地方公務員の育児休業等に関する法律

平成三年法律第百十号
略称 : 地方公務員育児休業法 
分類 法律
カテゴリ   地方自治
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月26日 11時40分

· · ·
1項

この法律は、育児休業等に関する制度を設けて子を養育する職員(地方公務員法昭和二十五年法律第二百六十一号第四条第一項に規定する職員をいう。以下同じ。)の継続的な勤務を促進し、もって職員の福祉を増進するとともに、地方公共団体の行政の円滑な運営に資することを目的とする。

· · · · ·
· · ·
1項

職員(第十八条第一項の規定により採用された同項に規定する短時間勤務職員、臨時的に任用される職員 その他その任用の状況がこれらに類する職員として条例で定める職員を除く)は、任命権者(地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者 及びその委任を受けた者をいう。以下同じ。)の承認を受けて、当該職員の子(民法明治二十九年法律第八十九号第八百十七条の二第一項の規定により職員が当該職員との間における同項に規定する特別養子縁組の成立について家庭裁判所に請求した者(当該請求に係る家事審判事件が裁判所に係属している場合に限る)であって、当該職員が現に監護するもの、児童福祉法昭和二十二年法律第百六十四号第二十七条第一項第三号の規定により同法第六条の四第二号に規定する養子縁組里親である職員に委託されている児童 その他これらに準ずる者として条例で定める者を含む。以下同じ。)を養育するため、当該子が三歳に達する日(非常勤職員にあっては、当該子の養育の事情に応じ、一歳に達する日から一歳六か月に達する日までの間で条例で定める日(当該子の養育の事情を考慮して特に必要と認められる場合として条例で定める場合に該当するときは、二歳に達する日)まで、育児休業をすることができる。


ただし、当該子について、既に二回の育児休業(次に掲げる育児休業を除く)をしたことがあるときは、条例で定める特別の事情がある場合を除き、この限りでない。

一 号

子の出生の日から国家公務員の育児休業等に関する法律平成三年法律第百九号。以下「国家公務員育児休業法」という。)第三条第一項第一号の規定により人事院規則で定める期間を基準として条例で定める期間内に、職員(当該期間内に労働基準法昭和二十二年法律第四十九号第六十五条第二項の規定により勤務しない職員を除く)が当該子についてする育児休業(次号に掲げる育児休業を除く)のうち最初のもの及び二回目のもの

二 号

任期を定めて採用された職員が当該任期の末日を育児休業の期間の末日としてする育児休業(当該職員が、当該任期を更新され、又は当該任期の満了後引き続いて任命権者を同じくする職に採用されることに伴い、当該育児休業に係る子について、当該更新前の任期の末日の翌日 又は当該採用の日を育児休業の期間の初日とする育児休業をする場合に限る

2項

育児休業の承認を受けようとする職員は、育児休業をしようとする期間の初日 及び末日を明らかにして、任命権者に対し、その承認を請求するものとする。

3項

任命権者は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る期間について当該請求をした職員の業務を処理するための措置を講ずることが著しく困難である場合を除き、これを承認しなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

育児休業をしている職員は、任命権者に対し、当該育児休業の期間の延長を請求することができる。

2項

育児休業の期間の延長は、条例で定める特別の事情がある場合を除き一回に限るものとする。

3項

前条第二項 及び第三項の規定は、育児休業の期間の延長について準用する。

· · · · ·
· · ·
1項

育児休業をしている職員は、育児休業を開始した時 就いていた職 又は育児休業の期間中に異動した職を保有するが、職務に従事しない。

2項

育児休業をしている期間については、給与を支給しない。

· · · · ·
· · ·
1項

育児休業の承認は、当該育児休業をしている職員が産前の休業を始め、若しくは出産した場合、当該職員が休職 若しくは停職の処分を受けた場合 又は当該育児休業に係る子が死亡し、若しくは当該職員の子でなくなった場合には、その効力を失う。

2項

任命権者は、育児休業をしている職員が当該育児休業に係る子を養育しなくなったこと その他条例で定める事由に該当すると認めるときは、当該育児休業の承認を取り消すものとする。

· · · · ·
· · ·
1項

任命権者は、第二条第二項 又は第三条第一項の規定による請求があった場合において、当該請求に係る期間について職員の配置換え その他の方法により当該請求をした職員の業務を処理することが困難であると認めるときは、当該業務を処理するため、次の各号に掲げる任用のいずれかを行うものとする。


この場合において、第二号に掲げる任用は、当該請求に係る期間について一年を超えて行うことができない。

一 号
当該請求に係る期間を任期の限度として行う任期を定めた採用
二 号

当該請求に係る期間を任期の限度として行う臨時的任用

2項

任命権者は、前項の規定により任期を定めて職員を採用する場合には、当該職員に当該任期を明示しなければならない。

3項

任命権者は、第一項の規定により任期を定めて採用された職員の任期が第二条第二項 又は第三条第一項の規定による請求に係る期間に満たない場合には、当該期間の範囲内において、当該任期を更新することができる。

