遺失物法

# 平成十八年法律第七十三号 #

第二節 警察署長等の措置

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 09月03日 09時51分


1項

警察署長は、前条第一項の規定による提出(以下 この節において単に「提出」という。)を受けたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、拾得者に対し、提出を受けたことを証する書面を交付するものとする。

1項

警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するものとする。

1項

警察署長は、提出を受けた物件の遺失者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、次に掲げる事項を公告しなければならない。

一 号
物件の種類 及び特徴
二 号
物件の拾得の日時 及び場所
2項

前項の規定による公告(以下 この節において単に「公告」という。)は、同項各号に掲げる事項を当該警察署の掲示場に掲示してする。

3項

警察署長は、第一項各号に掲げる事項を記載した書面を当該警察署に備え付け、かつ、これをいつでも関係者に自由に閲覧させることにより、前項の規定による掲示に代えることができる。

4項

警察署長は、公告をした後においても、物件の遺失者が判明した場合を除き、公告の日から三箇月間埋蔵物にあっては、六箇月間)は、前二項に定める措置を継続しなければならない。

5項

警察署長は、提出を受けた物件が公告をする前に刑事訴訟法昭和二十三年法律第百三十一号)の規定により押収されたときは、第一項の規定にかかわらず、公告をしないことができる。


この場合において、警察署長は、当該物件の還付を受けたときは、公告をしなければならない。

1項

警視総監 又は道府県警察本部長以下「警察本部長」という。)は、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件が貴重な物件として国家公安委員会規則で定めるものであるときは、次に掲げる事項を他の警察本部長に通報するものとする。

一 号

前条第一項各号に掲げる事項

二 号
公告の日付
三 号

公告に係る警察署の名称 及び所在地

2項

警察本部長は、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該都道府県警察の警察署長が公告をした物件 及び他の警察本部長から前項の規定による通報を受けた物件に関する情報を、インターネットの利用 その他の方法により公表するものとする。

1項

警察署長は、提出を受けた物件が滅失し、若しくは毀損するおそれがあるとき 又はその保管に過大な費用 若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。


ただし第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件については、この限りでない。

2項

警察署長は、前項の規定によるほか、提出を受けた物件(埋蔵物 及び第三十五条各号に掲げる物のいずれかに該当する物件を除く)が次の各号に掲げる物のいずれかに該当する場合において、公告の日から二週間以内にその遺失者が判明しないときは、政令で定めるところにより、これを売却することができる。

一 号

衣類自転車 その他の日常生活の用に供され、かつ、広く販売されている物であって政令で定めるもの

二 号

その保管に不相当な費用 又は手数を要するものとして政令で定める物

3項

前二項の規定による売却(以下 この条 及び次条において単に「売却」という。)に要した費用は、売却による代金から支弁する。

4項

売却をしたときは、物件の保管、返還 及び帰属については、売却による代金から売却に要した費用を控除した残額を当該物件とみなす。

1項

警察署長は、前条第一項本文 又は第二項に規定する場合において、次に掲げるときは、政令で定めるところにより、提出を受けた物件について廃棄 その他の処分をすることができる。

一 号

売却につき買受人がないとき。

二 号

売却による代金の見込額が売却に要する費用の額に満たないと認められるとき。

三 号

前条第一項ただし書に該当するとき その他売却をすることができないと認められるとき。

1項

警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。

2項

警察署長は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名 又は名称 及び住所 又は所在地(以下「氏名等」という。)を告知することができる。

3項

警察署長は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。

1項

警察署長は、提出を受けた物件の遺失者への返還のため必要があるときは、公務所 又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。