自立支援医療費の支給を受けようとする障害者 又は障害児の保護者は、市町村等の自立支援医療費を支給する旨の認定(以下「支給認定」という。)を受けなければならない。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律
第四節 自立支援医療費、療養介護医療費及び基準該当療養介護医療費の支給
第十九条第二項の規定は市町村等が行う支給認定について、同条第三項から第五項までの規定は市町村が行う支給認定について準用する。
この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
支給認定を受けようとする障害者 又は障害児の保護者は、主務省令で定めるところにより、市町村等に申請をしなければならない。
前項の申請は、都道府県が支給認定を行う場合には、政令で定めるところにより、当該障害者 又は障害児の保護者の居住地の市町村(障害者 又は障害児の保護者が居住地を有しないか、又はその居住地が明らかでないときは、その障害者 又は障害児の保護者の現在地の市町村)を経由して行うことができる。
市町村等は、前条第一項の申請に係る障害者等が、その心身の障害の状態からみて自立支援医療を受ける必要があり、かつ、当該障害者等 又はその属する世帯の他の世帯員の所得の状況、治療状況 その他の事情を勘案して政令で定める基準に該当する場合には、主務省令で定める自立支援医療の種類ごとに支給認定を行うものとする。
ただし、当該障害者等が、自立支援医療のうち主務省令で定める種類の医療を、戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)又は心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号)の規定により受けることができるときは、この限りでない。
市町村等は、支給認定をしたときは、主務省令で定めるところにより、都道府県知事が指定する医療機関(以下「指定自立支援医療機関」という。)の中から、当該支給認定に係る障害者等が自立支援医療を受けるものを定めるものとする。
市町村等は、支給認定をしたときは、支給認定を受けた障害者 又は障害児の保護者(以下「支給認定障害者等」という。)に対し、主務省令で定めるところにより、次条に規定する支給認定の有効期間、前項の規定により定められた指定自立支援医療機関の名称 その他の主務省令で定める事項を記載した自立支援医療受給者証(以下「医療受給者証」という。)を交付しなければならない。
支給認定は、主務省令で定める期間(以下「支給認定の有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。
支給認定障害者等は、現に受けている支給認定に係る第五十四条第二項の規定により定められた指定自立支援医療機関その他の主務省令で定める事項について変更の必要があるときは、主務省令で定めるところにより、市町村等に対し、支給認定の変更の申請をすることができる。
市町村等は、前項の申請 又は職権により、支給認定障害者等につき、同項の主務省令で定める事項について変更の必要があると認めるときは、主務省令で定めるところにより、支給認定の変更の認定を行うことができる。
この場合において、市町村等は、当該支給認定障害者等に対し医療受給者証の提出を求めるものとする。
第十九条第二項の規定は市町村等が行う前項の支給認定の変更の認定について、同条第三項から第五項までの規定は市町村が行う前項の支給認定の変更の認定について準用する。
この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
市町村等は、第二項の支給認定の変更の認定を行った場合には、医療受給者証に当該認定に係る事項を記載し、これを返還するものとする。
支給認定を行った市町村等は、次に掲げる場合には、当該支給認定を取り消すことができる。
支給認定に係る障害者等が、その心身の障害の状態からみて自立支援医療を受ける必要がなくなったと認めるとき。
支給認定障害者等が、支給認定の有効期間内に、当該市町村等以外の市町村等の区域内に居住地を有するに至ったと認めるとき(支給認定に係る障害者が特定施設に入所 又は入居をすることにより当該市町村以外の市町村の区域内に居住地を有するに至ったと認めるときを除く。)。
支給認定に係る障害者等が、正当な理由なしに第九条第一項の規定による命令に応じないとき。
その他政令で定めるとき。
前項の規定により支給認定の取消しを行った市町村等は、主務省令で定めるところにより、当該取消しに係る支給認定障害者等に対し医療受給者証の返還を求めるものとする。
市町村等は、支給認定に係る障害者等が、支給認定の有効期間内において、第五十四条第二項の規定により定められた指定自立支援医療機関から当該指定に係る自立支援医療(以下「指定自立支援医療」という。)を受けたときは、主務省令で定めるところにより、当該支給認定障害者等に対し、当該指定自立支援医療に要した費用について、自立支援医療費を支給する。
指定自立支援医療を受けようとする支給認定障害者等は、主務省令で定めるところにより、指定自立支援医療機関に医療受給者証を提示して当該指定自立支援医療を受けるものとする。
ただし、緊急の場合 その他やむを得ない事由のある場合については、この限りでない。
自立支援医療費の額は、一月につき、第一号に掲げる額(当該指定自立支援医療に食事療養(健康保険法第六十三条第二項第一号に規定する食事療養をいう。以下この項において同じ。)が含まれるときは、当該額 及び第二号に掲げる額の合算額、当該指定自立支援医療に生活療養(同条第二項第二号に規定する生活療養をいう。以下この項において同じ。)が含まれるときは、当該額 及び第三号に掲げる額の合算額)とする。
同一の月に受けた指定自立支援医療(食事療養 及び生活療養を除く。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額から、当該支給認定障害者等の家計の負担能力、障害の状態 その他の事情をしん酌して政令で定める額(当該政令で定める額が当該算定した額の百分の十に相当する額を超えるときは、当該相当する額)を控除して得た額