4項

第二項の規定は、前項の規定により任期を更新する場合について準用する。

5項

任命権者は、第一項の規定により任期を定めて採用された職員を、任期を定めて採用した趣旨に反しない場合に限り、当該任期中、他の職に任用することができる。

6項

第一項の規定により臨時的任用を行う場合には、地方公務員法第二十二条の三第一項から第四項までの規定は、適用しない

· · · · ·
· · ·
1項

育児休業をしている職員については、第四条第二項の規定にかかわらず国家公務員育児休業法第八条に規定する育児休業をしている国家公務員の期末手当 又は勤勉手当の支給に関する事項を基準として定める条例の定めるところにより、期末手当 又は勤勉手当を支給することができる。

· · · · ·
· · ·
1項

育児休業をした職員については、国家公務員育児休業法第三条第一項の規定により育児休業をした国家公務員の給与 及び退職手当の取扱いに関する事項を基準として、職務に復帰した場合の給与 及び退職した場合の退職手当の取扱いに関する措置を講じなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

職員は、育児休業を理由として、不利益な取扱いを受けることはない。

· · · · ·
· · ·
1項

職員(非常勤職員、臨時的に任用される職員 その他これらに類する職員として条例で定める職員を除く)は、任命権者の承認を受けて、当該職員の小学校就学の始期に達するまでの子を養育するため、当該子がその始期に達するまで、常時勤務を要する職を占めたまま、次の各号に掲げるいずれかの勤務の形態(一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律平成六年法律第三十三号第六条の規定の適用を受ける国家公務員と同様の勤務の形態によって勤務する職員以外の職員にあっては、第五号に掲げる勤務の形態)により、当該職員が希望する日 及び時間帯において勤務すること(以下「育児短時間勤務」という。)ができる。


ただし、当該子について、既に育児短時間勤務をしたことがある場合において、当該子に係る育児短時間勤務の終了の日の翌日から起算して一年を経過しないときは、条例で定める特別の事情がある場合を除き、この限りでない。

一 号

日曜日 及び土曜日を週休日(勤務時間を割り振らない日をいう。以下この項において同じ。)とし、週休日以外の日において一日につき十分の一勤務時間(当該職員の一週間当たりの通常の勤務時間(以下この項において「週間勤務時間」という。)に十分の一を乗じて得た時間に端数処理(五分を最小の単位とし、これに満たない端数を切り上げることをいう。以下この項において同じ。)を行って得た時間をいう。以下この項 及び第十三条において同じ。)勤務すること。

二 号

日曜日 及び土曜日を週休日とし、週休日以外の日において一日につき八分の一勤務時間(週間勤務時間に八分の一を乗じて得た時間に端数処理を行って得た時間をいう。以下この項において同じ。)勤務すること。

三 号

日曜日 及び土曜日 並びに月曜日から金曜日までの五日間のうちの二日を週休日とし、週休日以外の日において一日につき五分の一勤務時間(週間勤務時間に五分の一を乗じて得た時間に端数処理を行って得た時間をいう。以下この項 及び第十三条において同じ。)勤務すること。

四 号

日曜日 及び土曜日 並びに月曜日から金曜日までの五日間のうちの二日を週休日とし、週休日以外の日のうち、二日については一日につき五分の一勤務時間、一日については一日につき十分の一勤務時間勤務すること。

五 号

前各号に掲げるもののほか一週間当たりの勤務時間が五分の一勤務時間にを乗じて得た時間に十分の一勤務時間を加えた時間から八分の一勤務時間にを乗じて得た時間までの範囲内の時間となるように条例で定める勤務の形態

2項

育児短時間勤務の承認を受けようとする職員は、条例で定めるところにより、育児短時間勤務をしようとする期間(一月以上一年以下の期間に限る)の初日 及び末日 並びにその勤務の形態における勤務の日 及び時間帯を明らかにして、任命権者に対し、その承認を請求するものとする。

3項

任命権者は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る期間について当該請求をした職員の業務を処理するための措置を講ずることが困難である場合を除き、これを承認しなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

育児短時間勤務をしている職員(以下「育児短時間勤務職員」という。)は、任命権者に対し、当該育児短時間勤務の期間の延長を請求することができる。

2項

前条第二項 及び第三項の規定は、育児短時間勤務の期間の延長について準用する。

· · · · ·
· · ·
1項

第五条の規定は、育児短時間勤務の承認の失効 及び取消しについて準用する。

· · · · ·
· · ·
1項

一人の育児短時間勤務職員(一週間当たりの勤務時間が五分の一勤務時間にを乗じて得た時間に十分の一勤務時間を加えた時間から十分の一勤務時間にを乗じて得た時間までの範囲内の時間である者に限る。以下この条において同じ。)が占める職には、他の一人の育児短時間勤務職員を任用することを妨げない。

