について調査すること。

八 号

警察署長の委託を受けて道路における工作物 又は物件の設置の状況について調査すること(前号の許可に係るものを除く)。

九 号

運転適性指導(道路運送法第二条第二項に規定する自動車運送事業(貨物利用運送事業法第二条第八項に規定する第二種貨物利用運送事業を含む。)の用に供する自動車の運転者に対するものを除く)を行うこと。

十 号

道路における交通の安全と円滑に資するための民間の自主的な組織活動を助けること。

十一 号

地域交通安全活動推進委員に対する研修を行うこと。

十二 号

地域交通安全活動推進委員協議会の事務について連絡調整を行う等 その任務の遂行を助けること。

十三 号

前各号の事業に附帯する事業

3項

公安委員会は、都道府県センターの財産の状況 又はその事業の運営に関し改善が必要であると認めるときは、都道府県センターに対し、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。

4項

公安委員会は、都道府県センターが前項の規定による命令に違反したときは、第一項の指定を取り消すことができる。

5項

都道府県センターの役員 若しくは職員 又はこれらの職にあつた者は、第二項第三号 又は第七号から第九号までに掲げる業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

6項

第二項第七号 又は第八号に掲げる業務に従事する都道府県センターの役員 又は職員は、刑法 その他の罰則の適用に関しては、法令により公務に従事する職員とみなす。

7項

都道府県センターは、第二項各号に掲げる事業の遂行に当たつては、関係する機関 及び団体の活動の円滑な遂行に配慮して、これらの活動との調和 及び連携を図らなければならない。

8項

第一項の指定の手続 その他都道府県センターに関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

1項

国家公安委員会は、道路における交通の安全と円滑に寄与することを目的とする一般社団法人 又は一般財団法人であつて、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限つて、全国交通安全活動推進センター(以下「全国センター」という。)として指定することができる。

2項

全国センターは、次に掲げる事業を行うものとする。

一 号

交通事故に関する相談に応ずる業務を担当する者、道路における車両の駐車 及び交通の規制 並びに道路の使用に関する事項について照会 及び相談に応ずる業務を担当する者、運転適性指導の業務を担当する者 その他都道府県センターの業務を行う者に対する研修を行うこと。

二 号

適正な交通の方法、交通事故防止 その他道路における交通の安全に関する事項について二以上の都道府県の区域における広報活動を行うこと。

三 号

適正な交通の方法、交通事故防止 その他道路における交通の安全についての二以上の都道府県の区域における啓発活動を行うこと。

四 号

道路における適正な車両の駐車 及び道路の使用についての二以上の都道府県の区域における啓発活動を行うこと(前号に該当するものを除く)。

五 号

道路における車両の駐車 及び交通の規制 並びに道路の使用 並びに運転適性指導に関する調査研究を行うこと。

六 号

道路を通行する者に対する交通安全教育を行う者の資質の向上に必要とされる技能 及び知識に関する研修道路運送法 及び貨物自動車運送事業法に規定する運行管理者に対するものその他国家公安委員会規則で定めるものを除く)を行うこと。

七 号

都道府県センターの事業について、連絡調整を行うこと。

八 号

前各号の事業に附帯する事業

3項

前条第三項第四項第七項 及び第八項の規定は、全国センターについて準用する。


この場合において、

同条第三項
公安委員会」とあるのは
「国家公安委員会」と、

同条第四項
公安委員会」とあるのは
「国家公安委員会」と、

第一項」とあるのは
次条第一項」と、

同条第七項
第二項各号」とあるのは
次条第二項各号」と、

同条第八項
第一項」とあるのは
次条第一項」と

読み替えるものとする。

1項

免許(仮免許を除く)を現に受けている者 又は特定失効者 若しくは特定取消処分者に対しその運転技能を向上させるとともに道路交通に関する知識を深めさせるための教育(以下「運転免許取得者等教育」という。)を、自動車教習所である施設 その他の施設を用いて行う者は、国家公安委員会規則で定めるその課程の区分ごとに、当該施設の所在地を管轄する公安委員会に申請して、当該施設において当該課程により行う運転免許取得者等教育が次の各号いずれにも適合している旨の認定を受けることができる。