当該指定自立支援医療(食事療養に限る。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額から、健康保険法第八十五条第二項に規定する食事療養標準負担額、支給認定障害者等の所得の状況 その他の事情を勘案して主務大臣が定める額を控除した額
当該指定自立支援医療(生活療養に限る。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額から、健康保険法第八十五条の二第二項に規定する生活療養標準負担額、支給認定障害者等の所得の状況 その他の事情を勘案して主務大臣が定める額を控除した額
前項に規定する療養に要する費用の額の算定方法の例によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの自立支援医療に要する費用の額の算定方法は、主務大臣の定めるところによる。
支給認定に係る障害者等が指定自立支援医療機関から指定自立支援医療を受けたときは、市町村等は、当該支給認定障害者等が当該指定自立支援医療機関に支払うべき当該指定自立支援医療に要した費用について、自立支援医療費として当該支給認定障害者等に支給すべき額の限度において、当該支給認定障害者等に代わり、当該指定自立支援医療機関に支払うことができる。
前項の規定による支払があったときは、支給認定障害者等に対し自立支援医療費の支給があったものとみなす。
第五十四条第二項の指定は、主務省令で定めるところにより、病院 若しくは診療所(これらに準ずるものとして政令で定めるものを含む。以下同じ。) 又は薬局の開設者の申請により、同条第一項の主務省令で定める自立支援医療の種類ごとに行う。
都道府県知事は、前項の申請があった場合において、次の各号のいずれかに 該当するときは、指定自立支援医療機関の指定をしないことができる。
当該申請に係る病院 若しくは診療所 又は薬局が、健康保険法第六十三条第三項第一号に規定する保険医療機関 若しくは保険薬局 又は主務省令で定める事業所 若しくは施設でないとき。
当該申請に係る病院 若しくは診療所 若しくは薬局 又は申請者が、自立支援医療費の支給に関し診療 又は調剤の内容の適切さを欠くおそれがあるとして重ねて第六十三条の規定による指導 又は第六十七条第一項の規定による勧告を受けたものであるとき。
申請者が、第六十七条第三項の規定による命令に従わないものであるとき。
前三号のほか、当該申請に係る病院 若しくは診療所 又は薬局が、指定自立支援医療機関として著しく不適当と認めるものであるとき。
第三十六条第三項(第一号から第三号まで 及び第七号を除く。)の規定は、指定自立支援医療機関の指定について準用する。
この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第五十四条第二項の指定は、六年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
健康保険法第六十八条第二項の規定は、前項の指定の更新について準用する。
この場合において、
同条第二項中
「厚生労働省令」とあるのは、
「主務省令」と
読み替えるほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
指定自立支援医療機関は、主務省令で定めるところにより、良質かつ 適切な自立支援医療を行わなければならない。
指定自立支援医療機関の診療方針は、健康保険の診療方針の例による。
前項に規定する診療方針によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの診療方針は、主務大臣が定めるところによる。
指定自立支援医療機関は、自立支援医療の実施に関し、都道府県知事の指導を受けなければならない。
指定自立支援医療機関は、当該指定に係る医療機関の名称 及び所在地 その他主務省令で定める事項に変更があったときは、主務省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
指定自立支援医療機関は、一月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。
都道府県知事は、自立支援医療の実施に関して必要があると認めるときは、指定自立支援医療機関 若しくは指定自立支援医療機関の開設者 若しくは管理者、医師、薬剤師 その他の従業者であった者(以下この項において「開設者であった者等」という。)に対し報告 若しくは診療録、帳簿書類 その他の物件の提出 若しくは提示を命じ、指定自立支援医療機関の開設者 若しくは管理者、医師、薬剤師 その他の従業者(開設者であった者等を含む。)に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは指定自立支援医療機関について設備 若しくは診療録、帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。
第九条第二項の規定は前項の規定による質問 又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。
指定自立支援医療機関が、正当な理由がなく、第一項の規定による報告 若しくは提出 若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、都道府県知事は、当該指定自立支援医療機関に対する市町村等の自立支援医療費の支払を一時差し止めることを指示し、又は差し止めることができる。
都道府県知事は、指定自立支援医療機関が、第六十一条 又は第六十二条の規定に従って良質かつ適切な自立支援医療を行っていないと認めるときは、当該指定自立支援医療機関の開設者に対し、期限を定めて、第六十一条 又は第六十二条の規定を遵守すべきことを勧告することができる。
都道府県知事は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた指定自立支援医療機関の開設者が、同項の期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。
都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた指定自立支援医療機関の開設者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該指定自立支援医療機関の開設者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
