じん肺法
第五章 雑則
事業者は、この法律 又はこれに基づく命令の規定による措置の実施に関し、労働者の心身の状態に関する情報を収集し、保管し、又は使用するに当たつては、労働者の健康の確保に必要な範囲内で労働者の心身の状態に関する情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。
ただし、本人の同意がある場合 その他正当な事由がある場合は、この限りでない。
厚生労働大臣は、前二項の規定により事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
厚生労働大臣は、前項の指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者 又はその団体に対し、当該指針に関し必要な指導等を行うことができる。
第七条から第九条の二まで 及び第十六条第一項のじん肺健康診断の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の心身の欠陥 その他の秘密を漏らしてはならない。
租税 その他の公課は、転換手当を標準として課することができない。
転換手当の支払を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
転換手当の支払を受ける権利は、これを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
中央じん肺診査医は、この法律の規定によるじん肺の診断 又は審査 及びこれらに関する事務を行うものとする。
地方じん肺診査医は、この法律の規定によるじん肺の診断 又は審査 及びこれらに関する事務を行うほか、第二十一条第四項の規定による指示に関する事務に参画するものとする。
中央じん肺診査医 及び地方じん肺診査医(以下 この条 及び次条において「じん肺診査医」という。)は、じん肺に関し相当の学識経験を有する医師のうちから、厚生労働大臣が任命する。
じん肺診査医は、前条第二項 又は第三項の規定による職務を行うため必要があるときは、その必要の限度において、粉じん作業を行う事業場に立ち入り、労働者 その他の関係者に質問し、又はエックス線写真 若しくは診療録 その他の物件を検査することができる。
前項の規定により立入検査をするじん肺診査医は、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
労働基準監督官は、この法律を施行するため必要な限度において、粉じん作業を行う事業場に立ち入り、関係者に質問し、帳簿書類(その作成 又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成 又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)を検査し、又は粉じんの測定 若しくは分析を行うことができる。
前項の規定により立入検査をする労働基準監督官は、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
労働基準監督官は、この法律の規定に違反する罪について、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による司法警察員の職務を行なう。
事業者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して、解雇 その他不利益な取扱いをしてはならない。
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃するときは、その命令で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。