審査請求は、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書面を提出してしなければならない。
国税通則法
第三款 審査請求
審査請求に係る処分があつたことを知つた年月日(当該処分に係る通知を受けた場合にはその通知を受けた年月日とし、再調査の請求についての決定を経た後の処分について審査請求をする場合には再調査決定書の謄本の送達を受けた年月日とする。)
審査請求の趣旨 及び理由
前項の書面(以下この款において「審査請求書」という。)には、同項に規定する事項のほか、次の各号に掲げる場合においては、当該各号に定める事項を記載しなければならない。
第七十五条第四項第一号(国税に関する処分についての不服申立て)の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合
再調査の請求をした年月日
第七十五条第四項第二号の規定により再調査の請求についての決定を経ないで審査請求をする場合
同号に規定する正当な理由
第七十七条第一項から第三項まで(不服申立期間)に規定する期間の経過後において審査請求をする場合
これらの各項のただし書に規定する正当な理由
第一項第三号に規定する趣旨は、処分の取消し 又は変更を求める範囲を明らかにするように記載するものとし、同号に規定する理由においては、処分に係る通知書 その他の書面により通知されている処分の理由に対する審査請求人の主張が明らかにされていなければならないものとする。
審査請求は、審査請求に係る処分(当該処分に係る再調査の請求についての決定を含む。)をした行政機関の長を経由してすることもできる。
この場合において、審査請求人は、当該行政機関の長に審査請求書を提出してするものとする。
前項の場合には、同項の行政機関の長は、直ちに、審査請求書を国税不服審判所長に送付しなければならない。
第一項の場合における審査請求期間の計算については、同項の行政機関の長に審査請求書が提出された時に審査請求がされたものとみなす。
税務署長、国税局長 又は税関長に対して再調査の請求がされた場合において、当該税務署長、国税局長 又は税関長がその再調査の請求を審査請求として取り扱うことを適当と認めてその旨を再調査の請求人に通知し、かつ、当該再調査の請求人がこれに同意したときは、その同意があつた日に、国税不服審判所長に対し、審査請求がされたものとみなす。
前項の通知に係る書面には、再調査の請求に係る処分の理由が当該処分に係る通知書 その他の書面により処分の相手方に通知されている場合を除き、その処分の理由を付記しなければならない。
第一項の規定に該当するときは、同項の再調査の請求がされている税務署長、国税局長 又は税関長は、その再調査の請求書等を国税不服審判所長に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人 及び参加人に通知しなければならない。
この場合においては、その送付された再調査の請求書は、審査請求書とみなす。
更正決定等(源泉徴収等による国税に係る納税の告知を含む。以下この条、第百四条(併合審理等)及び第百十五条第一項第二号(不服申立ての前置等)において同じ。)について審査請求がされている場合において、当該更正決定等に係る国税の課税標準等又は税額等(その国税に係る附帯税の額を含む。以下この条、第百四条 及び第百十五条第一項第二号において同じ。)についてされた他の更正決定等について税務署長、国税局長 又は税関長に対し再調査の請求がされたときは、当該再調査の請求がされた税務署長、国税局長 又は税関長は、その再調査の請求書等を国税不服審判所長に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人に通知しなければならない。
更正決定等について税務署長、国税局長 又は税関長に対し 再調査の請求がされている場合において、当該更正決定等に係る国税の課税標準等 又は税額等についてされた他の更正決定等について審査請求がされたときは、当該再調査の請求がされている税務署長、国税局長 又は税関長は、その再調査の請求書等を国税不服審判所長に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人 及び参加人に通知しなければならない。
前二項の規定により再調査の請求書等が国税不服審判所長に送付された場合には、その送付がされた日に、国税不服審判所長に対し、当該再調査の請求に係る処分についての審査請求がされたものとみなす。
前条第二項の規定は第一項 又は第二項の通知に係る書面について、同条第三項後段の規定は前項の場合について準用する。