一 号
教習指導員資格者証の交付を受けた者 その他の運転免許取得者等教育を効果的かつ適切に行うことができる者として国家公安委員会規則で定める者により行われるものであること。
二 号

第九十九条第一項第四号の政令で定める基準に適合した設備 その他の運転免許取得者等教育を効果的かつ適切に行うための設備として国家公安委員会規則で定める設備を用いて行われるものであること。

三 号

当該課程が、交通安全教育指針に従つて行われるものであり、かつ、次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。

第百八条の二第一項第十一号に掲げる講習と同等の効果がある課程の基準として国家公安委員会規則で定める基準

第百八条の二第一項第十二号に掲げる講習と同等の効果がある課程の基準として国家公安委員会規則で定める基準

及びに掲げるもののほか、運転技能を向上させるとともに道路交通に関する知識を深めさせる効果がある課程の基準として国家公安委員会規則で定める基準

2項

公安委員会は、前項の認定をしたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

3項

運転免許取得者等教育を行う者は、当該運転免許取得者等教育の課程について、第一項の認定を受けないで、公安委員会認定という文字を冠した名称を用いてはならない。

4項

第九十八条第三項から第五項までの規定は、一項の認定を受けて運転免許取得者等教育を行う者について準用する。


この場合において、

同条第三項
自動車の運転に関する教習」とあるのは
第百八条の三十二の二第一項の認定を受けた同項の運転免許取得者等教育」と、

自動車教習所における教習」とあるのは
「運転免許取得者等教育」と、

同条第四項
自動車教習所における自動車の運転に関する技能 又は知識の教習」とあるのは
第百八条の三十二の二第一項の運転免許取得者等教育」と

読み替えるものとする。

5項

公安委員会は、第一項の認定を受けた運転免許取得者等教育が同項各号いずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その認定を取り消すことができる。

6項

前各項に定めるもののほか第一項の認定の申請 その他同項の認定に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

1項

免許を現に受けている者 又は特定失効者 若しくは特定取消処分者に対し加齢に伴つて生ずるその者の身体の機能 又は運転の技能の低下が自動車等の運転に及ぼす影響を確認するための検査(以下「運転免許取得者等検査」という。)を、自動車教習所である施設 その他の施設を用いて行う者は、国家公安委員会規則で定めるその方法の区分ごとに、当該施設の所在地を管轄する公安委員会に申請して、当該施設において当該方法により行う運転免許取得者等検査が次の各号いずれにも適合している旨の認定を受けることができる。

一 号
公安委員会が運転免許取得者等検査に関する技能 及び知識に関して行う審査に合格した者 その他の運転免許取得者等検査を効果的かつ適切に行うことができる者として国家公安委員会規則で定める者により行われるものであること。
二 号

第九十九条第一項第四号の政令で定める基準に適合した設備 その他の運転免許取得者等検査を効果的かつ適切に行うための設備として国家公安委員会規則で定める設備を用いて行われるものであること。

三 号

当該方法が次に掲げる基準のいずれかに適合するものであること。

認知機能検査と同等の効果がある方法の基準として国家公安委員会規則で定める基準
運転技能検査と同等の効果がある方法の基準として国家公安委員会規則で定める基準

及びに掲げるもののほか、加齢に伴つて生ずる身体の機能 又は運転の技能の低下が自動車等の運転に及ぼす影響を確認する効果がある方法の基準として国家公安委員会規則で定める基準

2項

前条第二項から第六項までの規定は、運転免許取得者等検査について準用する。


この場合において、

同条第二項中
前項」とあるのは
次条第一項」と、

同条第三項
課程」とあるのは
「方法」と、

第一項」とあるのは
次条第一項」と、

同条第四項
、第一項」とあるのは
「、次条第一項」と、

第百八条の三十二の二第一項」とあるのは
第百八条の三十二の三第一項」と、

同条第五項
第一項」とあるのは
次条第一項」と、

同条第六項
前各項」とあるのは
第二項から前項まで 及び次条第一項」と、

第一項」とあるのは
同項」と

読み替えるものとする。

1項
特定小型原動機付自転車を販売し、又は貸し渡すことを業とする者は、当該特定小型原動機付自転車の購入者 又は利用者に対し、交通安全教育指針に従つて特定小型原動機付自転車の安全な運転を確保するために必要な交通安全教育を行うように努めなければならない。