· · · · ·
· · ·
1項

育児短時間勤務職員については、国家公務員育児休業法第十二条第一項に規定する育児短時間勤務をしている国家公務員の給与、勤務時間 及び休暇の取扱いに関する事項を基準として、給与、勤務時間 及び休暇の取扱いに関する措置を講じなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

育児短時間勤務をした職員については、国家公務員育児休業法第十二条第一項に規定する育児短時間勤務をした国家公務員の退職手当の取扱いに関する事項を基準として、退職した場合の退職手当の取扱いに関する措置を講じなければならない。

· · · · ·
· · ·
1項

職員は、育児短時間勤務を理由として、不利益な取扱いを受けることはない。

· · · · ·
· · ·
1項

任命権者は、第十二条において準用する第五条の規定により育児短時間勤務の承認が失効し、又は取り消された場合において、過員を生ずること その他の条例で定めるやむを得ない事情があると認めるときは、その事情が継続している期間、条例で定めるところにより、当該育児短時間勤務をしていた職員に、引き続き当該育児短時間勤務と同一の勤務の日 及び時間帯において常時勤務を要する職を占めたまま勤務をさせることができる。


この場合において、第十三条から前条までの規定を準用する。

· · · · ·
· · ·
1項

任命権者は、第十条第二項 又は第十一条第一項の規定による請求があった場合において、当該請求に係る期間について当該請求をした職員の業務を処理するため必要があると認めるときは、当該請求に係る期間を任期の限度として、短時間勤務職員(地方公務員法第二十二条の四第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員をいう。以下この条において同じ。)を採用することができる。

2項

任命権者は、前項の規定により任期を定めて短時間勤務職員を採用する場合には、当該短時間勤務職員にその任期を明示しなければならない。

3項

任命権者は、第一項の規定により任期を定めて採用された短時間勤務職員について、条例で定めるところにより、当該育児短時間勤務職員の第十条第二項の規定による請求に係る期間 又は当該期間の初日から第十一条第一項の規定による請求に係る期間の末日までの期間の範囲内において、その任期を更新することができる。

4項

第二項の規定は、前項の規定により任期を更新する場合について準用する。

5項

任命権者は、第一項の規定により任期を定めて採用された短時間勤務職員を、任期を定めて採用した趣旨に反しない場合に限り、その任期中、他の職に任用することができる。

6項

任命権者が第一項 又は前項の規定により短時間勤務職員を任用する場合には、地方公務員法第二十二条の四第四項の規定は、適用しない

· · · · ·
· · ·
1項

任命権者(地方教育行政の組織及び運営に関する法律昭和三十一年法律第百六十二号第三十七条第一項に規定する県費負担教職員については、市町村の教育委員会)は、職員(育児短時間勤務職員 その他その任用の状況がこれに類する職員として条例で定める職員を除く)が請求した場合において、公務の運営に支障がないと認めるときは、条例の定めるところにより、当該職員がその小学校就学の始期(非常勤職員(地方公務員法第二十二条の四第一項に規定する短時間勤務の職を占める職員を除く)にあっては、三歳)に達するまでの子を養育するため一日の勤務時間の一部(二時間を超えない範囲内の時間に限る)について勤務しないこと(以下この条において「部分休業」という。)を承認することができる。

2項

職員が部分休業の承認を受けて勤務しない場合には、国家公務員育児休業法第二十六条第二項に規定する育児時間の承認を受けて勤務しない場合の国家公務員の給与の支給に関する事項を基準として定める条例の定めるところにより、減額して給与を支給するものとする。

3項

第五条 及び第十六条の規定は、部分休業について準用する。

· · · · ·
· · ·
1項

職員に関する労働基準法第十二条第三項第四号 及び第三十九条第十項の規定の適用については、

同法第十二条第三項第四号
育児休業、介護休業等育児 又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)第二条第一号」とあるのは
地方公務員の育児休業等に関する法律平成三年法律第百十号第二条第一項」と、

同条第二号」とあるのは
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律平成三年法律第七十六号第二条第二号」と、

同法第三十九条第十項
育児休業、介護休業等育児 又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第二条第一号」とあるのは

地方公務員の育児休業等に関する法律第二条第一項」と、

同条第二号」とあるのは
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第二条第二号」と

する。

2項

職員に関する船員法昭和二十二年法律第百号)第七十四条第四項の規定の適用については、

同項中
育児休業、介護休業等育児 又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)第二条第一号」とあるのは、
地方公務員の育児休業等に関する法律平成三年法律第百十号第二条第一項」と

する。

· · · · ·