国税不服審判所長は、審査請求書が第八十七条(審査請求書の記載事項等)又は第百二十四条(書類提出者の氏名、住所 及び番号の記載)の規定に違反する場合には、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを求めなければならない。
この場合において、不備が軽微なものであるときは、国税不服審判所長は、職権で補正することができる。
審査請求人は、前項の補正を求められた場合には、国税不服審判所に出頭して補正すべき事項について陳述し、その陳述の内容を国税不服審判所の職員が録取した書面を確認することによつても、これをすることができる。
前条第一項の場合において、審査請求人が同項の期間内に不備を補正しないときは、国税不服審判所長は、次条から第九十七条の四まで(担当審判官等の審理手続)に定める審理手続を経ないで、第九十八条第一項(裁決)の規定に基づき、裁決で、当該審査請求を却下することができる。
審査請求が不適法であつて補正することができないことが明らかなときも、前項と同様とする。
審査請求人、参加人 及び次条第一項に規定する原処分庁(以下「審理関係人」という。)並びに担当審判官は、簡易迅速かつ公正な審理の実現のため、審理において、相互に協力するとともに、審理手続の計画的な進行を図らなければならない。
国税不服審判所長は、審査請求書を受理したときは、その審査請求を第九十二条(審理手続を経ないでする却下裁決)の規定により却下する場合を除き、相当の期間を定めて、審査請求の目的となつた処分に係る行政機関の長(第七十五条第二項(第一号に係る部分に限る。)(国税局の職員の調査に係る処分についての再調査の請求)に規定する処分にあつては、当該国税局長。以下「原処分庁」という。)から、答弁書を提出させるものとする。
この場合において、国税不服審判所長は、その受理した審査請求書を原処分庁に送付するものとする。
前項の答弁書には、審査請求の趣旨 及び理由に対応して、原処分庁の主張を記載しなければならない。
国税不服審判所長は、原処分庁から答弁書が提出されたときは、これを審査請求人 及び参加人に送付しなければならない。
国税不服審判所長は、審査請求に係る事件の調査 及び審理を行わせるため、担当審判官一名 及び参加審判官二名以上を指定する。
国税不服審判所長が前項の規定により指定する者は、次に掲げる者以外の者でなければならない。
審査請求に係る処分又は当該処分に係る再調査の請求についての決定に関与した者
審査請求人の配偶者、四親等内の親族又は同居の親族
前二号に掲げる者であつた者
審査請求人の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人 又は補助監督人
第百九条第一項(参加人)に規定する利害関係人
審査請求人は、第九十三条第三項(答弁書の送付)の規定により送付された答弁書に記載された事項に対する反論を記載した書面(以下この条 及び第九十七条の四第二項第一号ロ(審理手続の終結)において「反論書」という。)を提出することができる。
この場合において、担当審判官が、反論書を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
参加人は、審査請求に係る事件に関する意見を記載した書面(以下この条 及び第九十七条の四第二項第一号ハにおいて「参加人意見書」という。)を提出することができる。
この場合において、担当審判官が、参加人意見書を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
担当審判官は、審査請求人から反論書の提出があつたときはこれを参加人 及び原処分庁に、参加人から参加人意見書の提出があつたときはこれを審査請求人 及び原処分庁に、それぞれ送付しなければならない。
審査請求人 又は参加人の申立てがあつた場合には、担当審判官は、当該申立てをした者に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。
前項の規定による意見の陳述(次項 及び第九十七条の四第二項第二号(審理手続の終結)において「口頭意見陳述」という。)に際し、前項の申立てをした者は、担当審判官の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、原処分庁に対して、質問を発することができる。
第八十四条第一項ただし書、第二項、第三項 及び第五項(決定の手続等)の規定は、第一項の口頭意見陳述について準用する。
この場合において、
同条第二項中
「再調査審理庁」とあるのは
「担当審判官」と、
「再調査の請求人 及び参加人」とあるのは
「全ての審理関係人」と、
同条第三項中
「再調査審理庁」とあるのは
「担当審判官」と、
同条第五項中
