公認会計士法

# 昭和二十三年法律第百三号 #

第二章 公認会計士試験等

分類 法律
カテゴリ   産業通則
@ 施行日 : 令和五年十一月二十九日 ( 2023年 11月29日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第八十号による改正
最終編集日 : 2024年 05月08日 08時48分


1項

公認会計士試験は、公認会計士になろうとする者に必要な学識 及びその応用能力を有するかどうかを判定することをその目的とし、第八条に定めるところによつて、短答式(択一式を含む。同条 及び第九条において同じ。)及び論文式による筆記の方法により行う。

1項
短答式による試験は、次に掲げる科目について行う。
一 号

財務会計論(簿記、財務諸表論 その他の内閣府令で定める分野の科目をいう。以下同じ。

二 号

管理会計論(原価計算 その他の内閣府令で定める分野の科目をいう。以下同じ。

三 号
監査論
四 号

企業法(会社法 その他の内閣府令で定める分野の科目をいう。以下同じ。

2項

論文式による試験は、短答式による試験に合格した者 及び次条の規定により短答式による試験を免除された者(試験科目の全部について試験を免除された者を含む。)につき、次に掲げる科目について行う。

一 号

会計学(財務会計論 及び管理会計論をいう。以下同じ。

二 号
監査論
三 号
企業法
四 号

租税法(法人税法 その他の内閣府令で定める分野の科目をいう。以下同じ。

五 号

次の科目のうち受験者のあらかじめ選択する一科目

経営学
経済学
民法
統計学
3項

前二項に規定する試験科目については、内閣府令で定めるところにより、その全部 又は一部について範囲を定めることができる。

4項

公認会計士試験においては、その受験者が公認会計士となろうとする者に必要な学識 及び応用能力を備えているかどうかを適確に評価するため、知識を有するかどうかの判定に偏することなく、実践的な思考力、判断力等の判定に意を用いなければならない。

1項

次の各号いずれかに該当する者に対しては、その申請により、短答式による試験を免除する。

一 号

学校教育法昭和二十二年法律第二十六号)による大学 若しくは高等専門学校、旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学(予科を含む。以下同じ。)、旧高等学校令(大正七年勅令第三百八十九号)による高等学校高等科 若しくは旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校において三年以上商学に属する科目の教授 若しくは准教授の職にあつた者 又は商学に属する科目に関する研究により博士の学位を授与された者

二 号

学校教育法による大学 若しくは高等専門学校、旧大学令による大学、旧高等学校令による高等学校高等科 若しくは旧専門学校令による専門学校において三年以上法律学に属する科目の教授 若しくは准教授の職にあつた者 又は法律学に属する科目に関する研究により博士の学位を授与された者

三 号
高等試験本試験に合格した者
四 号

司法修習生となる資格(高等試験司法科試験の合格を除く)を得た者

2項

前項各号に定めるもののほか次の各号いずれかに該当する者に対しては、その申請により、当該各号に定める科目について、短答式による試験を免除する。

一 号

税理士法第三条第一項第一号 若しくは第二号の規定により税理士となる資格を有する者 又は税理士試験の試験科目のうち簿記論 及び財務諸表論の二科目について同法第七条第一項に規定する政令で定める基準以上の成績を得た者(同条第三項の規定により、同条第一項に規定する政令で定める基準以上の成績を得たものとみなされる者を含む。

財務会計論

二 号

商学に属する科目 その他内閣府令で定めるものに関する研究により学校教育法第百四条第三項に規定する文部科学大臣の定める学位で内閣府令で定めるものを授与された者

政令で定める科目

三 号

前条第一項各号に掲げる科目の全部 又は一部に関連する事務 又は業務に従事した期間が通算して七年以上である者として政令で定める者

政令で定める科目

3項

短答式による試験に合格した者に対しては、その申請により、当該短答式による試験に係る合格発表の日から起算して二年を経過する日までに行われる短答式による試験を免除する。

4項

前三項の申請の手続は、内閣府令で定める。

1項

次の各号いずれかに該当する者に対しては、その申請により、当該各号に定める科目について、論文式による試験を免除する。

一 号

前条第一項第一号に掲げる者

会計学 及び経営学

二 号

前条第一項第二号 又は第四号に掲げる者

企業法 及び民法

三 号

前条第一項第三号に掲げる者

高等試験本試験において受験した科目(当該科目が商法である場合にあつては、企業法

四 号

学校教育法による大学 若しくは高等専門学校、旧大学令による大学、旧高等学校令による高等学校高等科 若しくは旧専門学校令による専門学校において三年以上経済学に属する科目の教授 若しくは准教授の職にあつた者 又は経済学に属する科目に関する研究により博士の学位を授与された者

