民事訴訟法

# 平成八年法律第百九号 #
略称 : 民訴法 

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年三月一日 ( 2024年 3月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第四十八号による改正
最終編集日 : 2024年 07月31日 09時08分


1項

金銭 その他の代替物 又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求については、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。


ただし、日本において公示送達によらないでこれを送達することができる場合に限る

1項

支払督促の申立ては、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してする。

2項

次の各号に掲げる請求についての支払督促の申立ては、それぞれ当該各号に定める地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してもすることができる。

一 号

事務所 又は営業所を有する者に対する請求でその事務所 又は営業所における業務に関するもの

当該事務所 又は営業所の所在地

二 号

手形 又は小切手による金銭の支払の請求 及びこれに附帯する請求

手形 又は小切手の支払地

1項

支払督促の申立てには、その性質に反しない限り、訴えに関する規定を準用する。

1項

支払督促の申立てが第三百八十二条 若しくは第三百八十三条の規定に違反するとき、又は申立ての趣旨から請求に理由がないことが明らかなときは、その申立てを却下しなければならない。


請求の一部につき支払督促を発することができない場合におけるその一部についても、同様とする。

2項

前項の規定による処分は、相当と認める方法で告知することによって、その効力を生ずる。

3項

前項の処分に対する異議の申立ては、その告知を受けた日から一週間の不変期間内にしなければならない。

4項

前項の異議の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない

1項

支払督促は、債務者を審尋しないで発する。

2項

債務者は、支払督促に対し、これを発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所に督促異議の申立てをすることができる。

1項

支払督促には、次に掲げる事項を記載し、かつ、債務者が支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは債権者の申立てにより仮執行の宣言をする旨を付記しなければならない。

一 号

第三百八十二条の給付を命ずる旨

二 号
請求の趣旨 及び原因
三 号
当事者 及び法定代理人
1項

支払督促は、債務者に送達しなければならない。

2項

支払督促の効力は、債務者に送達された時に生ずる。

3項

債権者が申し出た場所に債務者の住所、居所、営業所 若しくは事務所 又は就業場所がないため、支払督促を送達することができないときは、裁判所書記官は、その旨を債権者に通知しなければならない。


この場合において、債権者が通知を受けた日から二月の不変期間内にその申出に係る場所以外の送達をすべき場所の申出をしないときは、支払督促の申立てを取り下げたものとみなす。

1項

第七十四条第一項 及び第二項の規定は、支払督促について準用する。

2項

仮執行の宣言後に適法な督促異議の申立てがあったときは、前項において準用する第七十四条第一項の規定による更正の処分に対する異議の申立ては、することができない。

1項

仮執行の宣言前に適法な督促異議の申立てがあったときは、支払督促は、その督促異議の限度で効力を失う。

1項

債務者が支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないときは、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促に手続の費用額を付記して仮執行の宣言をしなければならない。


ただし、その宣言前に督促異議の申立てがあったときは、この限りでない。

2項

仮執行の宣言は、支払督促に記載し、これを当事者に送達しなければならない。


ただし、債権者の同意があるときは、当該債権者に対しては、当該記載をした支払督促を送付することをもって、送達に代えることができる。

3項

第三百八十五条第二項 及び第三項の規定は、第一項の申立てを却下する処分 及びこれに対する異議の申立てについて準用する。

4項

前項の異議の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項

第二百六十条 及び第三百八十八条第二項の規定は、第一項の仮執行の宣言について準用する。

1項

債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から三十日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う。

1項

仮執行の宣言を付した支払督促の送達を受けた日から二週間の不変期間を経過したときは、債務者は、その支払督促に対し、督促異議の申立てをすることができない

1項

簡易裁判所は、督促異議を不適法であると認めるときは、督促異議に係る請求が地方裁判所の管轄に属する場合においても、決定で、その督促異議を却下しなければならない。

2項

前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

適法な督促異議の申立てがあったときは、督促異議に係る請求については、その目的の価額に従い、支払督促の申立ての時に、支払督促を発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所 又はその所在地を管轄する地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。


この場合においては、督促手続の費用は、訴訟費用の一部とする。

1項

仮執行の宣言を付した支払督促に対し督促異議の申立てがないとき、又は督促異議の申立てを却下する決定が確定したときは、支払督促は、確定判決と同一の効力を有する。