「再調査審理庁 又は前項の職員」とあるのは
「担当審判官」と、
それぞれ読み替えるものとする。
参加審判官は、担当審判官の命を受け、第二項の許可 及び前項において読み替えて準用する第八十四条第五項の行為をすることができる。
審査請求人 又は参加人は、証拠書類 又は証拠物を提出することができる。
原処分庁は、当該処分の理由となる事実を証する書類 その他の物件を提出することができる。
前二項の場合において、担当審判官が、証拠書類 若しくは証拠物 又は書類その他の物件を提出すべき 相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
担当審判官は、審理を行うため必要があるときは、審理関係人の申立てにより、又は職権で、次に掲げる行為をすることができる。
審査請求人若しくは原処分庁(第四項において「審査請求人等」という。)又は関係人 その他の参考人に質問すること。
前号に規定する者の帳簿書類 その他の物件につき、その所有者、所持者 若しくは保管者に対し、相当の期間を定めて、当該物件の提出を求め、又はこれらの者が提出した物件を留め置くこと。
第一号に規定する者の帳簿書類その他の物件を検査すること。
国税審判官、国税副審判官その他の国税不服審判所の職員は、担当審判官の嘱託により、又はその命を受け、前項第一号 又は第三号に掲げる行為をすることができる。
国税審判官、国税副審判官 その他の国税不服審判所の職員は、第一項第一号 及び第三号に掲げる行為をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
国税不服審判所長は、審査請求人等(審査請求人と特殊な関係がある者で政令で定めるものを含む。)が、正当な理由がなく、第一項第一号から第三号まで 又は第二項の規定による質問、提出要求 又は検査に応じないため審査請求人等の主張の全部 又は一部についてその基礎を明らかにすることが著しく困難になつた場合には、その部分に係る審査請求人等の主張を採用しないことができる。
第一項 又は第二項に規定する当該職員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと 解してはならない。
担当審判官は、審査請求に係る事件について、審理すべき事項が多数であり又は錯綜しているなど 事件が複雑であることその他の事情により、迅速かつ公正な審理を行うため、第九十五条の二から前条第一項まで(口頭意見陳述等)に定める審理手続を計画的に遂行する必要があると認める場合には、期日 及び場所を指定して、審理関係人を招集し、あらかじめ、これらの審理手続の申立てに関する意見の聴取を行うことができる。
担当審判官は、審理関係人が遠隔の地に居住している場合 その他相当と認める場合には、政令で定めるところにより、担当審判官 及び審理関係人が音声の送受信により通話をすることができる方法によつて、前項に規定する意見の聴取を行うことができる。
担当審判官は、前二項の規定による意見の聴取を行つたときは、遅滞なく、第九十五条の二から前条第一項までに定める審理手続の期日 及び場所 並びに第九十七条の四第一項(審理手続の終結)の規定による審理手続の終結の予定時期を決定し、これらを審理関係人に通知するものとする。
当該予定時期を変更したときも、同様とする。
審理関係人は、次条第一項 又は第二項の規定により審理手続が終結するまでの間、担当審判官に対し、第九十六条第一項 若しくは第二項(証拠書類等の提出)又は第九十七条第一項第二号(審理のための質問、検査等)の規定により提出された書類 その他の物件の閲覧(電磁的記録にあつては、記録された事項を財務省令で定めるところにより表示したものの閲覧)又は当該書類の写し 若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求めることができる。
この場合において、担当審判官は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧 又は交付を拒むことができない。
担当審判官は、前項の規定による閲覧をさせ、又は同項の規定による交付をしようとするときは、当該閲覧 又は交付に係る書類 その他の物件の提出人の意見を聴かなければならない。
ただし、担当審判官が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。
担当審判官は、第一項の規定による閲覧について、日時 及び場所を指定することができる。
第一項の規定による交付を受ける審査請求人 又は参加人は、政令で定めるところにより、実費の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。
