送達は、特別の定めがある場合を除き、職権でする。
民事訴訟法
第四節 送達
送達に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
送達は、特別の定めがある場合を除き、郵便 又は執行官によってする。
郵便による送達にあっては、郵便の業務に従事する者を送達をする者とする。
裁判所書記官は、その所属する裁判所の事件について出頭した者に対しては、自ら送達をすることができる。
送達は、特別の定めがある場合を除き、送達を受けるべき者に送達すべき書類を交付してする。
訴訟無能力者に対する送達は、その法定代理人にする。
数人が共同して代理権を行うべき場合には、送達は、その一人にすれば足りる。
刑事施設に収容されている者に対する送達は、刑事施設の長にする。
送達は、送達を受けるべき者の住所、居所、営業所 又は事務所(以下 この節において「住所等」という。)においてする。
ただし、法定代理人に対する送達は、本人の営業所 又は事務所においてもすることができる。
前項に定める場所が知れないとき、又はその場所において送達をするのに支障があるときは、送達は、送達を受けるべき者が雇用、委任 その他の法律上の行為に基づき就業する他人の住所等(以下「就業場所」という。)においてすることができる。
送達を受けるべき者(次条第一項に規定する者を除く。)が就業場所において送達を受ける旨の申述をしたときも、同様とする。
当事者、法定代理人 又は訴訟代理人は、送達を受けるべき場所(日本国内に限る。)を受訴裁判所に届け出なければならない。
この場合においては、送達受取人をも届け出ることができる。
前項前段の規定による届出があった場合には、送達は、前条の規定にかかわらず、その届出に係る場所においてする。
第一項前段の規定による届出をしない者で次の各号に掲げる送達を受けたものに対するその後の送達は、前条の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める場所においてする。
前条の規定による送達
その送達をした場所
次条後段の規定による送達のうち郵便の業務に従事する者が日本郵便株式会社の営業所(郵便の業務を行うものに限る。第百六条第一項後段において同じ。)においてするもの 及び同項後段の規定による送達
その送達において送達をすべき場所とされていた場所
第百七条第一項第一号の規定による送達
その送達においてあて先とした場所
前二条の規定にかかわらず、送達を受けるべき者で日本国内に住所等を有することが明らかでないもの(前条第一項前段の規定による届出をした者を除く。)に対する送達は、その者に出会った場所においてすることができる。
日本国内に住所等を有することが明らかな者 又は同項前段の規定による届出をした者が送達を受けることを拒まないときも、同様とする。
就業場所以外の送達をすべき場所において送達を受けるべき者に出会わないときは、使用人 その他の従業者 又は同居者であって、書類の受領について相当のわきまえのあるものに書類を交付することができる。
郵便の業務に従事する者が日本郵便株式会社の営業所において書類を交付すべきときも、同様とする。
就業場所(第百四条第一項前段の規定による届出に係る場所が就業場所である場合を含む。)において送達を受けるべき者に出会わない場合において、第百三条第二項の他人 又はその法定代理人 若しくは使用人 その他の従業者であって、書類の受領について相当のわきまえのあるものが書類の交付を受けることを拒まないときは、これらの者に書類を交付することができる。
送達を受けるべき者 又は第一項前段の規定により書類の交付を受けるべき者が正当な理由なく これを受けることを拒んだときは、送達をすべき場所に書類を差し置くことができる。
前条の規定により送達をすることができない場合には、裁判所書記官は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場所にあてて、書類を書留郵便 又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者 若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして最高裁判所規則で定めるもの(次項 及び第三項において「書留郵便等」という。)に付して発送することができる。
第百三条の規定による送達をすべき場合
同条第一項に定める場所
第百四条第二項の規定による送達をすべき場合
同項の場所
第百四条第三項の規定による送達をすべき場合
同項の場所(その場所が就業場所である場合にあっては、訴訟記録に表れたその者の住所等)
前項第二号 又は第三号の規定により書類を書留郵便等に付して発送した場合には、その後に送達すべき書類は、同項第二号 又は第三号に定める場所にあてて、書留郵便等に付して発送することができる。
前二項の規定により書類を書留郵便等に付して発送した場合には、その発送の時に、送達があったものとみなす。
外国においてすべき送達は、裁判長がその国の管轄官庁 又はその国に駐在する日本の大使、公使 若しくは領事に嘱託してする。
送達をした者は、書面を作成し、送達に関する事項を記載して、これを裁判所に提出しなければならない。
次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。
当事者の住所、居所 その他送達をすべき場所が知れない場合
第百七条第一項の規定により送達をすることができない場合
外国においてすべき送達について、第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認めるべき場合
第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合
前項の場合において、裁判所は、訴訟の遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てがないときであっても、裁判所書記官に公示送達をすべきことを命ずることができる。
同一の当事者に対する二回目以降の公示送達は、職権でする。
ただし、第一項第四号に掲げる場合は、この限りでない。
公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。
公示送達は、前条の規定による掲示を始めた日から二週間を経過することによって、その効力を生ずる。
ただし、第百十条第三項の公示送達は、掲示を始めた日の翌日にその効力を生ずる。
外国においてすべき送達についてした公示送達にあっては、前項の期間は、六週間とする。
前二項の期間は、短縮することができない。
訴訟の当事者が相手方の所在を知ることができない場合において、相手方に対する公示送達がされた書類に、その相手方に対しその訴訟の目的である請求 又は防御の方法に関する意思表示をする旨の記載があるときは、その意思表示は、第百十一条の規定による掲示を始めた日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。
この場合においては、民法第九十八条第三項ただし書の規定を準用する。