経済学

五 号

不動産鑑定士試験に合格した者

経済学 又は民法

六 号

税理士法第三条第一項第一号 又は第二号の規定により税理士となる資格を有する者

租税法

七 号

第八条第二項各号に掲げる科目の全部 又は一部について、公認会計士となろうとする者に必要な学識 及び応用能力を有するものとして政令で定める者

政令で定める科目

2項

論文式による試験において、試験科目のうちの一部の科目について公認会計士・監査審査会が相当と認める成績を得た者については、その申請により、当該論文式による試験に係る合格発表の日から起算して二年を経過する日までに行われる論文式による当該科目についての試験を免除する。

3項

前二項の申請の手続は、内閣府令で定める。

1項

公認会計士試験を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の受験手数料を納付しなければならない。

2項

前項の規定により納付した受験手数料は、公認会計士試験を受けなかつた場合においても、これを還付しない。

1項
公認会計士試験に合格した者には、当該試験に合格したことを証する証書を授与する。
1項
公認会計士試験は、公認会計士・監査審査会が、これを行う。
2項

公認会計士試験は、毎年一回以上、これを行う。

1項
公認会計士・監査審査会は、不正の手段によつて公認会計士試験を受け、又は受けようとした者に対しては、合格の決定を取り消し、又はその試験を受けることを禁止することができる。
2項

公認会計士・監査審査会は、前項の規定による処分を受けた者に対し、情状により三年以内の期間を定めて公認会計士試験を受けることができないものとすることができる。

1項

この法律に定めるもののほか、公認会計士試験に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

1項
業務補助等の期間は、公認会計士試験の合格の前後を問わず、次に掲げる期間を通算した期間とする。
一 号

第二条第一項の業務について公認会計士 又は監査法人を補助した期間

二 号
財務に関する監査、分析 その他の実務で政令で定めるものに従事した期間
2項

この法律に定めるもののほか、業務補助等について必要な事項は、内閣府令で定める。

1項

実務補習は、公認会計士試験に合格した者に対して、公認会計士となるのに必要な技能を修習させるため、公認会計士の組織する団体 その他の内閣総理大臣の認定する機関(以下この条において「実務補習団体等」という。)において行う。

2項

前項の認定を申請しようとする者は、内閣府令で定める事項を記載した申請書に内閣府令で定める書類を添付して、これを内閣総理大臣に提出しなければならない。

3項

内閣総理大臣は、前項の認定の申請があつた場合において、実務補習の内容、方法 その他の事項に関し内閣府令で定める基準に適合するものであると認めるときは、その認定を行うものとする。

4項

内閣総理大臣は、実務補習団体等が行う実務補習の内容、方法 その他の事項が前項に規定する内閣府令で定める基準に照らして適当でないと認めるときは、当該実務補習団体等に対し、必要な指示をすることができる。

5項

内閣総理大臣は、実務補習団体等が第三項に規定する内閣府令で定める基準に適合しなくなつたと認めるとき、若しくは前項の規定による指示に従わないとき、又は当該実務補習団体等から実務補習団体等としての認定の取消しの申請があつたときは、第一項の認定を取り消すことができる。

6項

実務補習団体等は、公認会計士試験に合格した者で当該実務補習団体等において実務補習を受けている者(次項において「受講者」という。)がすべての実務補習の課程を終えたときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、当該実務補習の状況を書面で内閣総理大臣に報告しなければならない。

7項

内閣総理大臣は、前項の規定による報告に基づき、受講者が実務補習のすべての課程を修了したと認めるときは、当該受講者について実務補習の修了したことの確認を行わなければならない。

8項

この法律に定めるもののほか、実務補習について必要な事項は、内閣府令で定める。

1項

外国において公認会計士の資格に相当する資格を有し、かつ、会計に関連する日本国の法令について相当の知識を有する者は、内閣総理大臣による資格の承認を受け、かつ、日本公認会計士協会による外国公認会計士名簿への登録を受けて、第二条に規定する業務を行うことができる。


ただし第四条各号いずれかに該当する者については、この限りでない。

2項

内閣総理大臣は、前項の資格の承認をする場合には、内閣府令で定めるところにより、公認会計士・監査審査会をして試験 又は選考を行わせるものとする。

3項

前項の試験 又は選考を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

4項

前項の規定により納付した手数料は、第二項の試験 又は選考を受けなかつた場合においても、これを還付しない。

5項

第一項の登録を受けた者(以下「外国公認会計士」という。)が次の各号いずれかに該当する場合には、日本公認会計士協会は、同項の登録を抹消しなければならない。

一 号

第二十一条第一項各号いずれかに該当するとき。

二 号
外国において公認会計士の資格に相当する資格を失つたとき。
6項

第十八条の二から第二十条まで第二十一条第一項除く)、第二十二条第二十四条から第三十四条の二まで 及び第四十九条の規定は、外国公認会計士について準用する。