担当審判官は、経済的困難 その他特別の理由があると認めるときは、政令で定めるところにより、前項の手数料を減額し、又は免除することができる。
担当審判官は、必要な審理を終えたと 認めるときは、審理手続を終結するものとする。
前項に定めるもののほか、担当審判官は、次の各号のいずれかに 該当するときは、審理手続を終結することができる。
次のイからホまでに掲げる規定の相当の期間内に、当該イからホまでに定める物件が提出されない場合において、更に一定の期間を示して、当該物件の提出を求めたにもかかわらず、当該提出期間内に当該物件が提出されなかつたとき。
第九十三条第一項前段(答弁書の提出等)
答弁書
第九十五条第一項後段(反論書等の提出)
反論書
第九十五条第二項後段
参加人意見書
第九十六条第三項(証拠書類等の提出)
証拠書類 若しくは証拠物 又は書類 その他の物件
第九十七条第一項第二号(審理のための質問、検査等)
帳簿書類 その他の物件
第九十五条の二第一項(口頭意見陳述)に規定する申立てをした審査請求人 又は参加人が、正当な理由がなく、口頭意見陳述に出頭しないとき。
担当審判官が前二項の規定により審理手続を終結したときは、速やかに、審理関係人に対し、審理手続を終結した旨を通知するものとする。
審査請求が法定の期間経過後にされたものである場合 その他不適法である場合には、国税不服審判所長は、裁決で、当該審査請求を却下する。
審査請求が理由がない場合には、国税不服審判所長は、裁決で、当該審査請求を棄却する。
審査請求が理由がある場合には、国税不服審判所長は、裁決で、当該審査請求に係る処分の全部 若しくは一部を取り消し、又はこれを変更する。
ただし、審査請求人の不利益に当該処分を変更することはできない。
国税不服審判所長は、裁決をする場合(第九十二条(審理手続を経ないでする却下裁決)の規定により当該審査請求を却下する場合を除く。)には、担当審判官 及び参加審判官の議決に基づいてこれをしなければならない。
国税不服審判所長は、国税庁長官が発した通達に示されている法令の解釈と異なる解釈により裁決をするとき、又は他の国税に係る処分を行う際における法令の解釈の重要な先例となると 認められる裁決をするときは、あらかじめその意見を国税庁長官に通知しなければならない。
国税庁長官は、前項の通知があつた場合において、国税不服審判所長の意見が審査請求人の主張を認容するものであり、かつ、国税庁長官が当該意見を相当と認める場合を除き、国税不服審判所長と共同して当該意見について国税審議会に諮問しなければならない。
国税不服審判所長は、前項の規定により国税庁長官と共同して国税審議会に諮問した場合には、当該国税審議会の議決に基づいて裁決をしなければならない。
裁決は、次に掲げる事項を記載し、国税不服審判所長が記名押印した裁決書によりしなければならない。
第八十四条第八項(決定の手続等)の規定は、前項の裁決について準用する。
裁決は、審査請求人(当該審査請求が処分の相手方以外の者のしたものである場合における第九十八条第三項(裁決)の規定による裁決にあつては、審査請求人 及び処分の相手方)に裁決書の謄本が送達された時に、その効力を生ずる。
国税不服審判所長は、裁決書の謄本を参加人 及び原処分庁(第七十五条第二項(第一号に係る部分に限る。)(国税に関する処分についての不服申立て)に規定する処分に係る審査請求にあつては、当該処分に係る税務署長を含む。)に送付しなければならない。
裁決は、関係行政庁を拘束する。
申請 若しくは請求に基づいてした処分が手続の違法 若しくは不当を理由として裁決で取り消され、又は申請 若しくは請求を却下し若しくは棄却した処分が裁決で取り消された場合には、当該処分に係る行政機関の長は、裁決の趣旨に従い、改めて申請 又は請求に対する処分をしなければならない。
国税に関する法律に基づいて公示された処分が裁決で取り消され、又は変更された場合には、当該処分に係る行政機関の長は、当該処分が取り消され、又は変更された旨を公示しなければならない。
国税に関する法律に基づいて処分の相手方以外の第百九条第一項(参加人)に規定する利害関係人に通知された処分が裁決で取り消され、又は変更された場合には、当該処分に係る行政機関の長は、その通知を受けた者(審査請求人 及び参加人を除く。)に、当該処分が取り消され、又は変更された旨を通知しなければならない。
国税不服審判所長は、裁決をしたときは、速やかに、第九十六条第一項 又は第二項(証拠書類等の提出)の規定により提出された証拠書類 若しくは証拠物 又は書類 その他の物件 及び第九十七条第一項第二号(審理のための質問、検査等)の規定による提出要求に応じて提出された帳簿書類 その他の物件をその提出人に返還しなければならない。