都道府県知事は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公示しなければならない。
市町村は、指定自立支援医療を行った指定自立支援医療機関の開設者について、第六十一条 又は第六十二条の規定に従って良質かつ適切な自立支援医療を行っていないと認めるときは、その旨を当該指定に係る医療機関の所在地の都道府県知事に通知しなければならない。
都道府県知事は、次の各号のいずれかに 該当する場合においては、当該指定自立支援医療機関に係る第五十四条第二項の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部 若しくは一部の効力を停止することができる。
指定自立支援医療機関が、第五十九条第二項各号のいずれかに該当するに至ったとき。
指定自立支援医療機関が、第五十九条第三項の規定により準用する第三十六条第三項第四号から第五号の二まで、第十二号 又は第十三号のいずれかに該当するに至ったとき。
指定自立支援医療機関が、第六十一条 又は第六十二条の規定に違反したとき。
自立支援医療費の請求に関し不正があったとき。
指定自立支援医療機関が、第六十六条第一項の規定により報告 若しくは診療録、帳簿書類 その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
指定自立支援医療機関の開設者 又は従業者が、第六十六条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。
ただし、当該指定自立支援医療機関の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定自立支援医療機関の開設者が相当の注意 及び監督を尽くしたときを除く。
第五十条第一項第九号から第十三号まで 及び第二項の規定は、前項の指定自立支援医療機関の指定の取消し 又は効力の停止について準用する。
この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
都道府県知事は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。
第五十四条第二項の指定自立支援医療機関の指定をしたとき。
第六十四条の規定による届出(同条の主務省令で定める事項の変更に係るものを除く。)があったとき。
第六十五条の規定による指定自立支援医療機関の指定の辞退があったとき。
前条の規定により指定自立支援医療機関の指定を取り消したとき。
市町村は、介護給付費(療養介護に係るものに限る。)に係る支給決定を受けた障害者が、支給決定の有効期間内において、指定障害福祉サービス事業者等から当該指定に係る療養介護医療を受けたときは、主務省令で定めるところにより、当該支給決定に係る障害者に対し、当該療養介護医療に要した費用について、療養介護医療費を支給する。
第五十八条第三項から第六項までの規定は、療養介護医療費について準用する。
この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
市町村は、特例介護給付費(療養介護に係るものに限る。)に係る支給決定を受けた障害者が、基準該当事業所 又は基準該当施設から当該療養介護医療(以下「基準該当療養介護医療」という。)を受けたときは、主務省令で定めるところにより、当該支給決定に係る障害者に対し、当該基準該当療養介護医療に要した費用について、基準該当療養介護医療費を支給する。
第五十八条第三項 及び第四項の規定は、基準該当療養介護医療費について準用する。
この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第六十一条 及び第六十二条の規定は、療養介護医療を行う指定障害福祉サービス事業者等 又は基準該当療養介護医療を行う基準該当事業所 若しくは基準該当施設について準用する。
都道府県知事は、指定自立支援医療機関、療養介護医療を行う指定障害福祉サービス事業者等 又は基準該当療養介護医療を行う基準該当事業所 若しくは基準該当施設(以下この条において「公費負担医療機関」という。)の診療内容 並びに自立支援医療費、療養介護医療費 及び基準該当療養介護医療費(以下この条 及び第七十五条において「自立支援医療費等」という。)の請求を随時審査し、かつ、公費負担医療機関が第五十八条第五項(第七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定によって請求することができる自立支援医療費等の額を決定することができる。
公費負担医療機関は、都道府県知事が行う前項の決定に従わなければならない。
都道府県知事は、第一項の規定により公費負担医療機関が請求することができる自立支援医療費等の額を決定するに当たっては、社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)に定める審査委員会、国民健康保険法に定める国民健康保険診療報酬審査委員会その他政令で定める医療に関する審査機関の意見を聴かなければならない。
市町村等は、公費負担医療機関に対する自立支援医療費等の支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金、連合会 その他主務省令で定める者に委託することができる。
前各項に定めるもののほか、自立支援医療費等の請求に関し 必要な事項は、主務省令で定める。
第一項の規定による自立支援医療費等の額の決定については、審査請求をすることができない。
市町村は、支給認定 又は自立支援医療費を支給しない旨の認定を行うに当たって必要があると認めるときは、主務省令で定めるところにより、身体障害者更生相談所その他主務省令で定める機関の意見を聴くことができる。
都道府県は、市町村の求めに応じ、市町村が行うこの節の規定による業務に関し、その設置する身体障害者更生相談所 その他主務省令で定める機関による技術的事項についての協力 その他市町村に対する必要な援助を行うものとする。
この節に定めるもののほか、支給認定、医療受給者証、支給認定の変更の認定 及び支給認定の取消し その他自立支援医療費等に関し必要な事項は、政令で定める。